絹の家 シャーロック・ホームズ

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  • Amazon.co.jp ・本 (349ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041104514

作品紹介・あらすじ

ある理由から、当時は公表するのがはばかられた「ハンチング帽の男と絹の家」の事件。これを記録し、ホームズ正典を完成させなくてはならなかった……。ついに書かれた、コナン・ドイル財団公認のホームズ新作長編

感想・レビュー・書評

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  • 本作は『カササギ殺人事件』、『メインテーマは殺人』で一昨年、昨年、賞を総なめにした作家、アンソニー・ホロヴィッツが書いた、アーサー・コナンドイルの財団が初めて認定した61作目となる、80年ぶりのシャーロック・ホームズ最新作です。

    私はホームズのシリーズは長編を全部と短編集を数冊読んでいますが、また、昔のホームズと新たに再会できるとは思いませんでした。
    アンソニー・ホロヴィッツの才能は並ではないと思いました。所々に昔のホームズの作品名が出てくるのも楽しく、文章は本家本元のコナン・ドイルより、現代的で読みやすかったです。


    エドマンド・カーステアーズという美術商の家であるリッジウェイ・ホールを狙っていた双子のギャングの一人キーラン・オドナビューが泥棒に入り50ポンドの現金とネックレスが盗まれます。リッジウェイ・ホールにはカーステアーズの他にアメリカ人の妻キャサリン、姉のイライザが住んでいますが、イライザはホームズにキャサリンのせいで母は自殺したのだと訴えます。

    一方、ホームズが少年たちに捜させると、キーラン・オドナビューがナイフで刺されているのが発見されます。
    それを見つけた、少年ロスは行方をくらまします。ロスは殺人者を見て強請を働くつもりであり、ロスが危険にさらされているとホームズは確信します。
    ロスにはサリーという姉がいてパブで働いていました。サリーを訪ねるとサリーは「ハウス・オブ・シルクからきたんでしょ」と言い放ち、ワトスンはサリーに刺されてしまいます。
    ロスは撲殺されて見つかりました。
    そして手首に白いリボンが結ばれていました。

    すでに7週間前に、ホームズの元へシルクのリボンが入った封書が届けられていました。
    そして、ライムハウスというアヘン窟に乗り込んだホームズは、罠にかかり、サリー・ディクスンを撃ち殺した犯人とされてしまい、絶体絶命のピンチに陥りますが、さらなる危険がホームズを待っていました。

    • くるたんさん
      まことさん♪こんにちは♪
      コメントありがとうございました♪
      楽しまれたみたいで良かったです♪
      私も「メインテーマ…」で触れられていた時、思わ...
      まことさん♪こんにちは♪
      コメントありがとうございました♪
      楽しまれたみたいで良かったです♪
      私も「メインテーマ…」で触れられていた時、思わずニンマリしちゃいました♪
      やっぱり現代的で読みやすく仕上がったホームズなんですね( °艸°)
      変装シーンも良かったですよね♪
      哀しみ、怒りを感じる作品だけれど、楽しめました(*≧∀≦)
      2020/03/10
    • やまさん
      まことさん
      こんにちは。

      コメントありがとうございます。
      まことさんが、ちひろさんの絵が好きだから、この画集はどうかなと思っていま...
      まことさん
      こんにちは。

      コメントありがとうございます。
      まことさんが、ちひろさんの絵が好きだから、この画集はどうかなと思っていました。
      私は、 「ちひろ 花の画集」は、いいですよ。
      子供たちの顔が、柔らかくて儚げなのに力強さも感じ、その目が、お顔が、私の内側を見ているような感じがしました。
      仏さんに見られているようです。
      是非見てください。

      やま
      2020/03/10
    • やまさん
      まことさん
      おはようございます。

      コメントありがとうございます。
      いわさきちひろさんの画集は、初めて手に取りました。
      十数年前に...
      まことさん
      おはようございます。

      コメントありがとうございます。
      いわさきちひろさんの画集は、初めて手に取りました。
      十数年前に妻と一緒に東京の「ちひろ美術館」へ行った時より、今の方が強く印象を受けるようです。
      私は、いわさきちひろさんの画集をこれからも少しずつ見ていこうと思っています。
      まことさんが知っている画集も出て来ると思います。
      それと、私の感想は、感じたまま書いているだけです。
      基本は、「記録」として次に読むときに、どんな本だったかなということの覚書で書いています。

      やま
      2020/03/12
  • 常々読書家ひまわりめろんの血は北杜夫先生と星新一先生で出来ていると吹聴しておりフォローして頂いている方の中にはご記憶の方もいらっしゃるかと思われますが
    ひまわりめろんの心臓はといえばコナン・ドイルとモーリス・ルブランで出来ているのです

    出来ているのです

    特に誰も興味ないかもしれませんがそうなのです

    当時小学校の図書館や市の図書館には必ず児童文学としてシャーロック・ホームズとアルセーヌ・ルパンのシリーズがあり
    小学生のひまわりめろんはその冒険譚にまさに胸踊らせて読みふけったものでした

    なのでホームズとルパンには一家言ありますよ!!!
    と、言いたいところですが例によってほとんど忘れているわけですね

    なのでこの物語がどの程度本物の雰囲気を踏襲しているかというと「よくわからない」というのが正直なところですが
    あれ?こんな感じだったっけ?と思ったのもやはり正直な感想です

    アンソニー・ホロヴィッツ
    そんなにコナン・ドイルの作風に寄せようとしてないんかな?と思いました

    でもそこはアンソニー・ホロヴィッツ
    ミステリーとしてそもそも一級品の出来栄えで唸らせます

    そして何より
    アンソニー・ホロヴィッツ…ホームズ大好きじゃないかこれ!
    ホームズというかホームズシリーズにとんでもないい愛情を持った人じゃないとこの物語は生み出せないですよ絶対
    感涙ものの登場人物たちが魅力爆発だし
    一番の見どころはホームズと兄マイクロフトとの会話のシーンでもうニヤニヤしっぱなしです

    凄い面白かったです

    ただ「そんなに寄せてないよね」って感想が的を得てるかどうか自分の目で検証が必要だね
    ホームズ要再読や!!
    ブックリスト作ろうw

  • アンソニー・ホロヴィッツによるコナン・ドイル財団から認定された新しいホームズ長編。

    本書は、シャーロック=ホームズ亡き後の老境のワトソンが、かつてホームズの活躍で解決したものの様々な方面への影響が大きすぎる、と金庫にしまい込んでいた事件の記録を公表した、という体裁で描かれている。

    結婚し、ホームズとの同居生活を解消したワトソンが、妻の一時不在のためしばらくホームズのもとに身を寄せることになる。そこに飛び込みでやってきたのは、画廊の共同経営者カーステアーズ。彼は、高価な絵画の取引でトラブルに巻き込まれ、命を狙われているという。ホームズとワトソンは、彼の命を狙っているキーラン・オドナヒューという悪党の足取りを浮浪少年たちで結成された“ベイカー街別働隊”に頼むが、彼を見張っていたロス少年が行方不明となり、さらには“絹の家”という謎の言葉が残される。ロスの行方は、そして“絹の家”の正体とは。

    もうだいぶ昔にはなるが、シャーロックホームズに夢中になって全シリーズを読み通した。新しいホームズの長編、と聞いて楽しみ半分、不安半分だったが、私の中にあるホームズのイメージを壊されることなく楽しんで読むことができた。
    アンソニー・ホロヴィッツの本は情報量が多いので、最初のとっかかりに時間がかかるが、一度ストーリーに入り込むとぐいぐい読み進められる。どことなくうさんくさいカーステアーズ氏の家族、ロス少年の過去、禍々しさを感じさせる“絹の家”など、複数の秘密がストーリーを引っ張っていき、ホームズによってきれいに収束される展開は見事である。
    絶体絶命の危機に陥ったと思わせて不死鳥のごとく蘇るホームズに、往時のホームズの活躍を思い出してうれしくなった。

    ストーリー自体は当時のイギリスの闇を描いた陰惨な内容で、解決後もしこりのようなものが残る。パスティーシュにそれほど興味はなかったが、現代だからこそ描ける当時の風俗がある、と考えれば、亡くなった作家の最新篇を読む、という単純な楽しみ以上の意味もあるのかもしれない。

  • ホームズの新作?という期待値あがる触れ込みで逆に読んでなかったが、よく考えたら子供の頃読んだのとBBCドラマ『シャーロック』の印象しかないので普通に楽しめた。ホロヴィッツはすぐに物語の世界に引き込む筆力あってもっといろいろ読みたい。

  • ホームズの死後にワトソンが書いた、当時公表するのがはばかられた〈ハンチング帽の男と絹の家〉の事件簿。

    とてもおもしろかった!

    一目見ただけで、さまざまな情報を読み取ってしまう、ホームズの魔法のような観察力と推理力。
    少し難しいその気質と、ワトソンとの関係性。

    次から次へと現れる手掛かりに、絶体絶命の危機。

    クオリティが高いパスティーシュで、本物のシャーロック・ホームズ本のよう。
    さすがコナン・ドイル財団から認定された作品。

    オリジナル作品のエピソードや、おなじみの登場人物が、そこかしこにあらわれるのも、たのしい。
    訳注もていねいで、細かい元ネタもわかりやすい。

    扱う事件のひどさや、社会的な背景など、問題の重さが、やや現代的。

  • 財団認定の、ホロヴィッツが描いたホームズ最新作。

    美術商絡みの捜査を依頼されたホームズ。
    その捜査を手伝ってくれた少年が殺された。

    キーワードは絹のリボンと絹の家。
    これらは一体何を意味するのか…。

    ホームズの捜査、危機からの脱出劇はなるほど…と、眉間にはうなる面白さのシワがより、たどり着いた真実に眉間には嫌悪のシワがよる。
    絹の家という悪魔にホームズが去り際に放った言葉には思わず拍手を贈りたくなるほどだった。
    ワトスンがホームズの胸のうちを思い綴ったあとがきも良かった。満足な探偵小説。

    • あいさん
      新しいホームズ?イメージは昔のままかしら?
      ホームズファンは嬉しいよね✧*。(ˊᗜˋ*)✧*。
      私はどちらかというとルパン派。
      いつか...
      新しいホームズ?イメージは昔のままかしら?
      ホームズファンは嬉しいよね✧*。(ˊᗜˋ*)✧*。
      私はどちらかというとルパン派。
      いつかルパンも出てくるかしら(笑)
      カササギの人なんだね!それは期待大ヾ(≧∪≦*)ノ〃
      2019/09/25
    • くるたんさん
      けいたん♪こんばんは♪

      おー!ルパン派♡私もルパン好きだなぁ。

      なんか現代っぽくイキイキとしてる感じ。
      財団から認定されちゃうって、なん...
      けいたん♪こんばんは♪

      おー!ルパン派♡私もルパン好きだなぁ。

      なんか現代っぽくイキイキとしてる感じ。
      財団から認定されちゃうって、なんかすごいよね♪
      カササギの作家さん、目が離せないわ〜(*≧∀≦*)
      2019/09/25
    • まことさん
      くるたんさん♪こんにちは。

      ご紹介ありがとうございました。
      面白かったです(*^^*)
      この作品は『メインテーマは殺人』の文中でも...
      くるたんさん♪こんにちは。

      ご紹介ありがとうございました。
      面白かったです(*^^*)
      この作品は『メインテーマは殺人』の文中でも紹介されていたけれど、私はくるたんさんのレビューで知りました。

      アンソニー・ホロヴィッツの他の2作に優るとも劣らない佳作だと思いました。
      もっと、有名になって読む人が増えてもいい作品ですよね。
      ホームズが、ちょっと現代的になって帰ってきたかんじでした。
      おなじみのホームズの変装シーンまであって、サービス精神があるなぁと思いました。
      2020/03/10
  • ホロビッツの描くシャーロックホームズに お会いできた感動。 高潔で まさに本物の ホームズ以上のホームズでした。
    ただ惜しまれるのはあの犯罪のくだり。あんな事件に関わって容疑者になつたり、罪の意識にいつまでも重い罪の意識を抱えねばならないだなんて…。
    ワトスンも素晴らしい語り手の役を演じていてくれてそれにも満足。
    本物のシャーロキアンではないけれどその方たちに言わせればもっと辛辣な意見なのでしょうか。

    ホロビッツ著の本に「私が『絹の家』を執筆した際に…」のような文章が多々あったので読んでみたかった!念願が叶いました。

  • コナン・ドイル財団公認のアンソニー・ホロヴィッツによる新作です
    お馴染みのワトソンによる事件記録形式

    最初の依頼を追いかける内に、違う事件に巻き込まれていくという王道の展開です
    しかし、結末もよくあるお話

    最終的に最初の依頼の解決と、その後の事件との関連も明かされます

    お馴染みの登場人物も多数登場
    作品単独でも楽しめますが、シリーズに詳しければより楽しめそうでした
    翻訳者からのツッコミも含めて・・・

  • 面白かった。HUIS OF SILKにたどり着いたあたりから、スピード感がでて俄然興味深く読み進めた。コナンドイルの作では無いけど、充分シャーロックホームズの世界でした。子供の頃読んで、あまり時代背景にまで興味を持って読んだとは言えなかったが、歳をとってからまた読むと、シャーロック、ワトソン等登場人物やトリック以外にも関心が行って、小説として面白いと新ためて発見しまさした。図書館でもう一度全集借りようかなー。

  • あの作品もこの作品も再読したくなる。
    訳者付記にあった著者が自分に課した10か条のルールがぐっときた。
    でもやはり現代っぽさは拭えないなぁと。
    ドイルが今ホームズを書いたらどうなるんだろうか?

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著者プロフィール

Anthony Horowitz
イギリスの作家。1979年、冒険小説『Enter Frederick K. Bower』でデビューし、YA(ヤングアダルト)作品「女王陛下の少年スパイ!アレックス」シリーズ(集英社)がベストセラーとなる。ドラマ『刑事フォイル』の脚本、コナン・ドイル財団公認の「シャーロック・ホームズ」シリーズの新作『シャーロック・ホームズ 絹の家』(KADOKAWA)なども手掛ける。アガサ・クリスティへのオマージュ作『カササギ殺人事件』は、日本でも「このミステリーがすごい!」「本屋大賞〈翻訳小説部門〉」の1位に選ばれるなど、史上初の7冠に輝く。続く『メインテーマは殺人』『その裁きは死』『ヨルガオ殺人事件』(以上、東京創元社)も主要ミステリランキングで首位を取り、4年連続制覇を達成した。


「2022年 『ホロヴィッツ ホラー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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