インフェルノ (下) (海外文学)

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  • Amazon.co.jp ・本 (338ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041105948

作品紹介・あらすじ

ヴェッキオ宮殿に向かったラングドンは、ダンテのデスマスクを盗み出す自分の監視カメラ映像を見て、驚愕する。マスクの所有者で生化学者のゾブリストには、壮大な野望が。世界破滅の危機にラングドンが立ち向かう!

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりに扁桃腺を腫らして熱を出した。
    痛みと熱で自分の身の内に、なんぞのウィルスの存在をひしひし感じつつ読んだ。我ながらミスチョイス。

    さてさて、下巻に入って。
    敵が味方に、味方が敵に。いややっぱり味方?と登場人物入り乱れ、くるっと立ち位置が入れ変わり……叙述ミステリ的な仕掛けもあって、今までの同シリーズと違う様相を呈す。時系列を追いながら、この時あの人は実は〇〇で、この人は△△で……、かなり混乱したのは熱のせいだと思いたい。文庫化したときに再読する楽しみができたと思おう。うん。

    ラングドンさんの、ある意味、初の黒星といえる結果にはぞわっとしながらも、これが人類の行く末にとって「最悪」の結果ではないのかも、と思えることに、またぞわわっ。

    前作でさすがにマンネリ化かな、と思ったら、今作ではシリーズを踏襲しつつも異色な結末。結末にはぞわぞわしたりもやもやしたり、賛否分かれそう。既刊に比べてスピード感も落ちる。だけど、新しい切り口でシリーズを読めたことにまだまだ楽しませてくれそうな予感と期待が膨らみ、私は好評価に。(高評価ではなく好評価。日本語としては間違いかもしれないけれど)
    どうやら「ロスト・シンボル」より、今作が先に映像化される模様。そちらも楽しみ。


    (ところで今回、ラングドンさんのルックスをやたら褒めているのは、トム・ハンクスさんへの気遣いなのかしら。それともご自分と重ねているのかしら(^^;))

    • ruko-uさん
      こんばんは九月猫さん。
      リアルウイルス体験しながらの読書、リアルすぎましたね。(笑)体調は良くなられましたでしょうか?

      私も映像化の...
      こんばんは九月猫さん。
      リアルウイルス体験しながらの読書、リアルすぎましたね。(笑)体調は良くなられましたでしょうか?

      私も映像化の際「ダヴィンチコード」「天使と悪魔」とも映画館に観に行きました。トム・ハンクス、はまり役だと思いました。
      今回の映像化も大変楽しみにしています。

      私は著者がラングドン教授をほめているのは今回はトム・ハンクスさんを意識しているのでしょうが、基本的には自分に重ねてるのだと個人的に思ってます。
      しかし著者もハンサムな人ですよね~(笑)
      2014/04/28
    • 九月猫さん
      ruko-uさん、こんばんは♪

      いやー、本当にタイミング悪すぎですよね(笑)
      このシリーズ、いつもは文庫まで待つのですが、今回はラン...
      ruko-uさん、こんばんは♪

      いやー、本当にタイミング悪すぎですよね(笑)
      このシリーズ、いつもは文庫まで待つのですが、今回はラングドンさんが記憶喪失と聞き、
      どうしても気になって図書館で借りてしまいました。
      迫りつつある返却日とリアルウィルスで……個人的にスリリングさ2割増しでした。
      あっ4月頭のことなので、もうすっかり元気です。ありがとうございます♡

      ブラウンさんの作品はどれも映画向きですよね。
      私は映画は「天使と悪魔」が好きです。E.マクレガーのファンだというのも大きいのですが、
      「ダ・ヴィンチ…」はシラスの師への尊敬と愛情、そして信仰心が
      どのようにして芽生えたかの描写が足りないなぁと思ってしまって……(^^;)

      やっぱりブラウンさん、ご自分に重ねていそうですよね(笑)
      「感じがいい」をやたら連発していて、ある意味、微笑ましいかもです(*´ω`)
      2014/04/28
  • コロナ禍で海外旅行がままならない今、この話に出てくる教会や街を
    インターネットで検索しながら読むと、旅をした気分です。
    でも、これは怖ろしい話ですね。
    ダン・ブラウンは何かを予知をしていたのかなと思います。
    ラングドン博士が帰りの飛行機の中で『新曲』を読むシーンにはグッときました。「外には闇が広がり、様変わりした世界があった」という一文。
    今まさに「世界が変わってしまった」と感じている私たちに
    そっと寄り添うような気がしました。 

    ただ、これを読んでから映画を観たら、全く違う結末にがっかり、
    というかちょっと憤りを覚えました。
    映画の結末は、ダメでしょ!

    • ruozaiさん
      こちらは映画は観ませんでした。そうかー結末が違うのは愕然としますね。
      内容は騙し絵のようで、しばらく戸惑いましたが、人口抑制というテーマは...
      こちらは映画は観ませんでした。そうかー結末が違うのは愕然としますね。
      内容は騙し絵のようで、しばらく戸惑いましたが、人口抑制というテーマはとても興味深いものでした。はやく新しい作品に出会いたい(ᵔᴥᵔ)
      2021/02/02
    • yyさん
      ruozaiさん、コメントありがとうございます。映画はアマゾンプライムで観られると思います。イタリアの風景や歴史的建造物は楽しめますよ。
      ruozaiさん、コメントありがとうございます。映画はアマゾンプライムで観られると思います。イタリアの風景や歴史的建造物は楽しめますよ。
      2021/02/02
    • ruozaiさん
      なるほど風景はみてみたい。では映画観てみますね〜ありがとう(ᵔᴥᵔ)
      なるほど風景はみてみたい。では映画観てみますね〜ありがとう(ᵔᴥᵔ)
      2021/02/02
  •  おおおう。まったく考え違いをしていました・・・今回はただの謎解きに終わらなかった。いや、もちろん暗号に隠された謎を解いて、秘密の場所に辿りつく、というあの醍醐味は健在なんですが、今回はもう一つ要素が・・・





     今までラングドン先生たちを追っていたいかつい黒づくめの男たちは、なんとWHO職員。そして、ラングドン先生は、そのWHOの長であるエリザベス・シンスキーに協力していたから、なんとなんと、上巻では、その見方から逃げ回っていたという(笑)

     一番驚いたのは。今回初めてラングドン先生側が負けたこと。負けたって表現してもいいよね。過去3作品は、いずれも黒幕の思惑を阻んできたラングドン先生。
     今回初めて、計画の遂行を許す。それにびっくりした。

     今までラングドンシリーズにでていた悪者って、酌量の余地のないくらい悪者だったけれど、今回のベルトラン・ゾブリストが違った気がする。彼は人類を愛し、人類の行く末を本気で案じていた、そんな気がする。
     そんな彼の真意を見せられたラストで、私はベルトランのことを、もう悪者だと思えなくなっていたもの。

     変化し続ける世界の中で生き残っていくために、遺伝子を人口的に変化させていく手段を進化の一部と捉えることは是か非か。是かもしれないな。

  • 謎の組織に追われるラングドン教授と医師のシエナ。
    遺伝学者・ゾブリストが世界にばらまこうとしているのは
    ”増えすぎた人類を減らすためのウィルス”
    謎の組織とWHOそしてゾブリストを崇拝する信奉者たち
    ウィルスの拡散が予定される日まで残された時間はあとわずか
    ラングドン教授は謎をときウィルスのある場所へと向かうが…

    続きが読みたくて下巻もさらに一気読み。
    うわ~!もう誰がエエモンでワルモンなのかわからない展開
    そして驚くべきことに”人類を脅かすウィルス”って!

    この小説が日本で出版されたのって2013年
    まだ新型コロナウィルスの脅威が知られてなかった頃
    ダン・ブラウンってすごいわ~

    そして今のこのコロナ禍で読むこの小説
    なんかもういろんなことを思ってしまった。

    でもってラスト~
    ひい~!そうか…そうきたか…

    新型コロナウィルスもゾブリストが…って
    はい…これは私の妄想の陰謀論でした。

    それはさておき、この小説、映像で見たい~
    と思ってたらもう映画化されてたのね。

    この熱が冷めないうちに観よ~っと。

  • 下巻は面白かった。
    結末につながる展開が、そーくるか!的で面白かった。

    読み終わった時、鈴木光司さん「リング」シリーズをふと思い出した。
    最終巻の視点がかぶったのかな?

    何やら映画化も決まったようですね、というか映画化前提のストーリー展開のようでした。
    国から国へ飛びまくるとか、ミリタリー的要素もあり、パンデミックありとか。

    面白かったから許す!(上から目線w

  • 上手い!
    大店風呂敷を広げるだけ広げてほったらかしの小説を数多見てきたがさいごまで綺麗に丁寧にまとめ上げたダンブラウン氏は天才だ。
    原田マハの美術小説も細部にわたって作品を丁寧に素材として物語を書くが、この人も歴史から美術工芸を丁寧に物語に溶け込ませて読ませてくれる。あたかもそれが真実で現実であるかのように。
    人口過密の問題とダンテを組み合わせてのこの作品、ほんとwhoは警鐘として重く受け止めねばならないと思う。
    ダヴィンチ、ロストシンボルと転けた後だっただけに心配したシリーズだったが、これでオリジンも読んでみるか、という気になった。
    やっぱヴァチカン行って夜空を眺めたい、星々が、、、

  • どんでん返し。そんな言葉があてはなる内容でした。
    ラングドンの記憶は薬物により導かれたものだった。

    バイオテロ、軍事目的に使うことについては、分かりやすい理論。
    遺伝子操作については、疑問の残るところ。

    スピード感がすごい!
    宗教・象徴については説得力がある。
    裏づけの言葉と結びつけ方が絶妙である。

  • 「時が尽きている」という言葉に追われながら旅を続ける二人。読んでるこちらも「明日には次の予約の人に本を回さねばならない」と「時が尽きてる感」を目一杯感じながら夜中まで掛かってやっと読了。いやぁ、面白かった!

    上巻とはテイストが変わった感じがするのは展開のせいでしょうか?どんでん返しに次ぐどんでん返し、何が本当で誰が味方か敵かわからなくなりつつ真相にぐいぐい迫っていく感、リミットに迫っていく感の疾走感が半端ありません。「そもそもそこからか!」と驚いて頭から読み返したくなります。

    今回は舞台となる国もあちこちにまたがっており、スケール感も大きい。それぞれの国を代表するかのような歴史的建造物のどこまでも細かくわかりやすい描写に、「さすが」と著者の専門知識の深さを堪能させていただきました。著者の引き出しはどこまで深いのでしょうか。読んでるこちらまでうっかり頭が良くなったような錯覚を起こしてしまいそうなほど(?)わかりやすい。

    しかし、ここで描かれている問題は現代の重大な問題でもありますね。日本は「少子化」が深刻でいかに次世代を増やすかと頭を悩ませていますが、世界的に見れば
    人間は増やすべきではないのが現状です。
    こんな小説に出てくる極端な考え方の人間が本当に現れても全く不思議ではないのだなと真面目に思います。

    エンターテイメントとして楽しませながら、現代の世界の大問題を人々に意識させ啓発する著者は、本当に魂が学者なのだなぁと感じ入ります。

    エンタメよりの自分は、絢爛な建造物が見られるだろう映像化も大変楽しみにしています。

    • 九月猫さん
      ruko-uさん、こんばんは♪

      同作のレビューに「いいね!」とコメントありがとうございます(*'ω'*)
      そちらにもお返事しておりま...
      ruko-uさん、こんばんは♪

      同作のレビューに「いいね!」とコメントありがとうございます(*'ω'*)
      そちらにもお返事しておりますので、お時間ある時にまた覗いてくださいね♪

      おお~っ、ruko-uさんも返却日に追われつつお読みになったのですね。
      お仲間、お仲間~♪
      思いがけず、追われてる感に臨場感が生まれましたよね(笑)

      上巻とテイストが変わった感じ、私もありました。
      これ、文庫はいつもと同じように三分冊するのかしら?
      上下巻のままのほうが効果的で良いような気がします。

      クライマックスの地下宮殿は映像で映えそうですよね。
      私もエンタメ指向なので、すごーーーく楽しみです♪
      2014/04/28
  • 読んだ感想は
    「面白かった~!!けど次巻はどうなるの~?!」
    でした。

    人口爆発という社会問題と、ダンテの「神曲」を絡めながらの今作でしたが、終わりにかけて「ええええ?!」という展開。
    細菌はバラまかれた、シエナはWHOに協力し新しい居場所を見つけようとしている、ラングドンいつもながらお約束で最後の方は女性(シエナ)といい雰囲気に……。
    的な感じで終わりだけど細菌のその後はどうなるの?!という感じです。
    正直、シエナといい雰囲気になったとしてラングドンの生殖機能は正常かどうか心配しちゃって最後変に疲れました←

    いつもながら、作品の舞台となる地(今回だとフィレンツェやヴェネツィアなど)のうんちくやダンテについて小話などためになる話も出てくるのですが、
    最後のオチの収集がついておらず(ついているのかもしれないけど)、今後の作品にどう影響するんだろう?と心配になるお話でした。
    何かの打開策が打たれ、全く問題なく生活出来てるよー\(^o^)/みたいな次巻だったらインフェルノはいったい…ってなってしまいそうだし、
    かといってあれから数年…人々はあのパンデミックから生殖機能の異常に悩まされていたみたいな話になったらわけわかんないし…。
    そこらへんが今後話に絡んでくるのか、こないのかでだいぶ変わってきそうな気が……。

    正直、美術的歴史的な楽しさを求めてラングドンシリーズを読んでいる方にはこの展開ついていけない!という方が出てしまってもしょうがないのかなぁ…と思います。
    医療系の話、それもパンデミックなんかが出てきて人口爆発を抑えるためのウイルスが「バラまかれた」のですから、今後ラングドンがいる物語の中はどれくらいの時間がかかるのか不明ですが人口が減っていってしまうわけで…。
    そこらへん、次作どうなるのかハラハラしつつも楽しみです。

    とはいっても、日本の現状としては人口減少にあるので、人口爆発と言われてもピンと来ないかもなぁと思いました。
    全体で見ると多いのかもしれませんが、もしあの細菌兵器が日本にまできたら日本人という民族は消えるのではないかと思います。
    なかなか壮大なテーマですが、著者の作品は社会的な問題も絡めていて(わりと雑なときもあるけど)知的好奇心の刺激になります。


    私は著者の作品はアトラクションのようなものだと思っているので、何でも来い!ですが、世間的には、売れたダヴィンチ・コードのイメージが強いためか、
    前作の「ロスト・シンボル」や今回の「インフェルノ」などはあんまり…という声が多いような気もしました。

    作中、ダンテの「神曲」の詩が何度も出てくるので、今後「地獄篇」「煉獄篇」「天国篇」と暇があったら読んでみたいなぁと思いました。
    本当は読んでるときに手元にあればよかったのかもしれませんが…。
    あと今作に限っては、インフェルノガイド徹底攻略!のようなものを読んでもいいかも……と思っていたり。

  • 今までのシリーズの中で一番好き!
    第四弾となれば飽きたり、同じパターンでしょはいはい、となってしまいがち。全然そんなことなかった。ダンテの描く地獄が薄気味悪いのがええよなぁ。恐怖を煽ってくる感じが。

    今までのパターンだとこの人は絶対裏切らないと思い込んでいたので、真実が分かった時は衝撃がすごかった……
    ていうか!ミスリード!させるのがうますぎる!笑
    詩のミスリードはラングドン教授が何回もしてたけど笑、読者に向けては今までなかったんじゃないか?!?!
    ホテルの部屋で……のところが2回出てきた時、ほぼ寝かけながら読んでたので、間違えて前のところ読んだ?!と思ったら……!!!

    地球が人類を減らすために飢饉、洪水、疫病を生んだように、彼の発現も進化の過程だ、という話にすごく納得した。どんな形で進化していくかなんて分からないもんね。空を飛ぶこと、宇宙に行くこと、今でも考えられんしな。

    「セックスも恋愛も思ったほど面白くないねっていうことにうすうすみんな気づき始めたという時代になった」というツイートを見かけた。そして、それを肌でも感じている。私だってマッチングアプリで男を探すくらいなら本読んでたいもん。
    この世には繁殖行動よりも気持ちが動く娯楽が溢れている。今の状況は、インフェルノでゾブリストが作り上げたウイルスより効果は弱いけれど、人口を減らす作用をもたらすのではないだろうか。

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著者プロフィール

1964年ニューハンプシャー生まれ。アマースト大学を卒業後、英語教師から作家へ転身。2003年刊行のラングドンシリーズ二作目「ダ・ヴィンチ・コード」で一躍ベストセラー作家の仲間入りを果たす。父は数学者、母は宗教音楽家、そして妻は美術史研究者であり画家でもある。

「2019年 『オリジン 上』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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