俳句鑑賞歳時記 (角川ソフィア文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041149065

作品紹介・あらすじ

著者が四〇年にわたって鑑賞してきた古今の名句から約七〇〇句を厳選し、歳時記の季語の配列順に並べなおした。深い教養に裏付けられた平明で魅力的な鑑賞と批評は、初心者にも俳句の魅力を存分に解き明かす。

感想・レビュー・書評

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  • 歳時記にならった構成となっており、春・夏・秋・冬・新年に章分けがなされ、それぞれ時候・天文・地理・人事・動物・植物の順に、それぞれの季語を含む句と、それに対する著者の鑑賞・批評が収められています。なお、著者の季語についての研究成果は、『基本季語五〇〇選』(1989年、講談社学術文庫)にまとめられており、本書はあくまで著者の鑑賞・批評に眼目があるというべきであるように思われます。

    「道のべに阿波の遍路の墓あはれ」という高浜虚子の句をめぐって著者は、「遍路は春の季語であるが、「遍路の墓」では季感を持っていないのである」と述べ、さらにつづけて「このような句を見ても、季語の存在意義が季感にないことは確かである。この句に季感があるかないかより、季語がはっきり存在することのほうが大事なのである。一句に重量感を与えるものは、季感でなく、季語そのものである」と主張しています。ここに、季語についての著者の考えかたが集約的に示されているといってよいでしょう。

    俳句は時候のあいさつのたぐいなどではなく、定型詩であり、季語を用いるという制約が短詩である俳句がわれわれの心に深く入り込むことを可能にしていると考えることができるのかもしれません。

  • 再読している。昭和だ。

  • 最近になって永田耕衣さんに興味がわいてきた。
    その方以外の俳句も、解説付きで、わかりやすく、
    ワタクシくらいに、ちょうど良い本だ。

  • 素晴らしいと思うが、定本現代俳句があればこちらを買う必要はない。

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著者プロフィール

1907年~1988年。明治40年、長崎県生まれ。
父は明治期の評論家・小説家である石橋忍月。折口信夫に師事し、民俗学の方法を学ぶ。昭和9年創刊の「俳句研究」編集長として中村草田男ら人間探求派を世に送り出す。昭和24年より評論家として、文芸評論のほか、俳句の評論や鑑賞を執筆。
昭和58年、文化勲章受章。昭和63年、5月7日没。

「2018年 『奥の細道 現代語訳・鑑賞(軽装版)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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