美と共同体と東大闘争 (角川文庫)

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  • 角川書店 (2000年7月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (173ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041212080

美と共同体と東大闘争 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

  • 『つまり、これは』

    まあ、下らないと切り捨てられる人は、とても正常で健全な魂の持ち主であるだろう。この、討論にシンパシーのようなものを抱いてしまった僕は、東大教授によるとどうやら気違いらしい。ふむ。この本の価値は冒頭16ページで見極められる。ただ全共闘の人となりが低俗過ぎて萎えてしまった。

    人と話す時、情熱に託けて冷静でいられない人は頭が良くても、心の使い方を理解してない馬鹿だと僕は思う。買って後悔はしていません。

  • もう、ずーっと昔、音声でこのやり取りを聞いたことがある。今回改めて、文字として読んでみた。

    うーん。
    くだらない。
    全共闘も三島も。
    読んでて恥ずかしく悲しくなる。

  • 全共闘は驚くほどラディカルな思想を有していた。事物を関係性の元で見るのではなくあくまで事物そのものとして見るということは、討論の中でも触れられているが人類が事物に対して何ら意味づけをしていなかった時代と同じことをするということだ。確かにそういう風な見方をするためには<時間>という概念は必要なくなる。<時間>を導入してしまうと例えばそれは何のために動いているといった意味づけないしは関係性が嫌でも発生してしまうからだ。一方で三島由紀夫は全共闘のそういった考えを認めつつも<時間>という概念を無視することはできないと主張する。一番わかりやすい例は言葉であろう。ある共同体内で積み重ねてきた時間が言葉の違いなどを生じさせるからだ。これは文学者である三島にとっては無視することはできないだろう。そういったものすらも乗り越えられると考える全共闘と三島との溝はここにおいて出来上がる。討論後に全共闘Aが書いているが三島と全共闘の意見の対立は実はそれほど多くない。しかしながら<時間>という概念に対する捉え方の違い(これは「天皇」という言葉を使うか否かに集約されるのだが)この一点が三島と全共闘を引き離してしまうのだった…

  • 討論の内容、特に全共闘の学生が放つ言葉の数々は観念的で理解に至ることなく最後まで読み終えてしまった。しかしその熱量は凄い。各々の思想を美として追い求めた結果に待ち受けるのは、悲劇や諦念だったとしても。

  • 文庫で読み直す。こんな小難しい論議だったっけ?
    単行本で読んだものと、違った印象を受ける。
    文字ばかりになると雰囲気が伝わらず、言葉のボクシングになってしまう。

  • 三島由紀夫VS東大全共闘。

    やはりこの時代は好きになれない。難解な物言いや、衒学的な討論スタイルばかり。

    学問的正確さより、相手をいかにして言い負かすかばかり考えている青臭い学生と、自分の主張がほとんど伝わらないのになんとか説得しようとしている三島。

    高校から大学にかけて三島をよく読んだが、今はもう読めない。この頃の三島を見てると哀しくなってくる。

  • 443

    昔の学生頭きれきれ。

    観念感のお遊び?

  • 三島由紀夫vs東大全共闘との歴史的な討論。

    歴史的とは「歴史的価値を持つ」という意味だが、ネガティブに捉えれば「歴史的価値しか持たない」ということでもある。

    三島由紀夫の言説はさすがと言うより他にない。日本人が自らの政治思想を組み立て上げる際に避けて通れないのは天皇の問題であり、そこへ向かってどのようにアプローチしていけばよいのか、そこを諄々と説いている。これはまさにポジティブな意味で歴史的価値を持つ。

    だが、全共闘側の理屈は……これは何だ?
    借り物の言葉を縦横無尽に使っているだけで、響いてくるものがなにもない。要するに、当時の知的ファッションを着込んで仲間内にだけ通じる言葉で語っているだけ。詰る所、彼らの言説そのものが共同幻想の枠組みから一歩も出ていない。
    ネガティブな意味で歴史的価値しか持たぬ議事録であって、これをありがたがるのは「あの頃は青年たちは……」云々の懐古趣味でしかない。

    この感想は、巻末に置かれた全共闘の振り返りを読んで更に強いものとなる。
    今の表現を用いるならば、「中二病」。

    つくづく学生運動は何も生み出さなかったのだ。

  • 面白かった。全てを理解するのは甚だ困難だが三島=右翼、全共闘=左翼とは簡単に括ることはできない。

    三島は全共闘の言論を大きく受け止めることができている。大まかに言って時間軸の連続性と非連続性の捉え方の違いが根本的な問題である。連続性なしの天皇論もあり得ないし、革命もない。これは未来永劫解決できる問題ではないが知ることなしに生きることは面白みにかける。

    もう一度読む必要がある。

  • 全共闘側の発言の意味がほぼ取れなかった。三島由紀夫さんの発言が相当にやさしく感じた。これほど意味が取れない文章の羅列に出会うのは久しぶりだ。自分の理解力が足りていないのも理由の一つなので、勉強してからまた読む。

  • 難解。よく三島の思想、全共闘を知らないからだろう。そっとしておきたい。

  • 当時二十代の学生たちがこれだけ観念的な議論をしていたのは素直に凄いと思った。
    そしてその一見荒唐無稽とも思える話を真正面から受け止め、自分の思想的立場を堂々と主張する三島由紀夫の凄まじさ。
    討論後に両者が寄せた文章でも明らかに三島の方が説得力がある。三島文学が論理的と言われる理由がよく分かる。全共闘側の文章は今でいう「邪気眼」のようだ。

  • もうあれですね、上の人たちの話合いです。映像で残っている分が好きですが、自身の存在証明において、なぜ日本人だと思えるのかの説明は天晴れ。象徴だからこそ、天皇の在り方への考えも角度を変え、できればみんなで協力して、強く元気な日本国を創っていただきたかった。

  • 面白い本だった。
    三島と東大全共闘の対談を文章化したもの。
    会場が900番教室ということで、「あああの教室か…」とリアルに感じた。
    リアルと言えば、日々学校に通って法文棟に行くたびに、目の前には安田講堂。私は安田講堂を見ると、すなわちほぼ毎日、授業で見た東大闘争のビデオのことを思い出す。若くして学生運動に命をささげた人々の話。
    今度、授業のレポートでテーマとしてなんとなく「学生運動」を取り扱うことに決めたのには、こんな環境のせいでもあるのかもしれない。

    ところでこの本を手に取ったのは、いわずもがな「美」という言葉にひかれたからなのであるが、芸術についても討論されている。
    全共闘は政治的な問題だけでなく、かなり思想的な問題について議論している。もちろん政治「思想」を持った集団なのだから、当たり前なのだろうけど、思ったよりずっと哲学的。なかなかおもしろかった。

  • 三島由紀夫がどのような人なのかを知りたかったから読んでみた。


    内容は
    現代の自分からしてみれば
    ばかげた小難しい内容。

    東大の人ってやっぱ頭ええねんなぁ、とも思ったし
    東大でもこんな論理の道筋たてられへん人おんねや、とも思った。

  • 絶対に読め、というレベル。

    三島由紀夫が抱えるのは空間なき(しかし天皇はある)時間。全共闘が目指すのは時間なき空間。
    どちらも同じものを目指しているように見えるが、三島は時間を背負ってるがゆえに天皇を掲げ、全共闘はト・アペイロンを無意識のうちに押し出している。
    だからずれる。

    しかし、前半の討論と、後半の文章の落差が激しい。特に全共闘側は一部に中二病が現れている……。

  • 言ってることが全然わからなくて面白かった。
    往年の900番講堂の雰囲気が感じられる。
    三島さんの安定感がすごい。この翌年自殺するなんて信じられない。
    http://www.youtube.com/watch?v=3dKnQ63iUSc&feature=related

  • 必要なのは闇ではなく光。認識でなく力。支配でなく征服。敵対ではなく孤立。歩行ではなく舞踏。労働ではなく遊戯。結局血の出る行為主体による空間存在。一つの完全な行為からは無数の思想が生まれる。

  • 読んでてフト『あんま俺っちには必要ねーな』と感じて中断。

  • ネット上で当時の映像が見れるのだが、これが秀逸なのだ。もう三島由紀夫にキュン死にするんじゃないかってくらい、三島がかっこいいのだ。煙草を吹かす三島に萌え萌えしてしまうのだ。例え彼の根底に女性嫌悪<ミソジニー>があったとしても、そんなの関係ないくらい私はやはり彼のことが好きです。なんですかね、この三島の知性あるユーモア。書く文章は美しく、発する言葉は思慮深く、知性的かつ笑いがあるんですよ。すごくないですか?

    学生側の主張がひどく観念的に聞こえてしまうのだが、巻末の<討論を終えて>に全共闘Hと全共闘Aのあとがきのようなものが掲載されている。全共闘Hの書く文章にひどく惹かれるところがあったのだが、これが、なんと小阪修平さんが書いた文章であることが判明。後年の小阪さんの文章とは全く違った難解な言葉や観念の頻出に驚かされる。時代の為せる業だったのだろうか。
    また全共闘Cである芥正彦の談話も非常に私にとっては価値あるものだった。なぜなら芥の書く文章はなかなかお目にかかれないからだ。
    三島は巻末で討論の論点を分かり易く5点挙げている。?暴力否定が正しいかどうか?時間は連続するか非連続か?三派全学連は如何なる病気にかかっているのか?政治と文学の関係?天皇の問題

    三島は「諸君の熱情だけは信じる」と集まった全共闘に語りかけた。この間、大隈塾の合宿で、酔っ払いながら<三島の自殺>を巡っての討論が始まった。私は幾人かに否定はされてしまったけど、三島が訴えかけたように、三島の熱情だけは信じてやりたいと思う。私は彼の死の形を1つの死として認めたいのだ。三島の死を一般化して、批判することは適切ではないと私は信じている。

  • 対談であるにも関わらず、難解で難読であった。人間を観念論のバークリー的に論じているあたりチンプンカンプンだ。巻末の解説で論理を理解しようとするも失敗。いずれ読み直す。

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