USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか?

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店
4.11
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  • Amazon.co.jp ・本 (253ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041106976

作品紹介・あらすじ

ヒットメーカーが実践するイノベーション・フレームワークとは何か?ヒットが次々生まれるアイデア発想、4つの技法。

感想・レビュー・書評

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  • 大阪にあるユニバーサル・スタジオ・ジャパンの
    CMOである森岡毅さんの著書。
    USJをV字回復させた立役者が明かす、
    ずば抜けたアイデアを生み出すためのメソッド。

    題名からしても著者がエンターテイメント性を大事にしているのが分かります。

    ドキュメンタリー系というのでしょうか、
    体験談なのでとても面白かったです。

    アイデアとは、エンターテイメントとは。

    前半部分まではアイデアについてとても細かく語られていました。
    新社会人の方などが読むととてもタメになりそうです。

    後半部分。。あれ。USJのアピールになり出してる。。
    東京ディズニーランドとの比較まで。
    私は2社の争いを読まされているのか!?
    うーん、多分ですが好みはあれどTDLとUSJを比べる顧客はいないのでは。。

    本書は2014年に刊行されているのですが
    当時はUSJにハリーポッターができる!
    と話題になったようで、
    見どころや楽しみ方などが細かく記載してありました。
    私自身、テーマパークがとても苦手で
    学生時代に渋々付き合いで行くくらいだったので
    USJの魅力に取り憑かれていない私にはさっぱり。泣

    いや、学生時代にUSJのハリーポッターは行ったんです。
    観たことない映画のテーマパーク、まったく分からず。。
    (ハリーポッターは日本人の9割が観たことあるそうです、私どうした)
    バタービール?当時はなんじゃそりゃ状態。。
    その章は過去の答え合わせとして読ませて頂きましたm(_ _)m


    テーマパークにはこんなにも苦労があったとは。
    楽しい場所キレイな場所ほど裏では厳しいものですよね。


    アイデアは産み落としてからが勝負ですから。
    森岡毅さんのアイデアの出し方もですが
    その後の粘り強い実践がとても素晴らしいです。

    淡白な人間に好機は訪れない。粘り強く挑むこと。
    改めて、再確認です。

  • 良書 大変参考になりました。アイデアだしするのをすごいと思いましたが、理詰めで目的を達成するための方法をなんども思考実験をするところが、森岡氏の本当に怖いところだと思います。

    流れは以下です。

    ・目標について、本当に事業にのるかを、数字とトレンドで予測する
    ・目標に向けてやるべきことを段階的に整理する
    ・問題を整理して、目的を達成するための条件などを箇条書きにする
    ・妥協せず、顧客の目線から、サービスを検証する
    ・現場に何度も何度も言って、データの裏付けをとる
    ・決めたら、トップを説得して事業化を行うとともに、現場を説得して質のよいサービスを期日までに作り上げる

    構成は以下の通りです。

    プロローグ 私は奇跡という言葉が好きではありません
    第1章 窮地に立たされたユニバーサル・スタジオ・ジャパン
    第2章 金がない、さあどうする?アイデアを捻り出せ
    第3章 万策尽きたか!いやまだ情熱という武器がある
    第4章 ターゲットを疑え!取りこぼししていた大きな客層
    第5章 アイデアは必ずどこかに埋まっている
    第6章 アイデアの神様を呼ぶ方法
    第7章 新たな挑戦を忘れるな!ハリーポッターとUSJの未来
    エピローグ ユニバーサル・スタジオ・ジャパンはなぜ攻め続けるのか

  • USJの業績が落ち込む中、社外からマーケティングの専門家として招かれ、V字回復させた、筆者のアイデア発想法。

    筆者はバリバリの左脳人間で、センスでアイデアを思いついているわけではなく、ロジカルにアイデアを生み出している。

    強いアイデアを生み出す確率を高める
    イノベーション・フレームワーク

    1フレームワーク
     ①戦略的フレームワーク
      考えるべきアイデアの必要条件を導きだす方法
      目的→戦略(必要条件)→戦術(アイデア)
      弱点:戦略を比較しただけでは、選択できない場合
     ②数学的フレームワーク
      ロジック
      足して100になる仮設を立てて検証する

     ●勝つためには何が「必要条件」となるのか見当がつくようになる。
     ●何を必死に考えないといけないかがわかるようになる。
     ●宝が埋まっている可能性の高い箇所を掘れるようになる。
     ●結果として良いアイデアをひらめく「確率」が向上する。

    2リアプライ
     世界中からアイデアを探す
     この世界中のどこかに、過去から現在に現在に至るどこかに、似たような問題に直面した人がいるのではないか?

    3ストック
     アイデアを思いつくには、そのアイデアにまつわる「文脈」のことをよく知っている方が圧倒的に確率を向上させる。蓄積された豊かな情報が「ストック」。「ストック」とは、そのポイントで釣果を上げるために有効な知識や経験などの「情報の質的・量的な蓄積」

    4コミットメント
     どれだけ必死に考えられるか。
     「良いアイデアを絶対に思いつくぞ!」という気力


  • 動画などでは拝見していましたが、実際に顧客理解を図る手法などは目を見張るものがありました。

  • 説得力ありまくりの内容でした。
    とくに、「アイデアの神様を呼ぶ方法」は勉強になる。

    外部条件が大きく変わらないときに、「より良い結果(=違う結果)」を出すには、「違うことをやる」か「同じことを違うようにやる=違うやり方」かの2つしかない、という話には痺れた。

  • 【星:4.0】
    限られた資金、時間という制約の中で、いかにして著者がUSJでのハリーポッター建設までこぎつけたかという奮闘経緯が書かれている。タイトルにある「後ろ向きジェットコースター」はその奮闘する中でのアイデアの1つであり、他にも数々のアイデアを生み出しヒットさせていったことがわかる。

    この本でよかったのは、そのアイデアを発想するための再現性のある方法が書かれているところである。アイデア発想とは閃きも当然必要だが、その閃く確率を可能な限り高めるやり方があることを著者は力説している。

    相変わらずこの著者の本は良い。

  • 2010年度〜2016年度のUSJの奇跡的なV字回復(というか、それ以上の✔️チェックマーク型成長)を成し遂げた最強マーケターの前半戦終了目前の2013年末に書かれた本。
    本人予言通り、2013年度に開業年度以来の入場者数1000万人を達成し、この後も記録を伸ばし続けて、2016年度には入社時の730万人の丁度倍の1460万人を達成し、勇退。ザ、プロ経営者という感じで惚れ惚れします。

    本人分析によると、決して天才肌ではなく、左脳型人間とのことですが、成功の必要条件を徹底的に詰めて、それに当て嵌まる具体的なアイデアはそれから考える、という手法は、合理的な筈なのに、目から鱗だった。あとは、成功するまでとことん執着する姿勢が素晴らしかった。著者は年代的には同級生なのだが、自分は甘いなあ、、が素直な感想です。

  • 答えば現場にある。

    アイデアはどんな時にふってくるのか。

    さんざん、歩き回り考え抜き
    そして眠りに落ちたとき夢の中で
    反対に走ってるジェットコースターを見る。
    昼間見た映像が、逆回転再生された。

    アイデアがふってくる瞬間というのは
    リラックスしているとき。
    やっぱ、緩急が大事。

  • かなり面白い

  • USJのCMO(最高マーケティング責任者)職にあった著者の、V字回復ヒット法則論。

    よかった点
    ・思いがけず懐かしさ満載。2010~2013年の戦績を元に書かれた本なので「あー確かにこんなこともあった」「このイベント傾向はこの辺りが原点なのか」と2022年現在までとつらつら比較をしながら読んだ。

    ・アイデア出し技術のひとつ「数学的フレームワーク」で「足して100%になるよう掘っていく」っていうのが分かるけど難しいなーと思った。いつも「○○を解決するには??」に対して「A案、B案、・・・」とか考えがちなので、当てずっぽにならないように仮説と反証を繰り返す癖をつけていきたいと思う。めっちゃ忍耐いるけど。

    よくなかった点
    ・構想は3段構え!と最初豪語していたけど「俺たちの戦いはこれからだ」的に最後フェードアウトしてありゃりゃ?と思った。全部をさらけ出すのを控えたのか、そこまで手が回ってなかったのか、ご自分の興味が独立経営に変わったためなのかその辺分からないけど、2014年と趣向は変わってなさそう(失礼)なUSJの宣伝を見てると最後はうまくいかなかったのかなーとちょっと残念。

    総評
    USJの年代記としても、著者流問題アプローチとしても、普通に面白かった。でも別著で作者のぶっ飛び具合を読んでたのでそこを更新してほしかったかも。
    あと1章で「日本人はどうしてリスクを怖れて何も変化を起こさないのか」の問いに対して「変化を起こす必要性を理解していないから」と答える場面で、「リスクをとってもリターンが見えないから」ってのもあるんじゃないかな、と思った。企業が挑戦しなければ生き残れないっていうのは真実だけど、会社が死んでも個人は他所へ移ればいいじゃない的な(もちろん鞍替え先に上限はあるが)。USJの考課体制は知らんけど、成果は会社がとって、失敗は個人にかぶせられる構造をしたままじゃ、なかなか普通の人は協力しづらいし挑戦しづらいだろうなあと。
    なんかマネジメント論っぽくなってずれちゃった。
    こういう内部体制の話は時間がかかるし繊細だし自分の思い通りにやりたい!って独立した著者の気持ち分かる気がした。この本にはどこにも何にも書いてないので完全に邪推だけど。

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著者プロフィール

株式会社刀 代表取締役CEO

「2020年 『誰もが人を動かせる! あなたの人生を変えるリーダーシップ革命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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