こちらニッポン… 下 (角川文庫 緑 308-30)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (259ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041308301

感想・レビュー・書評

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  • 複数巻の長編を平行に読破しよう月間。さほど大作ではないが、そろそろ一旦休憩する。

    セスナを手に入れた福井たちは、大阪を発って名古屋、東京と移動し仲間を見つけるが、そのこととも相まって、数々の困難に直面する。

    「いまここから、自分以外誰もいなくなったら」という、小松左京お得意の消失ものの思考実験だが、今読んでも良く出来ている。

    消えたことによる絶望感だけでも、開放感だけでもない。電気はいつまで持つのか、そこに災害が起こった場合の被害など、きちんとある程度検証されている。

    飛行機の操縦、電力の仕組みや食品の流通、生きていくためのライフラインなど、ここまで検証してちゃんと書いている(書けている)作家は、現行において何人いるのか。

    本作も、未完の完と言うかたちにするためなのかどうなのかは分からないが「ゴエモン(明日泥棒)」シリーズのように楽屋ネタを出してくる。これがまた小松左京らしくて面白い。

    消失モノは、有名どころ「日本沈没」「首都消失」「復活の日」や短編「アメリカの壁」など、同じようなテーマのものがあるが、個人的には尻切れ感があるが「こちらニッポン…」「明日泥棒(ゴエモンシリーズ)」の2つがやはり好きだ。

    買い直して良かった。

  • 上巻のスピード感が失速したように思える。ラストは意外性はあるが、好みが別れる終わり方。

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著者プロフィール

昭和6年(1931年)大阪生まれ。旧制神戸一中、三校、京大イタリア文学卒業。経済誌『アトム』記者、ラジオ大阪「いとしこいしの新聞展望」台本書きなどをしながら、1961年〈SFマガジン〉主催の第一回空想科学小説コンテストで「地には平和」が選外努力賞受賞。以後SF作家となり、1973年発表の『日本沈没』は空前のベストセラーとなる。70年万博など幅広く活躍。

「2019年 『小松左京全集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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