江分利満氏の華麗な生活 (角川文庫 や 14-3)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041292099

感想・レビュー・書評

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  • この本の題名お洒落だなあと思ったのはもうずいぶん前。で、ようやく読んだ。こういう話だったんだ!なにしろ昭和の時代~いや、よく解らないってw

  • 時間があれば。

  • 20090904-20090909

  • 「優雅な生活」の方を載せたかったのに、写真が出ないのでこちらで代用させてもらう。実業家としての大失敗が一家離散の原因となり、母に死ぬ直前まで心配をかけた父についての複雑な思いが書かれた「いろいろ有難う」や、母の突然の死への後悔と外国人留学生と言葉少なに語り合った夜の事を書いた「おふくろのうた」にはぐっとくるものがあった。江分利氏と同じ実感を得るには明らかに経験の重みも思いの内容も違うから、涙するのは図々しく本当の意味での感動ではないようにも思うものの。

    山口氏のこのきびきびした文の運びが気持ちいい。きちっとしながらも時々自ら茶化したり、冷静なようでその隙間から哀愁が強くにじんだりという文体は江分利満という人間そのものなのだと感じる。
    ずしっと腹にこたえる渋みがあり、それが良くて再読してしまった。こういう渋みを持った人は私にとって憧れでもある。「優雅」というのはいくらか自嘲混じりかもしれない。社宅暮らしのごく普通のサラリーマンの地味な日常を誇張も何もせずにただ書くだけなのにそれが上手く、なかなかできない事のように思わせられた。やるせない、切ない、哀しい、おかしい、重い、あたたかい、色んな思いが折り重なる。
    柳原良平さんの絵もぴったり。愛しい一冊。

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著者プロフィール

1926年東京生まれ。小説家、随筆家。『江分利満氏の優雅な生活』で直木賞受賞。おもな著作に31年間連載したコラムをまとめた「男性自身」シリーズ、『血族』『居酒屋兆治』など。1995年没。

「2014年 『ぐつぐつ、お鍋 おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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