白鳥の王子ヤマトタケル 東征の巻 上 (角川文庫 く 1-6)

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  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (351ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041268605

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  • 九州の熊襲を征討した倭建(ヤマトタケル)は大和に戻った。愛する弟橘媛に若建が生まれ、しばし平穏な日々を送ったのも束の間、倭国統一を目指す父・オシロワケ王(景行帝)は、三輪王朝に服従しない東の国々を討つことを建に命じる。東征を前に、叔母で巫女王の倭姫王は、神宝の剣と、火打石、薬を授け、建を励ました。伊勢の朝日雷郎を平定し、尾張に入った建を、首長・音彦の娘で妖しい魅力を湛えた宮簀媛が迎える。日本最古の英雄を、雄渾な筆致で活写する壮大な歴史叙事詩、「白鳥の王子ヤマトタケル」の第三弾、遂に文庫化。

  • 大和の巻,西征の巻に続き,倭建が駿河を勢力下に置く廬原王(イオハラオウ)が居る倭の国の東方の平定に行く話。
    九州の熊襲征伐では武勇一辺倒だった倭建だが,東征へは始めは乗り気でなく,戦を行うことに嫌気を持っていた。
    しかしながら,倭建の父であるオシロワケ王は建を嫌い,東征に向かわせ,出来ることなら殺されてしまえばいいとさえ思っていた。
    これは,オシロワケ王のほか,物部十千根などの陰謀でもあった。
    だが,倭建の戦の強さもさることながら,西征,東征での度の間に人望にも磨きがかかり,東征では戦というより,王者としての風格・徳により東方の部族を従えていった感じである。
    最後にイオハラ王も倭建に従うのだが,その際に見えた不二(富士)山について倭建はこう言っている。
    『今一度不二山を見よう。見れば見るほど吸い寄せられる。雄大な山,神秘な輝き,それだけではない,不二山は他の山と連なっていない。一人で立っている。そこに惹かれる。』
    全2巻

  • 膨大な量ではあったが、
    黒岩ヤマトタケルに魅せられて
    時には寝る間も惜しんで一気に完読。

    ヤマトタケルを囲む従者の存在がとてもいい。

    筆者想像の人物である丹羽猪喰に惚れてしまった(笑)

    筆者の解釈ではあるが
    これこそが事実だったように思えてならない。

    というか、こうであってほしい。
    そう思わずにはいられないほどとても引きこまれる作品だった。
    自分のこの嵌り具合からして、
    おそらく今後何度も読み返すんだろうなぁ^^;

  • 実家母が飛行機で読んでからその後我が家に置いていったシリーズ。

  • 神話
    ヤマトタケル

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著者プロフィール

1924-2003年。大阪市生まれ。同志社大学法学部卒。在学中に学徒動員で満洲に出征、ソ満国境で敗戦を迎える。日本へ帰国後、様々な職業を転々としたあと、59年に「近代説話」の同人となる。60年に『背徳のメス』で直木賞を受賞、金や権力に捉われた人間を描く社会派作家として活躍する。また古代史への関心も深く、80年には歴史小説の『天の川の太陽』で吉川英治文学賞を受賞する。84年からは直木賞の選考委員も務めた。91年紫綬褒章受章、92年菊池寛賞受賞。他の著書に『飛田ホテル』(ちくま文庫)。

「2018年 『西成山王ホテル』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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