戦中派不戦日記 山田風太郎ベストコレクション (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 162
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  • Amazon.co.jp ・本 (608ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041356586

作品紹介・あらすじ

23歳の山田青年が過ごした激動の1年を克明に記した日記文学の最高峰。山風作品に通底する人間観が垣間見える貴重な一作。昭和20年の記録。

感想・レビュー・書評

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  • ほんの75年前ということに驚きを禁じ得ない。もし自分がその時代にいたら間違いなく戦争推進派だったと思う。怖い話しだ。

  •  山田風太郎の昭和20年一年の日記。

     医学生として兵役に出ることなく過ごした後の大作家山田風太郎。彼は当時の人としてもちろん戦争を熱烈に支持していたが、その時その時で様々な思考も見せる。終戦を機にガラッと変わるわけではなく、むしろガラッと変わる社会を批判する様子も見える。
     驚くのはこの1年に山田風太郎が驚くほど様々な本を多く読んでいること。家が焼けたりもしてるはずなのにどうしてこんなにも本が読めるのか。

     今振り返った戦争ではなく、当時の識者のそのままの感覚を知ることは非常に重要であると感じる。

  • 昭和20年元旦から大晦日までの日記を原文ママに書籍化したものである。東京大空襲、疎開、敗戦、進駐軍…。東京にも死が身近にあったその時の描写が生々しく目に浮かぶ。自分が大人になって戦争関連の書に触れるに連れ、戦中、戦前の日本は思想、言論において成熟した社会だった印象が強くなる。逆に言えば子供の頃から見聞きさせられてきた戦争時の「日本」はネガティブな印象操作の賜物なのではなかろうか。

  • 戦時中のB29来襲の恐ろしさやポツダム受託後の行動など軍人ではない角度での描写であり、感情がありありと書かれていて興味深い。

  • しかし、百年後のためのひそやかな第一歩を踏み出す者は、生き残ったわれわれを置いて誰があろうか。二歩進むためにも、百歩進むためにも、最初の一歩は絶対必要だ。僕達は眼をつむり、眼をあけ、遥かなる未来へ眼を投げるべきである。
    しかし、残念だ。どうして佐竹さんを説得できよう。
    その気力は自分にない。

  • 講談社文庫版で既読。

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著者プロフィール

1922年兵庫県生まれ。47年「達磨峠の事件」で作家デビュー。49年「眼中の悪魔」「虚像淫楽」で探偵作家クラブ賞、97年に第45回菊池寛賞、2001年に第四回日本ミステリー文学大賞を受賞。2001年没。

「2011年 『誰にも出来る殺人/棺の中の悦楽 山田風太郎ベストコレクション』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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