USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
4.11
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本棚登録 : 1511
感想 : 167
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041106976

作品紹介・あらすじ

ヒットメーカーが実践するイノベーション・フレームワークとは何か?ヒットが次々生まれるアイデア発想、4つの技法。

感想・レビュー・書評

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  • 大阪にあるユニバーサル・スタジオ・ジャパンの
    CMOである森岡毅さんの著書。
    USJをV字回復させた立役者が明かす、
    ずば抜けたアイデアを生み出すためのメソッド。

    題名からしても著者がエンターテイメント性を大事にしているのが分かります。

    ドキュメンタリー系というのでしょうか、
    体験談なのでとても面白かったです。

    アイデアとは、エンターテイメントとは。

    前半部分まではアイデアについてとても細かく語られていました。
    新社会人の方などが読むととてもタメになりそうです。

    後半部分。。あれ。USJのアピールになり出してる。。
    東京ディズニーランドとの比較まで。
    私は2社の争いを読まされているのか!?
    うーん、多分ですが好みはあれどTDLとUSJを比べる顧客はいないのでは。。

    本書は2014年に刊行されているのですが
    当時はUSJにハリーポッターができる!
    と話題になったようで、
    見どころや楽しみ方などが細かく記載してありました。
    私自身、テーマパークがとても苦手で
    学生時代に渋々付き合いで行くくらいだったので
    USJの魅力に取り憑かれていない私にはさっぱり。泣

    いや、学生時代にUSJのハリーポッターは行ったんです。
    観たことない映画のテーマパーク、まったく分からず。。
    (ハリーポッターは日本人の9割が観たことあるそうです、私どうした)
    バタービール?当時はなんじゃそりゃ状態。。
    その章は過去の答え合わせとして読ませて頂きましたm(_ _)m


    テーマパークにはこんなにも苦労があったとは。
    楽しい場所キレイな場所ほど裏では厳しいものですよね。


    アイデアは産み落としてからが勝負ですから。
    森岡毅さんのアイデアの出し方もですが
    その後の粘り強い実践がとても素晴らしいです。

    淡白な人間に好機は訪れない。粘り強く挑むこと。
    改めて、再確認です。

  • 良書 大変参考になりました。アイデアだしするのをすごいと思いましたが、理詰めで目的を達成するための方法をなんども思考実験をするところが、森岡氏の本当に怖いところだと思います。

    流れは以下です。

    ・目標について、本当に事業にのるかを、数字とトレンドで予測する
    ・目標に向けてやるべきことを段階的に整理する
    ・問題を整理して、目的を達成するための条件などを箇条書きにする
    ・妥協せず、顧客の目線から、サービスを検証する
    ・現場に何度も何度も言って、データの裏付けをとる
    ・決めたら、トップを説得して事業化を行うとともに、現場を説得して質のよいサービスを期日までに作り上げる

    構成は以下の通りです。

    プロローグ 私は奇跡という言葉が好きではありません
    第1章 窮地に立たされたユニバーサル・スタジオ・ジャパン
    第2章 金がない、さあどうする?アイデアを捻り出せ
    第3章 万策尽きたか!いやまだ情熱という武器がある
    第4章 ターゲットを疑え!取りこぼししていた大きな客層
    第5章 アイデアは必ずどこかに埋まっている
    第6章 アイデアの神様を呼ぶ方法
    第7章 新たな挑戦を忘れるな!ハリーポッターとUSJの未来
    エピローグ ユニバーサル・スタジオ・ジャパンはなぜ攻め続けるのか

  • USJの業績が落ち込む中、社外からマーケティングの専門家として招かれ、V字回復させた、筆者のアイデア発想法。

    筆者はバリバリの左脳人間で、センスでアイデアを思いついているわけではなく、ロジカルにアイデアを生み出している。

    強いアイデアを生み出す確率を高める
    イノベーション・フレームワーク

    1フレームワーク
     ①戦略的フレームワーク
      考えるべきアイデアの必要条件を導きだす方法
      目的→戦略(必要条件)→戦術(アイデア)
      弱点:戦略を比較しただけでは、選択できない場合
     ②数学的フレームワーク
      ロジック
      足して100になる仮設を立てて検証する

     ●勝つためには何が「必要条件」となるのか見当がつくようになる。
     ●何を必死に考えないといけないかがわかるようになる。
     ●宝が埋まっている可能性の高い箇所を掘れるようになる。
     ●結果として良いアイデアをひらめく「確率」が向上する。

    2リアプライ
     世界中からアイデアを探す
     この世界中のどこかに、過去から現在に現在に至るどこかに、似たような問題に直面した人がいるのではないか?

    3ストック
     アイデアを思いつくには、そのアイデアにまつわる「文脈」のことをよく知っている方が圧倒的に確率を向上させる。蓄積された豊かな情報が「ストック」。「ストック」とは、そのポイントで釣果を上げるために有効な知識や経験などの「情報の質的・量的な蓄積」

    4コミットメント
     どれだけ必死に考えられるか。
     「良いアイデアを絶対に思いつくぞ!」という気力


  • 動画などでは拝見していましたが、実際に顧客理解を図る手法などは目を見張るものがありました。

  • 説得力ありまくりの内容でした。
    とくに、「アイデアの神様を呼ぶ方法」は勉強になる。

    外部条件が大きく変わらないときに、「より良い結果(=違う結果)」を出すには、「違うことをやる」か「同じことを違うようにやる=違うやり方」かの2つしかない、という話には痺れた。

  • 【星:4.0】
    限られた資金、時間という制約の中で、いかにして著者がUSJでのハリーポッター建設までこぎつけたかという奮闘経緯が書かれている。タイトルにある「後ろ向きジェットコースター」はその奮闘する中でのアイデアの1つであり、他にも数々のアイデアを生み出しヒットさせていったことがわかる。

    この本でよかったのは、そのアイデアを発想するための再現性のある方法が書かれているところである。アイデア発想とは閃きも当然必要だが、その閃く確率を可能な限り高めるやり方があることを著者は力説している。

    相変わらずこの著者の本は良い。

  • 2010年度〜2016年度のUSJの奇跡的なV字回復(というか、それ以上の✔️チェックマーク型成長)を成し遂げた最強マーケターの前半戦終了目前の2013年末に書かれた本。
    本人予言通り、2013年度に開業年度以来の入場者数1000万人を達成し、この後も記録を伸ばし続けて、2016年度には入社時の730万人の丁度倍の1460万人を達成し、勇退。ザ、プロ経営者という感じで惚れ惚れします。

    本人分析によると、決して天才肌ではなく、左脳型人間とのことですが、成功の必要条件を徹底的に詰めて、それに当て嵌まる具体的なアイデアはそれから考える、という手法は、合理的な筈なのに、目から鱗だった。あとは、成功するまでとことん執着する姿勢が素晴らしかった。著者は年代的には同級生なのだが、自分は甘いなあ、、が素直な感想です。

  • 答えば現場にある。

    アイデアはどんな時にふってくるのか。

    さんざん、歩き回り考え抜き
    そして眠りに落ちたとき夢の中で
    反対に走ってるジェットコースターを見る。
    昼間見た映像が、逆回転再生された。

    アイデアがふってくる瞬間というのは
    リラックスしているとき。
    やっぱ、緩急が大事。

  • かなり面白い

  • USJのCMO(最高マーケティング責任者)職にあった著者の、V字回復ヒット法則論。

    よかった点
    ・思いがけず懐かしさ満載。2010~2013年の戦績を元に書かれた本なので「あー確かにこんなこともあった」「このイベント傾向はこの辺りが原点なのか」と2022年現在までとつらつら比較をしながら読んだ。

    ・アイデア出し技術のひとつ「数学的フレームワーク」で「足して100%になるよう掘っていく」っていうのが分かるけど難しいなーと思った。いつも「○○を解決するには??」に対して「A案、B案、・・・」とか考えがちなので、当てずっぽにならないように仮説と反証を繰り返す癖をつけていきたいと思う。めっちゃ忍耐いるけど。

    よくなかった点
    ・構想は3段構え!と最初豪語していたけど「俺たちの戦いはこれからだ」的に最後フェードアウトしてありゃりゃ?と思った。全部をさらけ出すのを控えたのか、そこまで手が回ってなかったのか、ご自分の興味が独立経営に変わったためなのかその辺分からないけど、2014年と趣向は変わってなさそう(失礼)なUSJの宣伝を見てると最後はうまくいかなかったのかなーとちょっと残念。

    総評
    USJの年代記としても、著者流問題アプローチとしても、普通に面白かった。でも別著で作者のぶっ飛び具合を読んでたのでそこを更新してほしかったかも。
    あと1章で「日本人はどうしてリスクを怖れて何も変化を起こさないのか」の問いに対して「変化を起こす必要性を理解していないから」と答える場面で、「リスクをとってもリターンが見えないから」ってのもあるんじゃないかな、と思った。企業が挑戦しなければ生き残れないっていうのは真実だけど、会社が死んでも個人は他所へ移ればいいじゃない的な(もちろん鞍替え先に上限はあるが)。USJの考課体制は知らんけど、成果は会社がとって、失敗は個人にかぶせられる構造をしたままじゃ、なかなか普通の人は協力しづらいし挑戦しづらいだろうなあと。
    なんかマネジメント論っぽくなってずれちゃった。
    こういう内部体制の話は時間がかかるし繊細だし自分の思い通りにやりたい!って独立した著者の気持ち分かる気がした。この本にはどこにも何にも書いてないので完全に邪推だけど。

  • 【でない答えはない】
    前提条件を明確にすることは非常に重要です。

    制約がないとアイデアはでません。条件がないと何でもできてしまうので、頭を働かし知恵を絞り出す必要がなくなります。

    最近特に思うのですが、もうこれでもか!というぐらい考えた事柄については何か「ひらめく」ことがわかってきました。しかも、腑に落ちるアイデアが浮かぶのです。

    どうすればいいのだろうという問題に直面しても、集中して考えれば「何かでてくるのではないか」と思えるようになってきました。
    怖いものなしです。(←えらそーに)

  • クリティカルシンキングの講師からからご紹介をいただきました「USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?」を読み終えましたので,感想をアップいたします。

    ご紹介いただいたのが,5月9日でしたので,二か月近くたってしまいました。なにをやるにもスロースタートなので(且つ終盤で追い上げるスピードもないw),俊敏さが今後の課題です。

    ただ,この本についていえば,CRTのDay6を終えてから読んだことにより,クリシンで学んだことを思い出しながら読み進められたので結果的によかったです。多分,受講する前に読んだとしても,本書の面白さに気付かずに,何も考えることなく読み終えててしまっていたことでしょう。

    先日の振り返りでも書きましたが,学んだことをどのように仕事に生かすか?が僕の最大の課題です。森岡さんはUSJを復活させるために,我々がクラスで検討したケースのごとく,現実の複雑な問題に対しても具体的な必要条件を明確に整理し,徹底的に考えている。この姿勢は少しずつ真似していきたい。

    ≪心に響いた言葉≫
    目的が正しいかどうか十分に時間を使って慎重に考えるが,それが正しいとしたら,できない理由をあれこて考えて目的自体を無理だと嘆くことに時間を使わないようにしている。必ずアイデアはあると言い聞かせる。

    アイデアは天才のひらめきではなく,発想法から生まれる。「奇跡ではない」

    森岡さんがUSJ入社面接で「人は何故テーマパークにいくのかわかるか?」と聞かせて,「私にはまだわかりません。しかしながら,私はその核心的質問の答えにどうやってたどりつくかを知っています」と答えて採用された。

    「3段ロケット構想」
    会社を飛躍的に成長させるために成功の確度が高いと思われる1つの戦略を構想するに当たり,熟考し,仮説をいくつかたてた。「飛躍的手段」は必ずリスクを伴う。しかし,会社を大きく成長させるためにはそれまでの構造改革的な制約からの大きなジャンプが必要になる。一気にジャンプが難しいのであれば,その間に階段を作り,確実に上っていくことを考える。

    1段目;弱点であるファミリー層強化

    2段目;遠方から集客できる「すごい何か」

    3段目:科学的経営管理法に基づいて効率的に運営するノウハウを複数の場所に展開して会社を大きく発展させる。


    ジャンル自体は人を感動させるという目的を達成するための形式(フォーマット)に過ぎない。1つのジャンルにこだわる必要はない。ジャンルではなく感動という点にこだわるべき。

    周囲に対しては「絶対に大丈夫!」とあえて断定口調でポジティブなメッセージを発する。その歩いている一歩一歩が正しいのだと思えないと自信をもったよい実行ができない。腹の底や弱気を周囲に悟られてはいけない。

    震災の自粛ムードを振り払うために必死で考えた。毎朝鏡に写る自分に「絶対になにかあるはずだ!それがお前には見つけられていないだけだ」と言い聞かせた。

    アイデアを考える際には必ず最初に目的を徹底的に吟味して定め,その次にアイデアが満たすべき「必要条件」を一番時間をかけて考える。そして必要条件を組み合わせて,より条件を絞って自分が必死に思いつくべきアイデアの輪郭をできるだけ明確に絞り込んでいく。

    価値を生み出すアイデアの切り口は経験上,ほとんどの場合は「消費者理解」の中に埋まっています。

    マーケティングをやる人間は何でも自分自身でやってみることを習慣にすべきである。マーケターは消費者目線を基本にしないとアイデアも戦略も判断も全てにおいて焦点がズレてしまう。最低限,消費者を理解しなければならない。

    ビジネスは戦略的に物事を考えて,自分の使うエネルギの焦点をまず見定めて,そこで成功確率を高めるための計算をあれこれするもの。しかし,計算で読み切れないことも実は多い。追いつめられて万策尽きたと思った時でもたとえ,計算上で勝算が立たなくとも本当に大切なことならば絶対にあきらめずに行動することで局面を動かせることがある。情熱が予想もできない局面を生むことがある。

    具体的な必要条件を明確に整理してから,よいアイデアを思いつくためにはどんなアイデアを思いつけばよいのかを徹底的に考える。

    目的が正しいかどうか十分に時間を使って慎重に考えるが,それが正しいとしたら,できない理由をあれこて考えて目的自体を無理だと嘆くことに時間を使わないようにしている。必ずアイデアはあると言い聞かせる。

    アイデアの神様の正体は「確率」。よいアイデアを思いつく確率を上げること。

    1)フレームワーク「何を考えなければならないのか?」
    どこに宝の山が埋まっているのかを予想をつける戦略眼。よいアイデアとはどんな条件を満たすアイデアか?それらの条件を組み合わせて,良いアイデアを探すにあたっての着眼点をどこに定めて考えるか。

    目的設定 → 戦略 → 戦術
    目的定義 → 持っている経営資源を何に集中すべきか?この選択が戦略であるが,戦略は生み出すべきアイデアの範囲を決める必要条件となっていること → アイデアとはこの戦略の延長線上で次に考えるべき戦術そのもの。

    戦略オプション同士を比べただけでは戦略を選べない場合にはこのFWはうまく機能しない。その場合には,具体的なアイデアまで考えて,実現可能性をかなりのレベルまで検証しなければ1つを選べない。現実的には資源の許す範囲で多くのオプションを検討することはよくある。その際には決める時期も重要である。

    数学的FWとはロジカルに頭を使うことで正解にたどり着く確率が高くなる。(MECEの考え方)


    2)リアプライ
    FWで考えるべきアイデアの必要条件が明確になったら,最初に世の中に目を向ける。この世界のどこかには過去から現在に至るまでに似たような問題に直面した人がいるのではいか?と疑ってかかる。そうやって外に情報を求める意識でレーダーを張っておくことが大切である。自分の考えるべき課題に対応するアイデアを外から見つけたとしても,そのままコピーできる場合は少なく,戦術的なエレメントは修正していかなければならない。

    3)ストック
    知識を蓄えること。気が付かないことは考えられない。
    チームとしてストックを蓄えることも重要。

    4)コミットメント
    どれだけ必死になれるか。
    考え付くまで考え抜くことが大事。
    Seek Betterに執着できるようにならないと,会社の将来は危なくなる。日本人はチャレンジせずにずっと豊かで安全に暮らしてこれたから,日本人は安全志向が過ぎて,新しいことにチャレンジしないのだ。
    最後のビジネスの結果はエクセキューションで決まる。

    守りに走って何もしないことは短期的には安全のように見えるが,長期においては問題を先送りするだけで,もっと大きなリスクを背負うことになる。会社が体力があるうちに長期成長につながる太くまっすぐな戦略の道を,今こそリスクを取って踏み出すべき。体力がなくなって大きなリスクを背負うか,じり貧になってゲームオーバーとなる。今バットを振らなければ,この先も決してバットを振ることはないだろう。逃げるのであれば自分がいる意味がない。

    中小企業や業界で2位以下の企業は生き残るために攻め続けて勝ち続けるしかない。

    今よりも良い結果(違う結果)を出すためには,違うことをやるか違うやり方をするしかない。常に変化し続けなければ生き残れないのに,変化を起こしてはダメなのです。変化の最大の敵は現状への満足である。

    大企業であれば,事業ポートフォリオを組めるが,中小企業ではそうではない。経営資源が少ない企業はまず一番大事な部分に資源を集中しなければならない。だから小さな会社は大企業よりも頭を使って考えなければならない。より戦略的でなければならない。生み出されるアイデアの質もスピードも大企業よりも優れていなければならない。資源で勝てないのであれば知恵で勝しかない。

  • 勤務先で推薦されていたビジネス書。外資系やり手ビジネスマンのお話。筆者は私と同じ年である。主題は発想法ということになっているが発想法としてはあまり目新しく無かった。(大きな)目標を立て、(考えぬいた)戦略を立て、(死ぬ気で)実行する、というただそれだけを必死にやって、USJを立て直した話。教科書どおりだが、それをやり切ることが、いかに難しくて、やったら結果につながるかが、USJという身近なパークを通じてよくわかる話。我が身を振り返えると、目標小さいな、とか、あんまり考えないでエイヤーで戦略立ててるな、とか、そんなに必死になってないな、とか思う。

  • ☆5(付箋21枚/P253→割合8.30%)

    夏休み突入でUSJに行かれる方、羨ましい。

    USJのマーケティング最高責任者森岡氏のUSJストーリィ。
    森岡氏はアイディアマンとして認知されていますが、本人としては四角い頭の数字が得意な人だそう。

    “疲れた心をベッドに転がして、いつものように何かアイデアはないかと考えながら、私は眠りに落ちていきました。すると夢を見ました。ものすごく鮮やかなカラーの夢を久しぶりに見たのです。その夢の中で私は見てしまったのです。
    ハリウッド・ドリーム・ザ・ライドが走り抜けたあの昼間の映像が、逆回転再生されているシーンをまじまじと見ていたのです。”

    そのアイディアの質と量が凄いのですが、アイディアを考え詰める前に、「どのようなアイディアを思いつくべきか」徹底的に考えるという戦略性、マーケティング力こそが武器で、その解説がとても深い。方向がきちんと定まって、アイディアに必要とされる要件が確定すると、なぞなぞに答えるようにアイディアを考えるとか。

    “「子供連れファミリーの集客が下がっているのか?あるいは女性の集客が下がっているのか?」
    それじゃダメなんですね。なぜなら足して100にならないからです。
    …数学的に頭を使う人ならこんな仮説を立てます。
    「男性の集客が下がっているのか、女性の集客が下がっているのか?」
    「11歳以下の子供の集客が下がっているのか?12歳以上の集客が下がっているのか?」
    「子供連れファミリーの集客が下がっているのか?それ以外の集客が下がっているのか?」
    これらは、それぞれ足すときちんと100になります。”

    仮説が間違っていたとしても、違う側に問題があることは発見できる。
    本当に森岡氏はたくさんのアイディアとその思いつき方、マーケティングの捉え方を詰め込んでくれている。
    最初は保守的だった社員も徐々に勝つ事に味をしめて、前向きなアイディアを出してくれるようになってきた、と書いているが、読者としてもそれを追体験して、積極的になれた気がする。
    TDLだけが元気なのでは日本全体が元気にならない、一番大きな経済圏である関東から人が動かないと日本全体の経済にプラスにならないとか、とにかく視点が大きくて具体的で、素晴らしかった。

    ***以下抜き書き***
    ・彼は私に向き合うと開口一番、こんな質問をしました。
    「人はなぜテーマパークに行くのだと思いますか?」
    私はその質問に一瞬驚き、数秒後にこう応えました。
    「私にはまだわかりません」
    そしてもう数秒後に、ゆっくりと付け加えました。
    「しかし、私はその核心的質問の答えにどうやって辿りつくかを知っています」
    その瞬間に彼はニヤッと微笑みました。
    「そうですか。実は私もその答えをずっと探し続けて、今もそればかり考え続けているのです」

    ・どのパークでも見たことのないディテールへの執念!城壁の岩肌に目をこらせば張り付いた苔まで微細に見えますし、家々の煙突の微妙な歪みの連なったその街並みのリアリティー、レンガ1つ1つのヒビや歪み、フクロウの糞の1つ1つの場所にまでこだわって作られています!まさにユニバーサルの職人の魂を込めた、訳がわからないほど突き抜けたクオリティー!
    私が初めて「Harry Potter and the Forbidden Journey」に乗り終わって自分自身が驚いているときに、隣に座っていたハリー・ポッターファンの10代前半の女の子二人が感動で声をあげて号泣していました。彼女たちにとってみれば、このアトラクションは本や映画でイメージしてきたあの世界に実際に入り込む感動を、自分の体感に刻める魔法の装置なのです。

    ・「映画だけにこだわらないとディズニーランドと差別化できなくなるから絶対に集客できなくなる」のだそうです。大変失礼ですが「ああ、実戦経験の足らない自称マーケターは多いな」と私は思いました。その「映画だけにこだわること」こそが戦略上の大きなミスなのです。
    …その理由は、東京と大阪の間には交通費という「3万円の川」が流れているからです。両方のマーケットは分離されているのです。その川を渡って向こう岸に行く人の割合は、USJ側から見ると実は全集客の1割にも満たないのです。
    …映画が大好きで大好きで、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンにも何度も行きたくなる…。もしそんな私のような映画ラブな消費者が「十分な人数」マーケットに存在するのであれば、「映画だけ」のパークも戦略の一つのオプションとなります。
    しかし、実際の世の中はそうなっていないんですね。USJが年間集客400万人のパークで良いならば、「映画だけ」にこだわるのもありだと思います。しかし、実際にそのレベルの集客では、これほどの巨大パークを維持運営することは不可能です。

    ・(東日本大震災のとき)必死で考えて考えて、自分の犬歯の先が欠けてしまうほど考えていました(考えに熱中しすぎてパークの街灯に無防備に顔をぶつけたら歯が欠けました)。

    ・価値を生み出すアイデアの切り口は、経験上ほとんどの場合は「消費者理解」の中に埋まっています。

    ・私は信じているのですが、マーケティングをやる人間は、何でも自分自身でやってみることを習慣にするべきです。マーケターは「消費者目線」を基本にしないとアイデアも戦略も判断も全てにおいて焦点がズレると思うのです。

    ・このパークのブランドを構築していくにあたって、私が壊さなければならないあまりに不必要なこだわりが、「映画だけのパーク」のほかにもう1つありました。
    それが「大人だけ」のテーマパークというターゲット設定です。私は「大人だけ」のテーマパークも、「子供だけ」のテーマパークも、ビジネスの目的に照らすと同様に間違っていると考えます。どちらも不必要に狭いからです。

    ・ここまで考えた解決策を発想するための必要条件を書き出してみます。
    ①「小さな子供連れは楽しめない」という消費者の認識を覆すものでなくてはならない。
    ②実際に数割増えるであろう集客に十分な収容キャパがなくてはならない。
    ③設備投資資金の予算内で実現できるアイデアでなければならない。
    ④既存資産とのプラスの相乗効果で経営効率を高めるアイデアであれば尚良い。

    実際に解決の具体案を考え始めたのは、これらの必要条件を明確にしてからの話です。
    私は、良いアイデアを思いつくためには、「どんなアイデアを思いつけば良いのか」を先に徹底的に考えるようにしています。そえができれば、あとは「なぞなぞ」を解くのによく似ています。

    ・「ハローキティ―のカップケーキ・ドリーム」は、遊園地によくあるコーヒーカップ型のライドと同じように思う方もいるかもしれませんが、実際の体験価値は大きく違うように設計されています。
    まず、くるくる回るライドの中から子供から見える世界がかわいくてワクワクするように、ライドに乗った子供の目線の高さから見える周辺施設の建物のデザインにこだわっています。子供の目線の高さは大人が思っているよりもずいぶんと低いので、手すりに邪魔されて実際は外がほとんど見えないライドが世の中には満ちているとのアドバイスによるものでした。

    ・その日、私はパークの「メルズ・ドライブイン」というアメリカン・ハンバーガーのテーマ・カフェテリアの前に立ち、パークの誇る高性能ジェットコースター「ハリウッド・ドリーム・ザ・ライド」を眺めていました。
    相変わらずアイデアを探究していたのですが、そのときは「キャー」という悲鳴とともにライドで走り抜ける楽しげなゲストの姿を見つめて、疲れた自分の心を無意識に休めていたのかもしれません。ずいぶん長くその前に立っていたように思います。
    その夜のことです。
    疲れた心をベッドに転がして、いつものように何かアイデアはないかと考えながら、私は眠りに落ちていきました。すると夢を見ました。ものすごく鮮やかなカラーの夢を久しぶりに見たのです。その夢の中で私は見てしまったのです。
    ハリウッド・ドリーム・ザ・ライドが走り抜けたあの昼間の映像が、逆回転再生されているシーンをまじまじと見ていたのです。そのとき、コースターはいつもの右から左ではなく、左から右に走り抜けていったのです!
    私はガバッと跳ね起きました!夜中の午前2時34分、寝ている間についにアイデアの神様がやってきたのです!

    ・数学的に頭を使わない人は、例えばこんな風に仮説を考えてしまします。
    「子供連れファミリーの集客が下がっているのか?あるいは女性の集客が下がっているのか?」
    それじゃダメなんですね。なぜなら足して100にならないからです。
    女性と子供連れファミリーには「重なり(母親)」がありますし、ファミリーでない男性が視界から落ちているから100にならない。この重なりは非効率を生み、視界落ちは宝を見失う可能性があります。
    数学的に頭を使う人ならこんな仮説を立てます。
    「男性の集客が下がっているのか、女性の集客が下がっているのか?」
    「11歳以下の子供の集客が下がっているのか?12歳以上の集客が下がっているのか?」
    「子供連れファミリーの集客が下がっているのか?それ以外の集客が下がっているのか?」
    これらは、それぞれ足すときちんと100になりますね。ですから、子供連れファミリーを調べて本当に顕著に下がっているなら、その原因(=宝)を探し出せればOK、見つからなかったらもう一方のどこかに宝が埋まっていることが明らかになるのです。

    ・気がつかないことは考えられないのです。ではエンターテインメント業界にいる人間として、強化すべきストックとはなんでしょうか?それぞれのマーケティングやファイナンスといった専門分野におけるストックの強化はもちろんですが、共通しているのは「エンターテインメント」です。

    ・競合他社が詰め替え用(リフィル)をどんどん出してきてマーケットシェアを奪っていった時代の話です。当時の私のヘアケア事業部のシャンプーのパッケージは、DLPボトルといって、プラスチックのポンプボトルの内側に、最後まできれいに使い切るための「内袋」がついていたのです。
    そのために、一度ポンプパッケージの中身を使い切ると、内袋が萎んでいるために詰め替えの中身を注ぐとあふれて入らないという決定的な問題がありました。私の会社が詰め替え用を出すには、まずポンプボトルから作り直してそれを市場で入れ替えなくてはならないのです。ものすごくコストと時間がかかり、その間に競合にシェアを奪われるという大ピンチでした。
    社内ではとっくに「DLPボトルだから詰め替えはできない」と結論付けられていたのですが、私はひたすら必死に解決策を考え続けていました。問題は、詰め替え用を長期間出せないことで競合他社のリフィルに削られて、シェアが大きく下がることなのです。解決策は詰め替え用を出すことしかないのに、何でみんな諦めているんだろうと思っていました。シェアをあきらめないためには、すぐに詰め替え用を出す必要があったのです。
    だったら、何としても今のポンプボトルに注ぎ込むしかないじゃないですか!
    …ある週末に気分転換を兼ねて船釣りに行きました。船の上から海面を眺めてそのことばかり考えていたら、目の前を大きなクラゲがフワフワと流れてきました。釣りをしているとクラゲなど珍しくないのですが、クラゲの動きは何となく癒されるので眺めていました。傘を膨らませたり萎ませたりを繰り返しながら、ただ海流に流されているだけのクラゲの受身な運命を、特に何も意識せずにボーっと眺めていたのです。その瞬間でした。ついにアイデアの神様が降りてきたのです!
    私が思いついたアイデアは「水の力で内袋を膨らませる」ことでした。

    ・魚釣りで「ビギナーズ・ラック」という言葉があります。初心者が一番魚を釣る幸運に恵まれる現象を指す言葉です。釣りの経験者はわかると思いますが、初心者にとって技術的に難しい釣りの場合でなければ、これは本当に頻繁に発生します。
    私は学生時代にビギナーズ・ラックの正体を調べるために分析をしたことがあります。「ビギナーズ・ラック」の正体も、やはり確率です。初心者の方が単純に確率を上げているというのが真実です。それは初心者特有の以下の2つの性質によるものです。
    「初心者の方が言われたやり方で基本に忠実に釣りをする」
    「初心者の方が最初から最後まで手を抜かずに真面目に釣りをしている」
    より新鮮なエサを対象魚のいるタナ(深度)により長時間おいている、というのがこの釣りの場合の確率を決める核心、その正体です。

    ・「今この球を打ちに行かなければ、後々もっと難しい球を打たなくてはならないときが必ずやってくる」と、心の底から思ったのです。

    ・ハリーポッターは、Sクラスの稀有なブランドの中でも、更に特別であると私は考えています。ハリー・ポッターの本や映画が全世界で最も売れたということをご存じの方は多いと思いますが、USJにとってむしろ重要なのは、世界よりも日本国内での強さです。
    ハリー・ポッターの映画を、日本でお金を払って見たことのある人々の延べ数は、全8作でなんと7800万人に及びます。この数字は、他のどんな映画のシリーズ作と比較しても、あまりに圧倒的で比肩できるブランドはありません。
    それに加えて、本の存在が大きいのです。日本の歴代ベストセラーのトップ10の中で、実に4冊はハリー・ポッターの本が占めています。ハリー・ポッターに心をときめかせた世代が親となって、自分の子どもにハリー・ポッターの本を読ませ、DVDを見せているのです。これほど経年劣化しにくいブランドはありません。実に、全日本国民の9割以上が観たり読んだりした接点があり、全日本国民の半分以上が今でも好きだと言う恐るべきブランドです。
    そこで私はこう考えたのです。USJにとって、こんな最強のブランドを使って集客施設を作れるチャンスは、この先の10年、20年の間にはたしてもう一度やってくるだろうかと?

    ・USJに限らず、日本に拠点を置いて消費者を相手にする企業は同じ問題に直面していますが、日本は人口減少マーケットなのです。私は世界中の多くの市場を比較分析する機会が前職で多くあり、とりわけこの点に敏感なのですが、人口減少マーケットは長期的な視点に立つと本当にロクなことがありません。

    ・「USJがハリー・ポッターの日本誘致を考えたのは、オーランドの成功を見てからだから、意思決定はそれほど難しくなかっただろう」と思っている人もいるかもしれません。しかしそれは正しくありません。最終決定はもちろんオーランドの成功を1年ほど確認してからですが、我々がそれを本気で検討し始めたのは私がブチ上げたあの時点、つまり2010年の7月でした。ほとんど全ての業界関係者が心の中で「オーランドに建ったものはすごいけど、あんなに金をかけてビジネス的には失敗するに違いない」と思っていたあの時点です。もしオーランドの成功を見極めてからライセンサーとの交渉に入っていたならば、大阪には建たなかったことでしょう。日本ではないアジアのどこかに建つことになったと私は確信しています。

    ・でもここまで良く頑張って一緒に走ってきてくれたと思います。ここ最近では勝つことの味をしめて、成功してもより良くしてやろうと最初から考えられる人がかなり増えてきました。
    しかしつまるところ、外部条件が大きく変わらないときに「より良い結果(=違う結果)」を出すには、この2つしか方法がありません。「違うことをやる」か「同じことを違うようにやる」か。本当にこの2つだけなのです。

    ・もしUSJが倒れれば日本にある世界規模のテーマパークはTDRだけということになってしまいます。東に1つだけ、関東の人は困らないかもしれませんが、実はそれは日本全体のためにとてもまずいのです。なぜならより多くの人が動かないと経済が活性化しないのです。より多くの人がより長距離を動けば、金が動き、情報が動き、社会は活性化していきます。その意味では西よりも東に住んでいる人の方がずっと多く、東から西に向けて人が動いたほうが、日本国のためにはよほど大きな経済効果なのです。

    ・そしてテーマパークは「ある層」の人々にとっては特に重要なのです。「ある層」とは日本女性(その中でも母親)のことです。日本女性は、アメリカ女性の約2倍の頻度でテーマパークを訪れます。世界でも突出してテーマパークが大好きなのは日本女性なのです。なぜだかわかりますか?
    これは私の考えなのですが、先進国の中で、家事負担がここまで女性に偏るのも日本くらいなので、欧米のように子供をどこかに預けてストレスを発散することに罪悪感を覚える人が多い。日本の女性は献身的な存在と言えるのではないでしょうか。

  • 不調のUSJをV字回復させるまでの物語。
    今CMでやっているハリーポッターができるまでの裏側まで記載されています。

    そして、何よりそこに至るまでの経緯がすごい。

    著者であり、実践者である森岡さんは「自分は天才でもアイディアマンでもない」と言っているが、どう考えても天才。
    いや、でも昔イチローが、「自分は天才ではない。なぜなら、なぜ打てるのかを説明できるからだ」と言っていたが、その感覚と近いのかもしれない。

    森岡さんも自分の思考回路を読者に伝わりやすく説明してくれている。
    実際の業務でも使えそうな内容が盛りだくさん!

    ロジカルな人がロジカルにアイディアを出す方法を知りたい人には必読書かもしれない。

    個人的に気になった箇所は下記に抜粋。


    消費者とのズレを修正することは、マーケティングの根幹の使命です。
    飛躍的な手段は必ずリスクを伴います。
    マーケティングは実践でのみ鍛えられる実践学だと思います。
    私はアイディアを考える時は、まず目的を徹底的に吟味して定め、その次にアイディアが満たすべき必要条件を一番時間を掛けて考えます。そしてその必要条件を組み合わせて、より条件を絞り込んで、自分が必至に思いつくべきアイディアの輪郭をできるだけ明確に絞り込んでいきます。具体的なアイディアを考え始めるのはいつも最後の最後なのです。
    価値を生み出すアイディアの切り口は、経験上ほとんどの場合は「消費者理解」の中に埋まっています。
    マーケティングをやる人間は、何でも自分自身でやってみることを習慣にするべきです。
    マーケターは「消費者目線」を基本にしないとアイディアも戦略も判断もすべてにおいて焦点がずれると思うのです。
    この10周年企画の超ドタバタの中で私が学んだのは、正しい目的であれば、追い詰められて駄目だと思っても無理だと思わず絶対に諦めず執着し続けること、そして戦略的な発想方法があれば、その執念を苗床にしてきっと苦境を打開する「アイディアの神様」は降りてくるということです。
    目的が正しいなら、方法が見つかっていなくても、やらねばならないことは明確だからです。
    既にあるアイディアをいただくことを「リアプライ」と言います。
    困ったら答えは現場にある
    戦略的フレームワーク、これは戦略を考える時のフローを利用して、考えるべきアイディアの必要条件を導き出す方法です。
    その目的を達成させるために、持っているもの(ヒト、モノ、カネ、情報、時間、ブランド等の知的財産など)を何に集中するのかを選んで決めます。
    アイディアとはその戦略の延長線上で次に考える戦術そのもの
    目的⇒戦略(必要条件)⇒戦術(アイディアそのもの)の順番で考えていく
    戦略を早く決めることも、早く決めないことも、それぞれ拙速か巧遅のどちらかのリスクを抱えることになります。
    変化への最大の敵は現状への満足だと私は考えます。

    <イノベーション・フレームワーク>
    1.フレームワーク
    2.リアプライ
    3.ストック
    4.コミットメント

    <良いアイディアを出す時に考える事>
    1.良いアイディアとはどんな条件を満たすアイディアのことか?
    2.それらの条件を組み合わせて、良いアイディアを探すにあたっての着眼点をどこに定めて頭脳をフル回転させるべきなのか?

  • NHKプロフェッショナルで森岡氏について特集していたのがきっかけで、読んでみようと思った本。
    もともとシャンプーなどの美容品を売る会社で働いてたというが全くイメージがつかずそれはそれで面白い。
    経営については全くわからないけれど、データもさることながら、閃きとはそんな裏付けされたデータを一瞬にして吹き飛ばすだけの威力があるのかと思わされた。
    夢に見るほど仕事に没頭する、仕事が終わってもゲームで研究、仕事の細かい点にも妥協しない、そんな姿勢からきっとワクワクする空間は生まれるんだなと納得させられた。
    かっこいい。

  • マーケティングの堅苦しい話という感じではなく、話し言葉で書かれていてすごく読みやすいというのが1番の感想かも。もちろん基礎的ではあるが勉強にもなった。

    目的→そもそも達成すべき命題は何か?
    戦略→目的達成のために経営資源をどこに集中するか=これがアイデアの必要条件
    戦術→具体的にどのように実現させていくのか=これがアイデア

  • 仕事をやりきるとは?プロはこうあるべきを体現しているのは著者。
    ついついワークライフバランスと言ってしまうが、何かを成し遂げよう思えば、仕事により真剣に取り組むし、その結果考え続けることになると思う。
    目的-戦略-戦術のフレームワーク大事にしたい。

  • やっぱり森岡さんはすごいなぁ。確率論の方が面白いと思ったけどこの本の内容はテレビでもやってたりするのですごく新鮮というわけではなかった。
    でも自分が体験したアトラクション達はこんな苦労や紆余曲折があって生まれたんだと思うと感慨深かった。USJに行きたくなっちゃう。森岡さんが就任してから私もUSJなんだか楽しそうだなと思ったし…
    たしかに奇跡なんかじゃなくて計算されて考え抜いて出した結果だからなるべくしてなったんだな。

  • 2016年に初めて行ったUSJで得た感動はほとんどが森岡さんの仕掛けだった、、、!実際に関東から関西の間の「3万円の川」を渡って何度も足を運んだ者の1人だったので感動がすごい。本以降にもマリオ、進撃の巨人、ジュラシックパークとかが起用されたのも世界最高品質のエンターテイメントを提供するのに当然の流れだったことが想像できる

  • 普段はこのようなジャンルの本は読まないのですが、USJが大好きだという理由で読みました。
    楽しく読み進めることができました。
    今のUSJも大好きだけど、昔の閑散としてた頃のUSJも好きでした。
    あれはあれで味わいがあってよかったのですが、
    もしあの閑散期を乗り越えてくれてなかったら、今のUSJを楽しむことはできてなかったのか…と思うと…。
    森岡さんのアイデアに感謝です。
    森岡さんの他の著書も読んでみたいと思える本でした。 

  • 気になった部分/要約/転用


    『「映画だけ」にこだわっても、映画好きな人が年間に10回来てくれるわけでも、10倍のお金を落としてくれるわけでもない』

    → 人がエンターテイメントを楽しむとき、映画を見る確率は10回に1回。エンターテイメントの市場の1割しかカバーできない。

    ⇒ マーケティングで市場規模は大切。ブランドの設計も市場規模が狭くなりすぎないように


    『私はアイデアを考えるときは、まず目的を徹底的に吟味して定め、その次にアイデアが満たすべき「必要条件」を一番時間をかけて考えます』

    → 目的を設定するときは数学的アプローチがある。この目的を達成するために、どこにリソースをかけたら一番効果が出るか考え、その部分で初めてアイデアを考える

    ⇒ どのPDCAにも活かせる


    『マーケティングをやる人間は、何でも自分自身でやってみることを習慣にすべき』

    → 消費者を理解するため。アトラクションなら、そこから見える景色や不満点など出す

    ⇒ 人の目線の動きは特に大切。見るところが違えば背景が変わったりする

  • 初めてマーケティングの本を読んだのですが、とても分かりやすく書いてあり、初めて読む人にもおすすめの1冊です。

  • 成功の確率を上げる為には。

  • アイディアを生むフレームとしてこれ以上わかりやすく実践しやすいものはあろうか?というくらい。。あとは、やるだけだ。

  • ユニバーサルワンダーランドはウチの娘もお世話になりました!これほどまでのアイデアを次々に生み出した森岡さんの思考と苦しみを少しだけでも体感することができた気がします。戦略も大切ですが、最後はコミットメントですね。

  • 読みやすい文章です。
    それもマーケティングのひとつなのだろうと思います。
    森岡さんの努力と才能がわかる一冊です。

  • USJのv字回復のストーリーや森岡氏の徹底したマーケティング手法の凄さがわかった。

  • 右脳を使うのが苦手で、アイデアを出すのが苦手だったため、左脳型(論理的)でアイデアを考えてる人の本を読みたかったのと
    大好きなUSJがテーマということで購読。
    本書では数々のアトラクションが生み出されたバックストーリーを交えながら
    アイデアは確率論だと何度も述べられている。

    ①フレームワーク:何を考えればいいのかを絞る。
    1.良いアイデアとはどんな条件を満たすアイデアか
    2.それを組み合わせて良いアイデアを探す着眼点はどこか

    目的を言語化して固め、戦略としての必要条件を定め、アイデアを考える。

    ②リアプライ:世界中に似たような問題がないか調べる

    ③ストック:常に関係する情報を集める

    ④コミットメント:絶対良いアイデアを思いつくぞという気力。精神論。

  • マーケティングをやる人間は、何でも自分自身でやってみることを習慣にするべきです
    ある問題について、地球上で最も必死に考えている人のところにアイデアの神様は降りててくるのだと思っています
    中小企業や業界で2位以下のような会社は生き残るためには住め続けて勝ち続けるしかない

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著者プロフィール

株式会社刀 代表取締役CEO

「2020年 『誰もが人を動かせる! あなたの人生を変えるリーダーシップ革命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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