数の風景 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 87
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041227527

作品紹介・あらすじ

土木設計士の板垣は、石見銀山へ向かう途中、計算狂の美女を見かける。投宿先にはその美女と、多額の負債を抱え逃避行中の谷原がいた。谷原は一攫千金の事業を思いつき実行に移す。長編サスペンス・ミステリ。

感想・レビュー・書評

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  • 再読。
    負債をかかえて逃避行をする谷原は、山陰の温泉宿で、設計技師と謎の美女との雑談から大儲けのヒントを得る。
    石見銀山坑内発掘と高圧線下の土地の利権、ほとんど登場しない美女がどう関わってくるのか。
    面白かった。

  • 人間、欲を出し過ぎると潰される…
    王道推理小説ではないが、作家・松本清張の知識の広さが伺える1冊です。物語の後半まで特に事件も起きず、退屈と言えば退屈なんだけど、世界遺産に登録される前の石見銀山、計算狂、高圧送電線と電力会社のことなど、内容が面白く、じっくり読んでしまいました。

  • 犯人の心情ついては語られず、淡々としているところが清張節という感じ。

  • 測量技師と債務から逃げ都落ちした不動産屋、そして数字狂の女性。接点の無い3人の線が重なり事件が起き、1本の線になった時、謎が解ける。
    作者の膨大な知識・取材に驚愕する作品。

  • 話が動き出すまでは、必要なのか疑問な細い描写がこれでもかってくらい続くので読むのが辛い。でも動き出してからはするする行ける。殺人そのものは本筋にとっては余り重要ではない、スケールの大きな話。推理要素は余り多くない。この人•この件がこう絡むのかと驚かされる。ただ矢部の勘は鋭すぎやしないか。

  • 松本清張さんの本はホントに面白い。

  • 松本清張は 巨匠である。
    様々な知識を駆使する。
    数の名前のある地域。なぜ その名前に 数がついたのか。
    数マニア。キク女は すらりとして プロポーションもよく
    俳句か短歌を詠ずる人かと思われたが。
    ウィーンの学会にも出る という 大学の先生だった。
    彼女が 解き明かしたことが、事件が発覚するのだった。

    矢部は 雪深い 断魚荘で、自殺することを考えていた。
    矢部は 様々な事業を企て 不動産で失敗し多額の負債を抱えていた。
    矢部は 画家だといって、断魚荘に泊まっていた。
    設計士の板垣は 石見銀山の観光開発のための地元の人から呼ばれていた。
    同じ宿に泊まり、キク女もおなじように 泊まったのだった。

    石見銀山を開発理由はどこにあるのか?
    矢部は、推理することで、新しい事業を進める後ろ盾を
    見つけることとなった。新しい事業とは 電線の下の土地で
    電力会社に揺さぶりをかけることだった。
    以前の部下だった 夏井が 知恵を貸すことで多額のお金を
    得たのだが。矢部の感は あたっていたのだが。

    仮説の中で物語をつむいでいく という松本清張の手法は
    何とも言えず。八双飛びのように展開していく。

  • 筆者最晩年の作品ではあるが、何か遠い時代を思わせる雰囲気もある。
    時間の経過はゆっくりであるが、謎が謎を呼ぶ筆致で読ませるところはさすが巨匠というところである。
    とはいえ、特に大きなドンでん返しもなく、作品としては平凡なものであると感じた。

  • 2011 O氏よりレンタル)

    「いつかまた読みたい!」
    そう思わせる節々がぎょうさんある。

  • 島根などを舞台とした作品です。

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著者プロフィール

1909年、福岡県生まれ。92年没。印刷工を経て朝日新聞九州支社広告部に入社。52年、「或る『小倉日記』伝」で芥川賞を受賞。以降、社会派推理、昭和史、古代史など様々な分野で旺盛な作家活動を続ける。代表作に「砂の器」「昭和史発掘」など多数。

「2023年 『内海の輪 新装版』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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