無印良品は、仕組みが9割 仕事はシンプルにやりなさい

著者 :
  • 角川書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041104996

作品紹介・あらすじ

38億円赤字からの「V字回復」を実現した経営者が語る、シンプルな仕事哲学。あらゆる会社・チームをよみがえらせる「仕事の仕組み」とは?「決まったことを、決まった通り、キチンとやる」だけで生産性は3倍に!

感想・レビュー・書評

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  • 「無印良品は、仕組みが9割」

    1.購読動機
    身近なブランドであり、また、最近はカレーの多様性ある売り場づくりという発信力がある会社でもあるから。

    2.本書
    2013年出版ですので、古さはあります。
    ただし、多店舗運営、雇用に流動性ある場合には気づきが多い書籍かとも判断します。

    3.無印良品がなぜ仕組み?
    業績悪化時、リストラ着手。優秀な店長が離脱。店舗運営の標準化が必要であったため。

    4.どんな仕組み?
    店舗の運営マニュアル。
    たとえば、朝礼、マネキンの着せ替え、POPまで幅広く存在します。

    5.仕組みに記載の内容
    初出勤のアルバイトが読んでわかる、行動できるレベル。
    朝礼とは?定義目的
    誰がやるのか?
    いつやるのか?
    どのようにやるのか?
    を記載。

    6.無印良品の強さから転用したいこと。
    ①率の経営
    額ではなく、率でみる。
    ②現場の意見採用
    店員が売りたい製品1つ選択。
    好きに売り場を作らせてみる。
    →やりたいを採用。
    ③実行力
    会議の終わりは決める。
    いつまでに、だれが、何を。
    →記録、更新。
    ④良い事例、悪い事例
    ふたつ取り上げることで理解が促進される。


  • 無印良品の2つのマニュアル

    ・MUJIGRAM:店舗向け
    ・業務基準書:本部、本店業務向け

    無印良品をV字回復させたのは、仕組みづくりであり、無印良品の復活の原動力になったとしております。
    「努力を成果に結びつける仕組み」「経験と勘を蓄積する仕組み」「ムダを徹底的に省く仕組み」の3つです。

    気になったことは次のとおりです。

    ・この2つのマニュアルにすべての仕事のノウハウが書かれています。
    ・マニュアルの各項目の最初には、何のためにその作業を行うのか、「作業の意味・目的」がかいてあります。これは「どのように行動するか」だけでなく「何を実現するか」という仕事の軸をぶれさせないためです。

    ・どんな作業にも、「うまくいく法則」があります。それを見つけ、標準化するのです。
    ・「それくらい、口でいえばわかるのでは?」と思われることまで明文化する。⇒細部は往々にして、個人個人で判断してやってしまいがちです。だから、社内で統一することが難しい。マニュアルにする必要があるゆえんです。
    ・現場では、毎日のように問題点あ改善点が発見され、マニュアルは毎月、更新されていきます
    ・担当者がやめたら、また一からスキルを構築し直さなければならなかった。⇒マニュアルを整備し、徹底的に見える化を図りました。
    ・無印良品では、「実行95%、計画5%」 議論をしただけでやった気になっていませんか。だから、私の会社には議論は似合わない。
    ・はじめた当時は、店長の数だけ、店づくりのパターンがあった。それは店長のノウハウであって、スタッフには何も残されていなかった。店のやっていることがバラバラであれば、お客様に満足いただける環境や商品を提供できません。
    ・無印良品の業績が悪化した理由はなにか。6つの内部要因 ①慢心、おごり、②大企業病、③焦りからくる短期的な対策、④ブランドの弱体化、⑤戦略の間違い、⑥仕組みと風土をつくらないままの社長交代
    ・問題の本質を見極めるために、何度も店に足を運び、社内の意見を聞きました。まず問題点を見つけること。そして問題点を特定したら、その構造を探ります。それを新たな仕組みに置き換えること。そうしなければ、組織の体質を変えることができない
    ・いきなりの意識改革は難しい。反対者を改革の体制に組み込んで、ゆでかえるのように、改革をすすめていく。仕組みに納得して、実行するうちに人の意識は自動的に変わっていく
    ・顧客からのクレームも、社員からのリクエストも実際に役立ててこそ、本当の宝になります。そう考えると、どの企業にも、アイデアの宝が山ほどうまっているのではないでしょうか。
    ・優秀な人材は簡単には集まってくるものではない、だから、育てる仕組みをつくる
    ・人は1度の失敗からは学ばない。2度失敗してようやく学ぶものです
    ・ものごとは7割できていればよし、あとの3割は走りながら考えないと間に合わない
    ・だれにでもわかるようにするには、いい例と悪い例を明示すれば、何がわるいのかが一目両然とする
    ・リアルタイムで改善する
    ・クレームの一次対応 ①限定的な謝罪 ②お客様の話をよく聞く ③ポイントをメモする ④問題を把握する ⑤復唱する
    ・社員自身が満足する商品をそろえる
    ・2つの選択があった場合は、あえて難しい選択肢を選ぶ
    ・見える化はやるときめたら徹底的にやらなければなりません。
    ・提案書はA4 1枚 両面

    「改革は一朝一夕ではできませんが、あせらず、くさらず、おごらずに進めていけば、いつか自分の信じる道へとつながっていくでしょう」が結論です。

    目次は次の通りです。

    はじめに

    序章 なぜ無印良品には2000ページの”マニュアル”があるのか
    1章 売上とモチベーションが「V字回復する」仕組み
    2章 決まったことを、決まったとおり、キチンとやる
    3章 会社を強くするための「シンプルで、簡単なこと」
    4章 この仕組みで「生産性を3倍にできる」
    5章 自分の仕事を「仕組み化する力」をつくろう

    おわりに

  • タイトル通り仕組みやマニュアルに関する考え方や取り組み方がギュッと詰まった内容。
    私自身、人の事は俯瞰的に整理できるものの、自身の事に関しての棚卸が出来ず、
    明確な弱みとして感じていましたが、
    散りばめられたヒントになるようなお話を踏まえ、
    日常生活に落とし込み、実践してみようと思いました。

  • なかなかよくできたビジネス書に仕上がっている。ただ同じことを言ってるだけなので途中で飽きる。とりあえず前書きと目次読んで想像した内容で間違いございません。人には何故やるかを意識させることと仕組み(マニュアル)を作ること、アップデートして、最後までやり抜く。これを無印の例で何回も話してる感じ。やり抜くことが大事だと思うけど、そのノウハウはほとんど書いておらず、松井さんがそういう点で優れた人だったという印象。
    本で、自分が経験できないことから経験値が得るってのには良いっすよ。以上レポッス。

  • マニュアルを作るというのは実践している企業も多いと思う。しかし、それを最低月1は見直し、アップデートできているというのが無印良品の強さなんだろうなあと思った。マニュアルを統括する部門があるというのが驚き。標準なくして改善なしという言葉が心に響いた。

  • 本書では、無印良品で運用されている2000ページのマニュアル“MUJIGRAM(ムジグラム)”を通し、
    仕組み・標準化・マニュアルの重要性を学ぶことができます。

    著者は、2001年当時38億円の赤字であった無印良品の社長に就任し、
    “仕組みづくり”の推進により赤字状態の組織を“風土”から改革し、業績をV字回復させました。

    無印良品ではすべての仕事の原点として、商品開発から経営、接客業務のマニュアル“MUJIGRAM(ムジグラム)”が存在しています。

    著者は、無印良品が停滞していた根本的な理由として、社員が上司や先輩の背中だけを見て育った“経験至上主義”がはびこっていたことだと述べています。
    “経験至上主義”だけでは会社は滅びるとまで言い切っています。
    “経験至上主義” だけでは、仕事のスキルやノウハウを蓄積する仕組みがないため、担当者がいなくなったら、
    また一からスキルを構築しなおす必要があります。

    著者は、無印良品の“経験至上主義”を改善するために、マニュアル(MUJIGRAM)を整備し、徹底的に見える化を行いました。
    個人の経験や勘に頼っていた業務を“仕組み化”し、ノウハウとして蓄積したマニュアル(MUJIGRAM)を作成しました。

    マニュアル(MUJIGRAM)では、個人のセンスや経験によって差が出てしまう業務も、
    誰が行っても同じようにできること(=標準化)を目的にマニュアル化されています。
    例:お店の顔となるマネキンの店頭ディスプレイ
    マニュアル記載内容例:シルエットは△形か▽形にする、使う服の色は三色以内

    無印良品では、こういった経験が必要と思われる業務も、簡潔に「標準化」しています。
    上記のような長年の経験や勘が蓄積されたマニュアルを随時アップデートし、共有して運用することにより、組織として成長することができます。

    マニュアルの各項目の最初には、何のためにその作業を行うのか、「作業の意味・目的」が書いてあります。
    これは「どのように行動するか」だけでなく、「何を実現するか」という仕事の軸をぶれさせないためです。

    また、マニュアルの運用は、仕事の効率化にも繋がります。
    仕組みをつくり、共有して、実践・改善していくことにより、ムダな作業は減り、仕事の迷いはなくなり、
    余裕を持って業務にとりくめるようになります。

    マニュアルの運用は、以下のような効果(=目的)があります。
    ①知恵を共有する
    すぐれた知恵や経験を全員で共有できるようになり、個人の経験を組織に蓄積できます。
    ②「標準なくして改善なし」
    マニュアルづくりとは、すなわち仕事を標準化させること。
    同じ業務を誰が行っても、同じようにできるようにする。そうやって一つのフォーマットをつくりあげ、さらに改善していくと、組織全体が進化します。
    ③「上司の背中だけを見て育つ」文化との決別
    背中だけを見せて育てる文化とは決別し、マニュアルという見える形にすれば、上司が部下を効率的に指導することができます。
    ④チーム員の顔の向きをそろえる
    それぞれの業務を何のためにするかという「目的」を確認することは大事です。これをマニュアルに明記すると、
    それぞれの判断で勝手に動くことがなくなり、仕事にぶれが生じません。
    ⑤「仕事の本質」を見直せる
    マニュアルを作る段階で、自分が普段こなしている仕事を見直すことになります。自分の仕事をあらためて考えるうちに、
    「どのように働くべきか」「何のために働くべきなのか」という仕事の本質に近づけるようになります。

    また、マニュアルづくりのポイントとして以下を説明しています。
    ①新入社員が読んでも理解できるようなことばで、かつ具体的に説明する。
    ②冒頭で「なぜその作業が必要なのか」明記し、「なに」「なぜ」「いつ」「誰が」を明確にする。
    ③リアルタイムでマニュアルをアップデートし、仕事の進め方を最新版にする。

    著者は、社員ひとりのモチベーションを上げ、能力を最大限に引き出し、組織を強くするには、劇的な改革ではなく、
    必要なのは地道な仕事の習慣を根付かせることだと、断言しています。
    マニュアルは人材育成にも効果的で「組織の理念や仕組みを身体にしみこませた人材」を育てることができると述べています。

    私の個人の考えですが、会社という組織に所属している以上、社員の個々の経験・知恵・ノウハウは会社の財産です。
    それらの財産(経験・知恵・ノウハウ)を集めて共有化することにより、社員全員でよりよい仕事ができるようになると確信しています。

    会社の設立年数が増えるごとに、知恵やノウハウも増えていきます。その知恵やノウハウは、見える化して共有されているのでしょうか。
    その知恵やノウハウは、都市伝説や伝統芸能、伝統工芸のように、人から人へ口頭伝承で伝わっていないでしょうか。

    知恵やノウハウを共有化する手段としてのマニュアルづくりは、時間を掛けてでも行うべきだと強く感じました。
    職種・立場に関わらず、社会人必読の一冊です。

  • こんな仕事をシステムチックに出てればいいな。と自分が思っている仕事の仕方の一つの理想形だと思った。

    仕組みがうまく機能しているメリット:
    ・シンプルに仕事ができる仕組みがあれば、ムダな作業かなくなる。
    ・情報共有する仕組みがあれば仕事にスピードが生まれる。
    ・経験と勘を蓄積する仕組みがあれば自然と生産性が上がる
    ・残業が許されない仕組みがあれば自然と生産性が上がります。

    仕組みマニュアルの効果
    ・知恵を共有する
    ・標準なくして改善なし
    ・上司の背中だけ見て育つ文化との決べき
    ・チーム員の顔の向きをそろえる
    ・仕事の本質を見直せる

    気に入った言葉
    遠い道ほど心理がある
    未来はリスクを取らない限り開きません
    プロの世界では頑張っても結果が出せなければ力不足だったと判断される
    リーダーは努力すれば結果が出せる仕組みを考えなくてはいけない
    逆境こそだからもの
    あせらず、くさらず、おごらず

  • 前半、中間は、まあまあでした。 後半、面白かったです。

  • この本はとても興味深く楽しんで読むことができました。
    またこの本を読んで思ったのは、前職で会社で取り組もうとしていたのはこの本の内容だったのではないかということです。それくらい似ている内容がありました。もちろん全てが一緒ではないのですが。その取り組まなかった部分がうまく仕組み化を取り入れられていない理由だったのかもしれないとも感じました。
    その一方で、この本を先に読んでいれば、もう少し協力的に取り組めたのかなとか、もう少し経営側の立場に寄り添ってもよかったのかなとか自分を省みる機会になりました。
    いずれにせよ、どの企業でも見える化、仕組み化は大きな課題だと思います。特にこれから働ける人間が限られてくるため、ここを明確に取り組めるかが鍵なのかと感じました。
    私も個人ベースにはなってしまいますが、マニュアル作りに取り組んでいこうと思います。

  • 大好きな無印に関連する本だったので手にとってみました。無印流、社員を育てていく、会社を運営していくHowToの真髄がここに書かれています。
    なんとなくじゃない、計算されたあの雰囲気なんだな、無印を選んでよかったなと思う雑貨類が多い事にも納得です。
    私はただの会社員だけど、自分の家事や人生に活かしてみとうと思いました(^^)
    文章読みやすいのでオススメ^_^

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著者プロフィール

株式会社良品計画前会長。株式会社松井オフィス社長。1949年、静岡県生まれ。73年、東京教育大学(現・筑波大学)体育学部卒業後、西友ストアー(現・西友)入社。92年良品計画へ。総務人事部長、無印良品事業部長を経て、初の減益となった2001年に社長に就任。赤字状態の組織を風土から改革し、業績のV字回復・右肩上がりの成長に向け尽力。07年には過去最高売上高(当時)となる1620億円を達成した。08年に会長に就任。10年に株式会社T&T(現・松井オフィス)を設立したのち、15年に会長を退任。

「2021年 『無印良品の教え 「仕組み」を武器にする経営』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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