仮面舞踏会 金田一耕助ファイル17 (角川文庫 よ 5-17 金田一耕助ファイル 17)
- KADOKAWA (1976年8月27日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041304389
作品紹介・あらすじ
夏の軽井沢に殺人事件が起きた。被害者は映画女優・鳳三千代の三番目の夫。傍にマッチ棒が楔形文字のように折れて並んでいた。軽井沢に来ていた金田一耕助が早速解明に乗りだしたが……。
感想・レビュー・書評
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夏の軽井沢を脅かす殺人事件。映画女優・鳳千代子の過去の夫たちが毎年一人ずつ変死を遂げる。千代子と恋愛中である財界の大物・飛鳥忠熈は、金田一耕助にその真相を探るよう依頼する。恐るべき悪意の舞踏会で仮面を剥がされたのは誰か。
霧深き軽井沢で巻き起こる連続殺人事件。手がかりは次第に濃くなる霧に阻まれ、その全貌を掴ませない。犯人の検討もつかないまま後半に差し掛かり、立ち込めた白い霧が一転して黒い闇に裏返った時は思わず声を上げてしまった。予想のさらに上を行くどんでん返しの興奮。まさかそれが伏線?!と一本取られた。
追撃するのは暴かれた人間の底知れない悪意。金田一シリーズでは大団円となる事件もあるけど、今回は洞窟の奥底へ心中しに落ちるような行き止まり感が凄まじい。重すぎる!軽井沢じゃなくて重井沢だよ!と冗談を飛ばして気を紛らわせるしかなかった。
これは生き残った人たちが幸せに暮らせる日は来るのかな…と心配になってしまったなあ。10作ほどシリーズを読んだ中でも、純粋な悪意という意味では屈指の作品だと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
再読。
それでも面白かった。
長いけれど、後半は事件解決に向けて一気に展開していくので読む価値はあり!
金田一耕助行くところに、事件あり。
今回も大活躍。 -
このシリーズの醍醐味と言える
おどろおどろしい雰囲気もなく、
爽やかな軽井沢を舞台に
地味な事件が起こる。
600ページ近いボリュームもあって
なかなか読むのに苦労したが、
終盤ではその苦労が報われる程の
悍ましい真相が用意されていた。
横溝正史は流石に凄い作家だ。 -
正確に書くと星3.8。
王道の金田一耕助シリーズって感じ。
やっぱり設定とか、解決までの過程とかが細かく描かれていて良い。
最後は昔の小説あるあるな気がする。 -
かなりのヴォリュームなのに、それを感じさせず、「いつの間にか話が長くなっていた」印象です。
舞台は軽井沢。そこで起こった殺人事件と、複雑な人間模様・・。
終盤の犯人の“豹変”ぶりにゾッとしましたが、個人的には、樋口操夫人も怖かったです(こんな人と、ご近所にはなりたくないですな・・)。 -
久しぶりに読みごたえのある500ページ超えの金田一耕助ミステリー作品でした!
ある女性のかつての夫だったことのある男性4人が相次いで亡くなった真相は何か?ということで、複雑な人間模様が絡んでいき、最後に事件の全貌が明らかになるのでした。
真犯人は中盤あたりで読めたのですが、さすがにその動機までは見抜けませんでした。
金田一耕助シリーズの終盤作は長編続きのようです。 -
長い。読むのに凄く時間がかかったが、後半はあっという間でした。私の印象では、一彦はかなりイケメンのイメージです。金田一先生も大活躍でした。