- Amazon.co.jp ・本 (228ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041104712
感想・レビュー・書評
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自分の好きな作家「三崎亜記」のエッセイ。現実と非現実を織り交ぜた不思議な感覚の小説とは違い、現代の流行などについて斜めから皮肉たっぷりにバサバサと斬っていく。「タダシガ記」は同調できるところも多々あるものの、「ツブヤ記」についてはもうひねくれ過ぎ。べつやくれいの挿絵がまたいい味を出し過ぎてニヤリとする一冊。最近、ちょっとひねくれた作家のエッセイがお気に入り。「先進国」という言葉は、実は定義がなく、なんとなく人々の共通認識で成立していたことを初めて知った次第。
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『ダ・ヴィンチ』、『本の達人』で連載されたエッセイタダシガ記、
twitterを抜粋したツブヤ記、
居酒屋甲子園体験記のケンブツ記の3構成エッセイ。
不可思議な物語を書く人だけれど、当然ながら福岡在住の元公務員なので、その日常はごく普通である。
こだわりや着眼点は一風変わっているけれど、そこまでおおっというところはなかった。
最初のワープアが便座カバーを買うことについての考察が面白く、全体としてシニカルな見方が興味深かった。
震災を挟んでの連載ということで、震災以前に書いた文章について今コメントするという形式が内容を厚くしている気がする。
ただ、既に作品に現れているのだが、2010年〜は政治や社会問題への言及が多い。
特に震災以降はかなりの割合で出てくる。
主義主張についてとやかく言う気はないけれど、論壇誌ではないのだから、政治への批判が強すぎて好きになれない内容である。 -
さすが視点が面白い。
挿し絵も可愛くて好き。 -
著者初のエッセイ集。基本的にエッセイは読まないことにしているんですが、とにかくへんてこりんな設定の多い著者ゆえにその人となりが少しでも垣間見えたらとチャレンジ。やはりこの人は半端なくへんてこりんな人でした。連載中に例の震災があったわけですが、過渡に反応するわけでもなく淡々と連載を続ける姿勢にも好感が持てました。
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当たり前と思っていた常識がゆらゆら揺らいでいく? 『ダ・ヴィンチ』『本の旅人』で4年にわたり連載されたエッセイをはじめ、Twitterより抜粋した「ツブヤ記」、書き下ろし企画「ケンブツ記」を収録。
あれだけ奇想天外な小説を紡ぎだすのだからさぞかし…と期待して読み始めたエッセイだけど、そこに描かれていることは特に奇想天外でもなく、その点は期待外れだった。むしろべつやく れいさんのイラストの方が笑いを誘う。
(C) -
三崎さんの作品は不思議な設定となんとなく失われているという感覚があるのですが、エッセイを見ると、まともな感覚の人なんじゃないかと疑ってしまう。ちなみに、感覚がまともなだけで、まともな人ということではありませんので。。。
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このエッセイは好き嫌いが別れるだろうな〜と思いつつ、喜んでくれそうな人を思い浮かべて、おすすめします。
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軽妙だけど真面目。
三崎亜記さんの小説世界とは少し離れたエッセイ。
サラリと楽しく読めました。 -
914.6
ダ・ヴィンチ、本の旅人掲載エッセイ+書き下ろし -
ヤっ,ふっ,ふっ。絵があって良かったと思えるエッセイ~便座カバーを持っている程度の幸せ。携帯って言葉が定着した。クールビズって本当に環境に良いのか。蝉の声は騒音か。隠すと目立つモザイク処理。水節約に努めた結果,水道代値上げ。流行を決められるのは嫌だが。島を小さくする虫がいる。ツィッターが流行る訳。「地球のために!」は万能の合い言葉。B級があるならZ級も。最高と普通しかなくなった。二律背反より二律共存を。骨盤体操で花粉症軽減。グローバルを地球外から見たら。風評って怖いけど。バルス!「友」「供」「共」ダ・ヴィンチから本の旅人へ。先進国って言う概念は曖昧。馴れ馴れしい寿司。福岡の居酒屋チェーンぶあいそ。見せたくない番組にみんな詳しい訳は。イケメンって奴は。傾いて
いる状態が普通だと気持ちいい。全国居酒屋甲子園~三崎の視点,それを読んだべつやくの連想が面白く,にやっと笑ってふっと鼻から息が出る。読んでいる人も似たような感性を持っていて,文字にしてくれているようだ。痛快とはいわないが,忍び笑いが止まらない。三崎って女だったっけ?と思わず調べたのはイラストのせい