マタニティ・グレイ

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
3.22
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本棚登録 : 490
感想 : 88
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  • Amazon.co.jp ・本 (373ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041104286

作品紹介・あらすじ

母になる不安と期待、そして葛藤。仕事に燃えるキャリアウーマンの心の揺れをつぶさに描く、悩みも喜びも等身大の、新たなマタニティ小説の誕生。

感想・レビュー・書評

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  • 妊娠中に読んでみようとおもい、一気に読み上げました。気持ちわかるわかる、とおもいながらすらすら読めました。

    子供が好きでなかった主人公が、どんどんお腹が大きくなるにつれ考え方が変わっていくのが素敵でした。


    『ただ妊娠しただけでなく、一斗の子どもだってことにもすごく感謝してる。』主人公の言葉

    『そこはあったかいですか』『ここは居心地がすごくいいって。素敵なお母さんのところにきてよかったって』流産してしまった若い妻からの言葉


    今のタイミングで読めてよかった!

  • “性”のお話が美しく、得意な石田衣良さんの、
    “生”を描いたお話。
    いつもの石田衣良さんぽくなくて新鮮でした。
    でも相変わらず小説に流れる空気感が大好きです。

    子供を持たず、大好きな仕事をこなしながらの夫婦生活が幸せと思っていた主人公。
    しかし子供を授かり、最初は絶望に似たような感情を抱いていたものの、だんだん子どもを持つことについて前向きになっていきます。


    私はこどもが好きですし、
    女に生まれたからには子どもを持ちたいと思っていましたが、自由を奪われる、お金もかかるなど現実的なことを考えると子を持たない幸せもあるのかなと思うようにもなりました。
    この本はどっちを選ぶかを私に考え直させてくれました。

    読了して。
    できることならやはり子を持ちたいとおもいました。
    自信が生きた証として命を産み落とすことは誇らしいことだと思います。
    もちろん責任をしっかり持った上で。


    子どもをもつor持たない
    確かにこれで人生が大きく変わってくるので
    大きな選択になるとおもいます。
    その選択を余裕を持って考えられる今のうちにこの本を読めてよかったです。


    「仕事を頑張る女性」
    という主人公の主観でストーリーが進められているので価値観が似てる私にはとても参考になりました。



    【印象に残ったフレーズ】
    男性編集者は社会に貢献すること、雑誌の部数を伸ばすことに夢中な場合が多い。どちらもはっきり数字でわかる貢献だ。
    けれど千花子だけでなく女性編集者のほとんどは、売上を増やすことより良い雑誌をつくることに熱心だった。



    男女の仕事に対する目標の違いですよね。
    あまり声を大にしていえませんが、男女平等とはいえど女性には結婚、出産がつきものなので仕事を長く続けられないこともあります。
    それでも働くという選択をしている女性の情熱といったら。
    だから女性が作り出すものやサービスはレベルの高いものが多いのだとおもいます。
    だから働く女性ってかっこいいんだ!と気づかされた文でした。


  • 妊娠・出産の経験がないから想像するしかないが、仕事もやっているとなるとかなりキツイに違いない。
    女性の多い編集の仕事なのに産休・育休制度も確立していないなんて……。
    ちょっととぼけたようなのんびりしているようなだんな一斗がいい味出してるなぁ。これほど声を掛けてくれたり手伝ってくれたりしたら二人の赤ちゃんという気分に間違いなくなれるだろう。
    無事産んで不仲だった親の気持もわかってというところで終わってしまったけど、その後の育児編というのも読みたいな。

  • うーんしょせん男性が書いているということなのでしょうか
    未経験のことを書いているということをおもうと、角田光代さんがやっぱりすごかったんだなー!としみじみ思いました。
    予定日はジミーペイジ。読んでいてすごくしっくりきたもの。

    この小説だって、別に面白くないわけではないけど、
    リアルさには欠けるのかなぁ。
    今求めていた作品とは違った。
    妊娠出産を扱うならもっとリアルな作品を求めていたみたい。
    たまたま図書館でみかけて、借りてみたのですが
    タイミングではなかったのかな~

    養ってくれて、自分にべたぼれで、えっちも好きで、
    ひどい子ども嫌いだったはずなのに子どもを生むこともすんなり決意してくれて、男性の理想?なんて思ってしまった。

    結婚出産がまだまだ遠い未来の若い女性や、世の男性たちが、妊娠ってこういうことなんだなーってイメージをもたないことを祈る。

    夫が大好き!なのは素敵なことだしこうありたいなーとおもった。

  • 予期せぬ妊娠を受け止めて仕事と両立しながら自然な出産を選んだ主人公。『出産はひとりひとりがばらばらでオリジナルな経験』ってことを思う返します。もう出産はしたくないけど、妊婦っていぃなぁー☆

  • もうすぐ臨月、胎動が激しくて寝られない夜に一気読み。
    石田衣良さんって女だったっけ?とおもうほどにリアルでびっくりした笑
    途中?ってとこもわりとあったけど。時代かな。
    キャリアとライフイベントで悩む女性、典型的なかんじ。
    でもできちゃうとやっぱり母親って本能が湧くのかなぁ

    産まれたとこで終わりだったからその後のコラムの話とかも読みたかったな。

  • 仕事に生きる女性が妊娠し、最初は戸惑っていたけど、気づいたら母としての自覚をもち赤ちゃんに会えるのを楽しみに妊婦生活を送る物語。

    お金はないしお調子者のカメラマンの夫が、しかし妻と子どもへの愛情は人一倍あり良いキャラクターだった。

    母としての一面も得ていきつつ、妻・夫婦生活は手放さずにいるのがいいなあとおもった。

  • 読みやすくてさらっと読み終わったけど、共感できる部分と、これは違うかなと思う部分がちらほら。

  • 妊娠した一人の女性の心情変化が素直に描かれているんだなと感じた
    病気じゃないけど絶対安全じゃない、その難しさはあって、妊娠に関わる光も闇も描くという筆者の意志を感じた
    仕事も子供も諦めないいい結末になったけど、世の中の女性にどう響くのかなあとは興味がある

  • 2013.5.24
    まずこの本を本屋で見た時に、
    妊娠できない男が十月十日一心同体で赤ちゃんを育てる女の心理なんか書けるもんか、いい度胸してるやん。って気持ちと
    じゃあどんな風に書いてるのかっていう気持ちが交錯して借りて読んでみた。

    残念なのはそんな意気込んだにも関わらず
    返却期限が迫ってたから流し読みになってしまったこと。笑

    もちろん書くにあたって資料集めしてるやろうから
    当たり障りない妊娠小説っちゃそうやけど

    お金がないくせにハーブティーだのヨーグルトだの分譲マンション購入だの
    石田衣良臭で突っ込みたくなるような部分は沢山ありました。

    誰かが感想で『イライラ衣良』って書いてたのが笑けた。

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著者プロフィール

1960年東京生まれ。成蹊大学卒業。代理店勤務、フリーのコピーライターなどを経て97年「池袋ウエストゲートパーク」でオール讀物推理小説新人賞を受賞しデビュー。2003年『4TEEN フォーティーン』で直木賞、06年『眠れぬ真珠』で島清恋愛文学賞、13年 『北斗 ある殺人者の回心』で中央公論文芸賞を受賞。他著書多数。

「2022年 『心心 東京の星、上海の月』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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