雪月花黙示録 (単行本)

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
3.13
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本棚登録 : 850
感想 : 149
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  • Amazon.co.jp ・本 (387ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041106709

作品紹介・あらすじ

大和文化を信奉する「ミヤコ民」と物質文明に傾倒する「帝国主義者」に二分された近未来の日本。美青年剣士の紫風が生徒会長を務めるミヤコに謎の飛行物体が飛来した。それは第三の勢力「伝道者」の宣戦布告だった!

感想・レビュー・書評

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  • また新しい恩田陸の世界。

    恩田陸の文章は読めば、
    勝手に頭の中に世界のイメージが構築されていく。
    今回の作品は色彩感覚が綺麗で、
    タイトルも装丁も格好良いと思う。
    そしてこの目次も。何だろうって早く読みたくなる。
    「春爛漫桃色告(はるらんまんももいろのびら)
    「水澄金魚地獄(みずすましきんぎょじごく)」
    「夏鑑黄金泡雨(なつかがみしゃんぱんしゃわー)」
    「冥府牡丹灯籠(めいふぼたんどうろう)」
    「重陽節妖降臨(ちょうようせつあやかしのこうりん)」
    「鯱髪盛双児麺(しゃちほこ、かみもり、ついんずめん)」
    「幻影払暁縁起(げんえいふつぎょうえんぎ)」


    オチは…
    ここ数年の恩田陸を考えるともはや許容範囲(笑)
    それにこのストーリーから行けば、逆に有りかな。

    でも本当は、まとめてブラックボックスに放り込むようなオチじゃない作品が読みたい…

    これの恩田さんのインタビューを読むとすべて狙って書いているようなのですが…
    出来れば違う最後を…
    http://www1.e-hon.ne.jp/content/sp_0031_i1_201402.html


    (図書館)

  • 皆さんのレビューを見ていてもわかる通り結構賛否両論分かれる内容かな、と。

    全体的にノリがアニメやラノベっぽい雰囲気なので、普段そういう物に馴染みのない方
    あとは今までの恩田陸さんの学園モノみたいなのを読みたかった、という方は「期待外れだったな・・・」と感じてしまうかもですねー。


    確かに少し恩田さんらしくないところもありますが、私はアニメも見るので特に違和感なく読めましたし、アニメ化してくれないかな〜と思いながら楽しく読めました。
    ですがミッチーやももクロ等、リアルの人物(芸能人)を使ったようなネタはあまり今までなかった気がするので少しびっくりしましたが。


    あとラストが尻すぼみな感じというか、少し物足りないのはもう恩田陸とはそういう作家さんだと思って読んでるので特に何も感じなかったですねー笑
    あ、もうこんだけしかページ残ってない!これはいつものパターンだな、みたいな感じで!笑

  • アニメで見てみたいかなと最初は思った。
    読んでいると鮮やかな映像と魅力的なキャラが浮かび上がってくるから。
    でもそうするにはちょっとストーリがもの足りない、というか小説としてももの足りない…?

    と思っていたがラストを読んで合点がいった。
    これは「ミヤコ」のPVだ。

    全編通して映像としての華やかさとか派手さとかを前面に出しているように思う、どの場面も映像としてとても映える。

    物足りない点もあるけれど、これはきっとそういうものとして楽しんだほうが素敵。
    続編的なものがあるならぜひ読みたい、もちろん映像化も大歓迎!

  • ライトノベルを思わせる学園格闘ヒロイン的な描写ですが、恋愛的な要素はあまりありません。それよりも、架空の日本を舞台としたミヤコと帝国主義者の世界観を軸として、その中で巻き起こる騒動が描かれています。

    書き下ろしではなく連載であるため、一章一章ごとに物語は途切れます。同じ登場人物・世界観の短編を集めて一本の長編にした、という印象です。
    一章ごとに読み進めていくにはちょうど良いサイズですが、そのせいか、キャラクター描写があまり深まりません。アクが強いキャラクターでありながら、彼ら自身のバックグラウンドや成長が見られない部分もあります。

    物語の中でも、構造改革派や双子の会社の軍事産業的側面など、チラッと登場したものの最終的に回収されなかったサブプロットがいくつかある気がします。結果、最終章を読んでも「完結した」という感覚や、スッキリとした読後感はあまりありませんでした。

    それでも、ムダのない文章で安定感があるため、サクサク読み進めることができました。
    ただ、もう少しキャラクターに深みがあれば、もう少しサブプロットを丁寧に描いていれば、もっと奥行きのある面白い作品になっていたのではないかと思います。

  • 恩田作品が大好き故に言わせて頂くと、
    この本は出版しなくてよかったです(泣)

    一つ一つのネタはどれも心惹かれるのですが
    それを構想段階のまま
    1冊にぎゅうぎゅう詰めにした感じです。
    勿体ない感満載。MOTTAINAI!!

    ミヤコ。
    帝国主義エリアとは一線を画し、古き良き日本を守ろうとする人々が住まうエリア。
    ミヤコ民である蘇芳と萌黄は若く美しい女流剣士。
    そのいとこである紫風はカリスマ性を活かして
    ミヤコの最高学府の生徒会長を務めている。
    生徒会長の選挙が迫るミヤコでミヤコ民が浮足立っている中、ミヤコに不穏な動きが。
    紫風を裏切った側近:佐伯が”伝道者”としてセンセーショナルにお披露目され、
    巨大ロボットやジェル状の兵士が登場する。
    ミヤコに一体何が起きているのか?!

    腐女子心、中二心をくすぐる要素満載で
    読んでいてとってもワクワクします。
    でも、先にも言った通り、勿体ない…。
    もう少し出し惜しみをしてください…。

    一番好きなのは萌黄ちゃん。
    続編でもいいですよ!読みますから!
    その時はもう少し洗練されていると嬉しいですが。

  • 恩田陸の近未来SFファンタジー?
    古き良き日本の伝統に回帰したミヤコと享楽的な生活を続ける帝国主義エリアが入り乱れる日本。服装から好む色彩、法律までてんでばらばら。互いに背を向け相容れず、政治も外交も実質二本立てになっている世界。

    って設定はものすごく好みなんだけど、肩透かし半端ない。いつもの恩田陸らしい濃い雰囲気が全くなく、軽い。とにかく軽い。下手なノベライズ本を読んでいるようで全く入り込めなかった。
    細かい設定が安っぽく、面白いキャラもたくさん出てくるけど活かしきれてないような。え、この人これで出番終わり?ってのがやたらと多かった。
    ラストの演出も白々しい。
    ネーミングもどうなの。ミッチーとか。笑。

    新しいことに挑戦したんだかはわからないけど、いつもどおりに描いてほしかった。残念。

  • 間違いなく面白かった、途中までは(苦笑)
    登場人物たち、それぞれに個性的で魅力的。
    蘇芳に萌黄に紫風などなど、名前もいい。
    及川道博って名前、いいの~って感じですが(笑)

    が、しか~し。
    あのラストはなんなんだ~。
    ほとんど夢落ちに近い気がする。。。

  • 恐ろしく漫画的だった。
    派手な立ち回りでコメディタッチが入るところは高橋留美子作品。
    最後の1頁は魔法騎士レイアース。小学生の頃に読んでポカンとしたあの瞬間再来だった。途中から蘇芳は光に変換されたわ。
    恩田陸のファンタジー以外を読みたい。最近ファンタジーが続いてる。食傷気味。

    連載作だとどうしても出しっ放しで放置の設定多いな。今回は特に目立つように思う。暁の七人については最後完全にぶん投げてたし。

    あと倍の頁数があればもうちょい世界観を片付けることができたんではないかなと。
    ストーリーのマズさを装丁でカバーするが如くの秀逸な装丁。

  • 古風な日本を再現したミヤコと帝国主義のイデオロギーの対立?と、思いきやそうでもなかった。
    「精神感応」的な文章と、ライトノベルっぽい世界観とを併せたエンタメ小説です。

  • うーんこういうオチは正直好きじゃないな!主人公たち三人の活躍がイマイチなまま終わってしまうのも残念だ。題材とか世界観はいい感じだったんだけど……途中までは……。

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著者プロフィール

1964年宮城県生まれ。92年『六番目の小夜子』で、「日本ファンタジーノベル大賞」の最終候補作となり、デビュー。2005年『夜のピクニック』で「吉川英治文学新人賞」および「本屋大賞」、06年『ユージニア』で「日本推理作家協会賞」、07年『中庭の出来事』で「山本周五郎賞」、17年『蜜蜂と遠雷』で「直木賞」「本屋大賞」を受賞する。その他著書に、『ブラック・ベルベット』『なんとかしなくちゃ。青雲編』『鈍色幻視行』等がある。

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