家出のすすめ (角川文庫 て 1-1)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041315231

作品紹介・あらすじ

愛情過多の父母、精神的に乳離れできない子どもにとって、本当に必要なことは何か?「家出のすすめ」「悪徳のすすめ」「反俗のすすめ」「自立のすすめ」と四章にわたり現代の矛盾を鋭く告発する寺山流青春論。

感想・レビュー・書評

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  • 寺山さんは、わたしが産まれるずいぶん前に産まれて、わたしが産まれる前に亡くなった方。
    それなのに、こんなにも共有できるものが多いのは、結局いつの時代も変わらないということなのか…性に対する見方は時代とともに変化している気がしているけれど、それは外面かもしれない、とも思いました。
    特に面白かったのは、「サザエさんの性生活」。サザエさんは、わたし自身が苦手な作品であることもあって、とても痛快、そして納得。
    家というものに縛られる日本。そのくせ求められる自立。子どもから大人になる中で、もがいて、自分の生き方を見つけていく。でもそれは、なかなかスムーズにはいかないもんで…
    そもそも、どうしていきなり生まれ落ちて、どうして自分では選べない家というものに縛られないといけないのか。縛られた状態では自分の生き方なんて見つけられない。家出をして、自分を親から切り離し、縛られていたものから解放され、自分とは何者かを考えること。愛情で始まる親との関係を、最終的には友情という関係とすればいいという考え方は、なるほどなと思いました。家出(自立)というものに、一歩踏み出せない人や、家出(自立)に罪悪感を感じてしまう人への希望の言葉なんじゃないかな。

  • 好き勝手に言っていいなら寺山修司の上品互換が村上春樹だと思う。高田純次が好き。

  • 自分の知らない思想や世界の話しでした。
    なので、ちょっと理解できなかったです。

  • 個人的に、寺山修司は学問的な機会で学ぶような常識ではなく、仕事場の同僚であったりアパートの大屋さんから学ぶ処世術のような印象を受ける。ちょっとシニカルなのがクセになる。

  • 「書を捨てよ、町へ出よう」(1971) の映画作品を観て度肝を抜かれたのもはや数年前。その書籍版も読んだはず…だったがその後彼の残した活字を追う作業は進まぬまま、そんななか随分と間を開けて本書が手の中に。

    どうして今かの理由は読後にははっきりしなかった。内容も10代に向けて書かれているわけで、ある意味の家出、いうなれば「国出」まで決行してしまった自分としては時期相当遅とででも呼ぶべきか、多くの言葉が今となってはもう響かない。それもそのはず、書いている寺山自身も当時20代の後半だったとのこと。いろんな意味でタイミングに難ありな…。

    しかーし。その数週間後にタネ明かしが。居酒屋のカウンターで常連のお客さんに話しかけられる。

    「どう?今度の寺山は行くの?」

    その人は自分が映画好きであることを十分承知で話しかけてくれたのだが当の自分は「?」状態。仕事が忙しいという言い訳でもってアンテナが錆びつきかけていたところ、他の方の助けを受けてかろうじて引っかかった。国立フィルムセンターが最近修復が完了したばっかりのNew Printを多数引っさげ、まずNew Yorkからという感じで凱旋してきてくれたのだ。

    つまりはタイミングは抜群だったということ。

    巻末には彼の年譜がついていた。今一度読み返して残りの上映に臨むとしよう。

  • 自分が思っていつつも、なかなか口に出せずにいた事なんかがたくさん書かれてて驚いた。

    「東京へ行こうよ。行けば行ったで何とかなるさ」63p

    うん、自分もそう思う。

  • 倫理的にさすがにどうなの、という主張も多かったが、ホントのホントのところ、自分がどう生きたいか、を考えさせられた。
    社会規範にとらわれずに個人としての生き方を考えるという点で、岡本太郎の『自分の中に毒を持て』と似た雰囲気を感じた。人生に対する姿勢、責任、覚悟を思い起こさせてくれた。

  • あまりおもしろくなく…途中で挫折。

  • ムラ社会的な考えに疲れている時に手に取った積読本。
    青春時代といわれる年齢に読んでおけばよかったかもしれないが、今の今でもユーモアのある文章に勇気づけられたり、ふとした時に真理をつかれている様で今は妙に感動したりと。

  • 都合の良い言葉は当然のように自分の心を後押しするが、基本的にはよくわからなかった。
    独り言を読んでいるようで、中には共感したり、納得したりするものもあった。
    サザエさんの性事情話などは笑えた。

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著者プロフィール

寺山修司(てらやま・しゅうじ):1935年、青森県生まれ。54年「チェホフ祭」で短歌研究新人賞特選を受賞、脚光を浴びる。早稲田大学教育学部在学中にネフローゼを発病、4年間の療養生活を送ったのちに劇団、演劇実験室「天井棧敷」結成。劇作家・演出家として活動するかたわら、映画監督、詩、小説、批評、歌謡、競馬評論など、国内外で様々な分野の才能を発揮した。83年5月、旺盛な仕事のさなかに逝去。

「2023年 『さみしいときは青青青青青青青』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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