野獣死すべし (角川文庫 緑 362-24)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (294ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041362242

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  • 大藪春彦のデビュー作にして出世作。伊達邦彦シリーズなのかな?バイオレンスな詩のような短篇と、小説然とした「復讐編」の2作。個人的には中学1~2年の時に、図書館の文庫本をかたっぱしから読んでいて見つけて衝撃を受けた1冊でも有る。

    ハードボイルド小説ではあるが、読むポイントは銃器や武器の描写の巧みさと、金融や会社経営(乗っ取り)に関する緻密なストーリーテリングで、この全く相反するような2点が無理なく書かれているところであろう。

    また、主人公が「金狼」とは異なった、ダーティーヒーローであるところも魅力。大きなストーリー展開はシンプルなので、非常に読みやすくオススメである。

    ただ、朝から「ぶ厚いポークステーキをビールで流し込んだ」り、「ゆでたまご10個をビールで流し込んだ」りするのは、作品的にはくすっと来てしまう。山下洋輔のエッセイでもパロディが何度も書かれているので、その影響も有るかもしれない。

  • 完璧な男、伊達邦彦は犯罪者なのに、なぜかカッコ良くスタイリッシュに見えてきてしまう。
    (こういうので現実錯誤する人はどうしようもないが…)大仰な言い回しやこれでもかの意表を付く比喩表現が、良い意味で大時代的。

    次々に完遂する完全犯罪と、狙った獲物は逃さないだけの自信が眩しい程。
    ただ、誰もが目を引く美貌だったら、それこそ印象的過ぎて、記憶に残りそうなもんだが、そこは物語なので目を瞑るか。

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