切り裂きジャックの告白

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  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (334ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041104408

感想・レビュー・書評

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  • 被害者の遺体が、何故か解剖され、臓器を抜き取られていて放置されていた。
    何故犯人は解剖までして、臓器を持ち去らねばいけなかったのか。そもそも動機は何か。
    被害者に共通点はないかと思われていたが、ある事実が判明する。

    臓器移植についてあまり考えたことはありませんでしたが、他人の命を食らってまで生きる浅ましい人間という考えに頭が殴られたような感じがしました。
    脳死は認定されたけど、心臓は動いてるしちゃんと生きてるんですよね。
    それは確かに、臓器提供お願いしますと言われて家族は納得できないと思いました。
    10歳ぐらいのお子さんが亡くなったご両親が、この子は優しい子だったからと、臓器提供に同意したというニュースを見たことがありますが、それはどんなに辛い決断だっただろうと思います。

    ドナーが現れて病気の子どもが救われるというのは感動的ですが、その裏で健康な人が一人亡くなったというのは忘れてはいけないことなんだと改めて気付きました。

  • あちこちでオススメ評判を聞く中山七里さん初読。凄惨な事件×刑事モノはさくさく読める。動機が見えない事件だと現実でもそうだけれど、何故、という保身のような疑問がおさまらなくなる。ちょっとでも納得させてほしくなるんだろうな。でも真相を知ってもスッキリはできず、身勝手に胸塞ぐ結果となってしまった。まあこんな殺人を犯す人間に共感できるはずもないんだが。臓器移植も良し悪しなんだな、利権も絡む世界なんだろうな。ドナーカードは成人してからずっと財布に入ってるけど、使う機会がなかったほうがよかったことなのかもしれないな。。つなぐ命、絶たれる命。難しい。
    いちど映像化もされた作品のようだけれど、単発サスペンスドラマを見るかんじで読めるので、中山ワールド入口としては良いチョイスだった、とおもう、これからどんどん手に取ってみたい作家さんのひとり。

  • 先日(2020年11月)映画が公開された「ドクター・デスの遺産」の犬養刑事を主人公としたシリーズの第1作。ちなみに映画化されたのはシリーズとしては第4作。これには高千穂明日香刑事は出て来ない。2015年4月に沢村一樹さん主演の2時間ドラマがあったそうだが、それは見ていない。臓器移植に絡んだ連続殺人を追う話。なかなか難しい問題。作者の作品にはこういう社会への問題提起的なものが多く、ちょっと疲れるところもあるなあ・・・

  • 平成の切り裂きジャックことシリアルキラーのお話。

    一 再臨
    二 焦燥
    三 恐慌
    四 妄執
    五 恩讐
    エピローグ

    臓器をすべて摘出された死体が発見され、昔、ロンドンを震撼させた切り裂きジャックの復活と噂される。

    連続殺人は止まらず、被害者達には移植を受けた共通項が。

    捜査を担当する犬養もまた移植を控えた重病の娘をもつ身であり、臓器移植医療に世論の波紋が広がる中、所轄の古手川とともに犬養は切り裂きジャックへ突っ走る。


    臓器移植の明暗を定義した社会派な小説でもあり、どんでん返しもの。

    ですが、どんでん返しがイマイチ。

  • ずっと読んでみたかった本なのですが、冒頭から苦手な分野かも、と腰が引けることしばしば。

    やめようかなと思いつつ、先が気になったので読み進めると、猟奇的事件が臓器移植治療の是非を問う流れになり、母子の愛情で締めくくりと、ラストは読み始めからは想像できなかったことですが、ほろりときました。

    テーマは個々に思いや考え方があると思いますが、それを問うのは大事なことだと思います。各々が各々の価値観で生死を決めることが大事で、生きていることはとても素晴らしいこと。

  • カエル男の古手川刑事と犬養刑事が主役。最後の犯行阻止が都合良すぎる偶然だが、それを差し引いても面白い。最後に感動の場面。

  • ある人から臓器移植を受けた人たち4人が次々とねらわれていく。犬養刑事と古手川刑事が懸命の奔走に、ドキドキしながら読み進めた。(犬養刑事の刑事としての顔と父としての顔も両方あって、なかなか興味深かった。)ラスト、心臓の移植を受けたことに感謝しながら懸命にトランペットの練習に励む小学生が助かったほっ彼が譲り受けた心臓とやりとりしながら、いろんな思いを抱えて懸命に生きている様子にも感動した。

  • 警察署の目の前で行われた猟奇的な殺人事件。遺体からは内臓が全て取り除かれていた。「切り裂きジャック」からの手紙、そして、第二、第三の犠牲者が…臓器移植がテーマとなっており、臓器移植の舞台裏も書かれてる。犬養刑事も臓器移植に関わる当事者であり、そこもストーリーとして良かった。犯人の動機にとても興味が膨らんだが、最初の犯人の供述に違和感があったけど、ちょっとしたどんでん返しの後の告白に納得。面白かった!古手川刑事とのペアはもう一度読んでみたいけど、こちらは流石に難しいかな。その前に、犬養刑事をまた、書いて欲しいな。

  • ヒポクラテスの誓いのシリーズの古手川刑事と、犬飼刑事のコンビで活躍。
    死体の描写が相変わらずだけど、中山七里ばかり読んでいたので慣れてきた…。

  • 移植されたら
    生かされた命だから
    その人のぶんも生きよう
    と思いますよね
    他の人は
    それを当たり前と
    いう権利があるのでしょうか

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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