真珠郎 (角川文庫 緑 304-16)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 21
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041304167

感想・レビュー・書評

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  •  表1カバー装画も込みで星5つ。他に「本陣殺人事件」の猫と女の装画も好きだ。
     何しろ杉本一文サイン会では「真珠郎」と「横溝正史読本」にサインを頂いた。
     買ったきり寝かせておいたのが災いし、真相がおおよそ判っているのだが、それでも一気に読まされる。
     久世光彦「悪い夢」に「真珠郎」連載時の岩田専太郎による挿し絵が紹介されていて、こちらもお見事。
     併載の「孔雀屏風」は後味のよい読み心地。ミステリ作家はロマンチストかつリアリスト、相反する資質を要求される点、難しいお仕事。

  • 読んだあとに分かったけどこの○○、思いっきり表題作のネタバレじゃないですか……話自体は金田一シリーズに繋がる耽美的な妖しい要素を持ち込みつつ割とあっさりめで雰囲気が少し良かったくらい。それよりも同時収録されてる「孔雀屏風」のファンタジックロマンスぶりがとても素敵でこっちの方が断然良かった。

  • 耽美で切ない話でした。舞台が東京と信州でどちらも馴染みある土地なので面白く読めました。
    一緒に収録されている孔雀屏風も切なくてよかった。

  • 横溝正史と言えば金田一耕助シリーズしか知らずにいた私だが、初めて由利先生の登場する作品を読んだ。

    著者の作品の中でも『鬼火』や『貸しボート13号』のような、一種の愛が含まれている作品のように感じた。ただ愛の為の殺人...とまでは言えないけど。

    『八つ墓村』や『犬神家の一族』のような家系等々の群青劇より怪奇小説的な...江戸川乱歩の短編のような雰囲気。

  • 真珠郎がどうやって生まれてきたのか、何のために生まれてきたのか。

    ミステリー作品だとか、トリックだとか推理だとか、そういうの抜きにしたとしてもとても魅力的な作品。
    うつくしいからおそろしくて
    おそろしいからうつくしい

  • 横溝作品の中で1番好きといっても過言ではない作品。manaは特に耽美的な作品が好きなんです。座敷牢に美少年!もう言うことありませんね。(笑) もう何度も読み直したことか。横溝正史アワーってビデオ化されていないんだろうか?あったら全巻揃えたいのに。好きだ〜!と豪語しているクセに・・・。わたくし、金田一耕助が登場するとばかり勘違いしておりました、ガハハ。由利先生が関与します。横溝氏の好きな作風を垣間見ることもできますよ。例えば、突然現われ、謎の言葉を残していく老婆。(思いあたりますでしょ)。それに語り部の「私」の名前は椎名耕助。ね、面白いでしょ。私の持っている本は昭和52年の角川文庫とアンティークなんです。本書にはもう1編「孔雀屏風」が収録されています。こちらの方は時代を感じさせる因縁的なほのぼのミステリ話です。

  • 由利麟太郎もの。今では、よく分からないような単語が出てきたりする、横溝正史。山窩、バチルスが分からなくて、調べました。昔は山窩と呼ばれる人がいたのか、と感慨深く思った。
    「真珠郎」は探偵もののトリックとしては、凝ってはいないし、分かりやすいと思う。しかし犯人を追い詰める際の主人公の行動が意外で驚かされた。雛人形の件を書き忘れた、というのは、なんだか後からとってつけたような感じがする。鵜藤博士のような色々酷いことをしておいて、全く反省せず、自己の行動を省みもしない人間は存在する。
    「孔雀屏風」は少しオカルトっぽい。説明がつかない事象が出てくる。

  • 表紙をよく見たら胸あった。『真珠郎』、あかんやん。。。友だちに薦められて読んだけれど、あまりにもご都合主義でちょっと驚いた。とても古い作品だし設定も昔なのに、今でもおかしくないところはさすがだなと思う。
    『孔雀屏風』は中に出てくる手紙の文体が古すぎて読みにくい。横溝正史はロマンチストなんやなと思った。

  • なんだかあっけなかった。
    日の光を浴びることも許されず、極彩色の座敷牢の中で死んでいった真珠郎。
    悪の英才教育。

  • 面白かったです。ほとんどありえそうもない設定ですがそれでも作品世界にのめりこんで行きました。「孔雀屏風」は伝奇ロマンの味も加味されたミステリー、横溝正史のまた違った側面が楽しめました。

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著者プロフィール

1902 年5 月25 日、兵庫県生まれ。本名・正史(まさし)。
1921 年に「恐ろしき四月馬鹿」でデビュー。大阪薬学専門学
校卒業後は実家で薬剤師として働いていたが、江戸川乱歩の
呼びかけに応じて上京、博文館へ入社して編集者となる。32
年より専業作家となり、一時的な休筆期間はあるものの、晩
年まで旺盛な執筆活動を展開した。48 年、金田一耕助探偵譚
の第一作「本陣殺人事件」(46)で第1 回探偵作家クラブ賞長
編賞を受賞。1981 年12 月28 日、結腸ガンのため国立病院医
療センターで死去。

「2022年 『赤屋敷殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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