北天の馬たち (単行本)

著者 :
  • 角川書店
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感想 : 94
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  • Amazon.co.jp ・本 (325ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041105818

感想・レビュー・書評

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  • 貫井さんは好きだけど、全体的にまとまりがなくあまり印象に残らない感じでちょっと残念。
    序盤の毅志の、喫茶店のマスターとなって世間と切り離され小さい世界に留まっている人生だ、と思う気持ちだけ共感出来たかな。

  • 貫井氏の作品にしては珍しく凡作と思えた。登場人物全員の描写に抜け目ない貫井氏とは思えない。特に淑子の描写が全くよくわからないし、何故敬次と結婚したのか全く納得できない。これでは小説の奥行きが出ないと思います。

  • テレビドラマ「プロハンター」からインスパイア受けた小説とのこと。藤竜也と草刈正雄が探偵のコンビで、事務所の場所も同じ横浜の馬車道の歴史博物館のそば。また1階が喫茶店(プロハンターでは花屋兼カフェ)の中の階段を抜けて2階が探偵事務所というところまで一緒らしい。全体の流れは、探偵物らしくなく、さらにラストは、唐突に締めくくられる感じがしてならない。

  • 主人公、毅は横浜馬車道で母を手伝って喫茶店「ペガサス」のマスターをしている。
    ペガサスの入っているビルは母の所有であり、ある日、空き室になっていた2階に探偵だという皆藤晋と山南涼平が入居してきた。

    2人の信頼できる性格や陽気さに、ペガサスの皆も惹かれ、毅志もこの2人に憧れるようになる。そして、探偵助手をさせてもらうことに。

    だが、ここに来た依頼が妙だった。
    極悪レイプ犯に復讐してほしいという依頼。
    姪っ子と有望な若者をくっつけたいという伯母からのキューピッド依頼。


    最終章、Chace afterで、2人が何をしたかったのか、過去に何があったのかがわかってきます。
    うーん、なんかちょっと色々無理があるかな…という印象。
    事件の種明かしのシーンはちょっと説得力を感じなくて、壮大な嘘を聞かされている気分でした。

    他にも、伊丹は一番の脅威で過去にも実行犯のような役割をしたのだろうから、あの処遇はいたしかたないのだと思うとして、あとの姉弟は数年で出てきちゃうと思うけど、そこに脅威はかんじないのだろうか、とか、毅志よ、ではあなたも迎えにいくべきではないのでは…とか、どうしても淑子さんのような女性とあの陰険な元夫が結びつかないとか…。

  • 探偵ものの連作集と思いきや、じつはすべての事件がつながっていたという構成。
    それにしても人物像が曖昧で、ストーリーも未消化のまま話が終わる。全体的に練れていないようで、雑な作りに感じた。

  • おしゃれな町におしゃれな登場人物たち。けど、おしゃれで個性的なのに魅力を感じない。設定もどこかで読んだのことあるようなお話。書き様によっては面白い話になっただろうに残念。

  • 探偵に憧れていた主人公の毅志は、二階に探偵事務所を構えた二人の探偵のお手伝いをすることになります。いくつか仕事をこなしたところで、毅志は二人にある疑念を持ち始める…というお話です。
    終始毅志の視点で展開していくので、毅志から距離を置いていた探偵二人の本心がよく解りません。毅志は何故ここまで騙されなければならなかったのか。スッキリしない読後感でした。

  • 探偵もの。

    読みやすいのだけれど
    キャラも話も中途半端な感じがするし
    終わり方も物足りない。

  • 平成25年12月8日読了

  • 毅志は、横浜の馬車道近くで、母親と共に喫茶店「ペガサス」を営んでいる。ある日、空室だった「ペガサス」の2階に、皆藤と山南というふたりの男が探偵事務所を開いた。スマートで快活な彼らに憧れを抱いた毅志は、探偵仕事を手伝わせてもらうことに。しかし、付き合いを重ねるうちに、毅志は皆藤と山南に対してある疑問を抱きはじめる…。


    ・レビュー

     献本企画が当たって、急いで読んだのだけれど、まとまりもよく、伏線の回収もよかった。ただ、パイロット版なのでちょっと細かいところは通常版と変わっているのかも。
     全体的に良かったので、先に悪かった点を。序盤から毅志は探偵二人に距離を感じているのが判る。ただそのような状態になった理由に関してはやはり無理があるなということ。やはり普通に読めば利用されたまでとは言わなくとも、いい感じに役割に相応しい人物がいたから仲間にしたという感じがする。それは作者の意図ではないだろうからそれを払拭するだけの説得力のあるエピソードや理由が欲しかった。小説は見事に完結したが、根底の問題はあまり解決したようには思えない。
     それ以外は、少々リアリティに欠けるような部分もあったけれど、探偵にカフェに金持ちと役者が揃えば探偵サスペンスとしては許容できる範囲で見事に伏線を仕込んで回収している。
     『慟哭』があまりに有名で、しかも傑作だったものだから、どうしても比べられてしまうかもしれない。今回も面白いミステリではあったが衝撃という点では『慟哭』には勝てない。『プリズム』の精緻さにも一歩及ばずかという気がする。ただ、雰囲気はすごく良かった。
     もっと救いのない終わり方なら面白かったのだけれど……

著者プロフィール

1968年、東京都生まれ。早稲田大学商学部卒。93年、第4回鮎川哲也賞の最終候補となった『慟哭』でデビュー。2010年『乱反射』で第63回日本推理作家協会賞受賞、『後悔と真実の色』で第23回山本周五郎賞受賞。「症候群」シリーズ、『プリズム』『愚行録』『微笑む人』『宿命と真実の炎』『罪と祈り』『悪の芽』『邯鄲の島遥かなり(上)(中)(下)』『紙の梟 ハーシュソサエティ』『追憶のかけら 現代語版』など多数の著書がある。

「2022年 『罪と祈り』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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