田辺聖子の今昔物語 (角川文庫 た 5-27)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 15
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  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041314272

感想・レビュー・書評

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  • 今は昔しで始まる今昔物語。約30の短いが不思議な優しいお話しだった。平安時代も、まだ、初めの頃の話しが多く。鬼が出てきたり、姫様を拉致して連れ去る人間が現れたり、やはり恋の話しが面白い。治安がことのほか悪いのもわかった。読んでいくうちに芥川の世界と重なっていくのもおもしろい。とても読みやすく、数が多いので1つ1つの印象は弱いが入門書としては最適なのかなと思う。語りが優しいのは、作者の人柄だろうか。少し説教臭いのは宗教色があるのかもと感じた。

  • 今昔物語は汲めども尽きない面白さがあって、色んな作家のを読みます。作家の方も惹かれる素材のようで、芥川、谷崎も書いていますし、杉本苑子もずいぶん書いています。谷崎が書いた時平の話は、もっとドラマチックですし、芥川の瓜の話は描写が目に焼きつくほどでした。田辺さんのは、彼女がネアカな性分のせいでしょうか、おかしみをさらっと書いた入門編のような味わいです。

  • 103ページまで読んだところ。成立時期は1120年代~1449年頃というが、今も昔も人の世は変わらない。各編は文庫本で7ページくらいの短編で、昔物語風に書いてある。男女の愛欲、生霊、盗賊を描いたものが多いのも、昨今と変わらないような感じ。

  • 田辺聖子 「 今昔物語 」 軽妙なエロ話で読み手を引き込みながら、仏教的なテーマを盛り込んでいる。短編なので飽きない。因果応報の皮肉さ、会う者は必ず別れる哀しさ、普遍的な面白さを感じる。最後のストーリーテラーの終わらせ方も上手い。岡田嘉夫 の女性の表紙挿絵も見事

    「葦刈」人の世には人の力で及ばぬ運命というものがある。でもそれに敗けてうちひしがれ、心のうるおいを忘れてしまうのは 人間らしくありません

    「赤子を食う鬼」鬼は 世間の心ない悪口のこと〜鬼は 人の世なら どこでもいる〜性根を据えて決心すれば、鬼に食われることはない

  • 古典読みたいと思っていたのだけど、原文は無理だしと思っていたら。しかも田辺聖子!

    楽しかった。葦苅が1番好きだな、ロマンチック。

    全体的にもう少し上品な方がよかった。

  • 今も昔も、人の情やら業は変わらないですね。

  • 短編です。
    今の私にはまだ消化不良な話がいくつか残ってます。
    これは、再読しないと!
    ただ、オチが同じようなものが多かったですね。

  • まあ、力があります。語り継がれた「物語」は。
    意外性のオンパレードだし。
    はじめの風景描写は趣深いし。
    語り口調なのもいいし。
    時折よみかえしたくなるような本。
    鬼だの神だのと、超常現象に惹かれるのは、今のファンタジーブームと何ら変わりないのかも。

  • 古典というととっつきにくいとこらがあるけど、この本は別!現代語訳なので読みやすい。学校の古典の授業に使ってくれたら、授業が好きになってたのになぁ。

  • 『平中の恋』など知っている話も多かった。
    今昔物語は興味があるので全部読んでみたいな〜。
    古語は無理なので現代語で。

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著者プロフィール

1928年3月27日生まれ、大阪府大阪市出身。樟蔭女子専門学校(現・大阪樟蔭女子大)卒業。1957年、雑誌の懸賞に佳作入選した『花狩』で、デビュー。64年『感傷旅行』で「芥川賞」を受賞。以後、『花衣ぬぐやまつわる……わが愛の杉田久女』『ひねくれ一茶』『道頓堀の雨に別れて以来なり 川柳作家・岸本水府とその時代』『新源氏物語』等が受賞作となる。95年「紫綬褒章」、2000年「文化功労者」、08年「文化勲章」を受章する。19年、総胆管結石による胆管炎のため死去。91歳没。

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