ぶらぶらひでお絵日記 (単行本コミックス)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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本棚登録 : 84
感想 : 4
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041201152

感想・レビュー・書評

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  •  書名のとおり「絵日記」であり、文章部分は少ないので、すぐに読み終わる。
     帯に「世界一女子高生がたくさん登場する絵日記です」とあるとおり、ほぼすべてのページにカワイイ女子高生のイラストがちりばめられている。
     私にはそっちの趣味はあんまりないのだが(熟女が好きw)、その私が見てもカワイイと感じるのだから、女子高生好きなら「くーっ! たまらん」な本だと思う。

     吾妻ひでおの描く美少女は、いわゆる「萌え絵」とは微妙に違う。現実の美少女とは似ても似つかないファンタジーの世界なのに、それでいて、妙に肉感的で存在感がある。シンプルな描線だから一見すぐに真似できそうな絵柄だが、じつは誰にも真似できない唯一無比の絵だ。

     巻末に、担当編集者による吾妻へのインタビューがある。それによれば、本書に収められた絵は、街で現実の女子高生をウォッチングしてイラスト化したものなのだという。
     とはいえ、オッサンが女子高生をガン見してスケッチなどしたら即通報されるご時世だから、見ながらスケッチするわけにはいかない。そこで、「チラッと見て、すぐ後ろを向いて小さな手帖に、目に焼き付いた映像をスケッチする」のだとか。

     吾妻の描く女子高生が妙にリアルで肉感的な理由は、そんな人知れぬ努力(笑)の積み重ねにあったのだ。

     絵日記の文章部分では、吾妻が読んだ本やマンガ、見たテレビや映画などの感想などが淡々と綴られている。もともとが吾妻のホームページに発表されたものだけに、好きな作家のプログを読むような感じで楽しめる本だ。

著者プロフィール

漫画家。1950年、北海道生まれ。1970年代に『ふたりと5人』『やけくそ天使』などで人気作家に。その後、不条理漫画や自費出版の同人誌「シベール」でおたくの教祖的存在になるも、80年代末から失踪やアルコール依存症を繰り返す。その体験記『失踪日記』で、日本漫画家協会大賞、文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞、手塚治虫文化賞マンガ大賞、日本SF大会星雲賞ノンフィクション部門を受賞、話題に。

「2015年 『文庫 逃亡日記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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