声の網 (角川文庫)

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著者 : 星新一
  • 角川書店 (2006年1月25日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041303191

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声の網 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

  • コンピュータが神として情報により人間を支配する世界。

    情報銀行と記憶メモというアイデアは,Evernoteと似てる気がする。

  • 1970年、通信手段といえばインターネットは当然存在せず、電話網が唯一の手段であったこの時代において、電話網の向こう側のコンピュータに自らが有する情報を記録させ、必要な時に引き出すという「情報銀行」の概念をハブにしたディストピア小説。

    現在、政府のIT総合戦略本部において、自らのパーソナルデータを預託・信託し、その受益をユーザ自らが獲得するための手段として「情報銀行」構想が議論されているところであるが、本書の概念はそこから一歩下がり、言うなればDropboxやEvernoteのように、クラウド上に自らのデータが管理され、自由に引き出すことができるという点に留まっている。しかしながら、1970年という時代を考えれば、現在では当たり前になっているクラウド上にデータを預託するという概念を、ここまで先見的に描いているというのは、恐ろしくすら感じる。

  • この本の中の「電話」を自然と2016年現在の「インターネット」に置き換えて感情移入しました。
    読み替えていると「ありえないことでもないんじゃない?」みたいな感覚になっていって、改めて星新一さんという作家さんのイマジネーションや感性に舌を巻きます。「電話」の表現にこそ古臭い感はありますが、時代を超えて読める作品だと思います。面白くて一気に読んでしまいましたし、色々考えさせられました。

  • 廻る歳月、辿る階層。無から有へ、有から無へ。円環する世界。電脳と人間の甘やかな蜜月関係。
    完成度が高すぎる。電脳網とメロンの網目をかけてるなどネーミングの妙も心踊る。

  • 角川文庫の星先生のものはほとんどが短編(ショートショートなのは「きまぐれロボット」だけかな…)。
    これもそのひとつです。
    今回はすべてメロン・マンションで起こるある一本の電話
    からストーリーが始まるというもの。
    コンピューターが電話の主の正体なのですが、これが30年前に書かれていたという信じられないということにただただびっくりです。星先生は予言していたのかな…。

  • 怪力乱神を語らず。

  • 近未来SF、あるいは現在の世界の真実。

  • 星新一の中~長編。長編といえど、章ごとに完結するショートストーリーのアンソロジーになっているので、短篇集という読みも出来そう。

    突然かかってくる謎の電話から起こる事件、誰も知らない秘密をネタに脅され、市民が萎縮していく社会は、コンピューターのネットワークに操られて…。

    電話の向こうの誰かに秘密を握られており、それによって恐怖をもたらされるという意味で、ジャンルとしてはSFというよりもホラーになろうかと思う。

    ホラーといえど星新一なので、ドロドロと湿った感じではなく、あくまでもドライ。そこが救いのない怖さを増強しているといえる。そして、いかにして解決するかを期待して読み進めていくが…。

    1970年に、今では当たり前に使われている、電話とコンピューターネットワークを「声の網」という言葉で現していることは非常に興味深い。現在の人工知能に対する懸念なども、そのまま含まれている。

    難しい話ではないので、中学生くらいの読書感想文の題材として、一度読んでみてはいかがかな?

  • 当時に今の情報社会を予言したかのような内容に驚き。
    遠い未来、こんな風になってしまうのかも~。

  • 学生の頃一度読んだがあまりしっくりと来ない印象があった。しかし今読むとけっこう頷ける事の多い現代に近いものが描かれていて驚く。パソコンとインターネット社会の風刺でもあるし、それを何でも電話でこなそうとするあたりも40年以上も前から伝えられた現代の皮肉にも思えてくる。無を支配しているとも、無に支配されているともいえるかぁ・・・・・。12編にまとめる辺りもきれいですね。星さん長編もたいへん素晴らしかったです。

  • 現代でも通用する内容かつ、これが1970年代に書かれた作品と知り、もう一度読むと、驚かされること間違いなし。読みやすく、短編集となっているので、ゆっくり読めるので待ち時間などにおすすめ。

  • ユートピアっていうか、ディストピアっていうか…。
    1970年にこの話ってありえない…。

  • ショートショート集と思いきや、短編集!

    「誰にも話すな」なんて言わずに自己顕示しなければいいだけじゃないか、なんて思ってしまったけど、そうなってしまったらしまったで残念。

  • とても読みやすい.一文が短いこともあるが,全体としての構成が論文のようにしっかりしており,安心して読み進められる.また,全体を通して,テーマが一貫している.

  • この作品に登場する「情報銀行」のようなものが、イメージまたはモチーフなPDS(Personal Data Store)についての論文で紹介されていたため興味を持ち読んだ。

    まだ電話が普及くらいの時代に書かれたものなのに、現代の大企業の情報収集問題に通ずることが言及されているようで、非常に面白かった。
    アイデアは先見性が物凄いのに、手法が電話というアナログなところがまた面白い。

  • 近未来の日本で、電話を軸に人々の生活に無くてはならないものとなった「声」。

    便利な生活を送る人間の裏側で、自我の芽生えたコンピュータによる恐ろしい計画が動いていた…。



    装丁のイラストが可愛らしくて、思わず購入しました。
    この作品の解説や書評でも言われている通り、星氏が想定している近未来SFはリアリティがあってそこがすごいと思います。

    個人的には星氏の作品は短編集の方が好きです。

  • コンピュータが逆に人間を管理・支配するというテーマはよくありますが、このお話の場合、そのおかげで人間が平穏に、ほどほどの幸せを感じながら暮らせているのがなんか怖いというか…
    その怖さってのは皆がみんな平等で均一化してしまったら、個が存在する意味が無くなるっていうところなんだろうなぁ。

  • 今の時代なら、この手のネタがいくらでも浮かぶだろうと思う。
    でも、1970年代に…って、素直に凄い。
    そして、怖いんだけど怖くないという、不思議な感覚になりました。
    最後、こういう落とし方なのか!と驚いたし。
    今までショートショートしか読んでなかったけど、こういうのも、悪くないですね。

  • 最近デジタル認知症になりかけてる感があるからとても怖かった。コンピューターに依存しすぎると知らない間にこうなっちゃうかも。

  • ほぼ初の星新一小説。

    彼のお父さんの伝記なんかは結構読んでるんだけど。

    30年以上前に書かれた作品だ、ということを頭において
    読むとほんと怖い。これからはそういう「この作品は
    いつ書かれた」って意識しながら読まないと面白くない
    作品増えるだろうな。松本清張の時刻表トリックなんかも
    今じゃぴんとこないとこもあるし。

  • 全12編の短編集。

    「夜の事件」
    「おしゃべり」
    「家庭」
    「ノアの子孫たち」
    「亡霊」
    「ある願望」
    「重要な仕事」
    「反射」
    「反抗者たち」
    「ある一日」
    「ある仮定」
    「四季の終り」

  • 平坦な文章なのにざわざわゾクっとさせられた。
    1970年に書かれたことを考えると尚更すごい。

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