ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)

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著者 : 夢野久作
  • 角川書店 (1976年10月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (324ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041366035

ドグラ・マグラ (上) (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 高校生の時に一度読み、「まだ十分に理解できない。いつかリベンジしよう」と思っていたが、それから約10年が過ぎた今になって読み返しても理解が進んだ気はしない。
    「キチガイ地獄外道祭文」のくだりは声に出して読みたくなる。

  • 1935年(昭和10年)。三大奇書、第二弾。
    夢野久作の代表作。小栗虫太郎「黒死舘殺人事件」、中井英夫「虚無への供物」と共に、本邦ミステリの三大奇書と呼ばれている。実際、半ば発狂していないと書けないのでは、と思うくらい奇想天外かつ型破りな作品であり、こんなサイケデリックな作家が戦前の日本にいたということ自体が驚異的である。

    精神病院で目覚めた記憶喪失の青年が、自分は何者で何故ここにいるのかを探るうちに、不吉な事件の影が見えてくる。「キ○ガイ地獄外道祭文」、「胎児の夢」など訳の分からない作中作が大量に挿入されており、読者を戸惑わせる。「ドグラ・マグラ」とは、作中で主人公が見つけた、狂人が書いたという推理小説のタイトルに由来しているが、その意味するところは不明。

    結局、内容を知るには自分で読むしかないのだが、読んだところで理解したと言えるかどうか。伝統的に何故か推理小説に分類されており、メタ・ミステリ(超推理小説)と呼ばれているらしいが、この物語にカテゴライズは無意味な気もする。強いて言えることがあるとすれば、好きか嫌いかくらいだろう。

  • 傑作です。久しぶりに読み終わったあとにも考えさせられる小説に出会いました。W博士、M博士、挙句の果てには「私」までもが信頼できない語り部なので物語の解釈は様々であり正解がないところがお気に入り。作者の巧みな誘導により物語が進めば進むほど読者を混乱に至らす手法はいやらしいと同時に奇妙な体験を与えてくれる。核心に迫る部分ではのめり込み過ぎて駅を乗り過ごしてしまいました。最後に、願わくは「ドグラ・マグラ」の読んだ記憶を無くし、まっさらな脳髄でもう一度読んでみたい
    (記憶の遺伝に打ち勝てる前提で)。

    ブウウーーーーンンン

  • 表紙が意味不明なエロ画像なのが残念すぎる。もうちょっとストーリーと関連のありそうな絵を選べなかったのか?中身の方だが、一部の主張に共感できる部分はあるものの、根底にある精神障碍への差別的視点が引っかかる。下巻の冒頭には有名なグロシーンがあるらしい。苦手な人は注意。

  • さて、ようやく読み終えたこの悪名高い噂の小説、ドグラ・マグラ。

    不気味な表紙の絵とタイトルから、どんだけエロい小説なのだろう。と思っている方もいるかもしれませんが、正直、全然エロくないです。

    読んだ人の感想のほとんどは、「よく分からなかった」とか「凄く疲れた」とか「上巻で読むの辞めました」だと思うんだけど、オレの感想も似たような感じです。

    なんていうか、
    “凄く話が上手くて頭も良いんだけど、話出したら止まらなくなって、とにかく話が長い人の話をずっと聞いている”
    そんな感じでした。

    なので面白い話題の時は、“楽しくて時間が経つのも忘れるよ。”って思うんだけど、興味の無い話題の時は、“とにかく時間が経つのが遅い、早く終わってくれ。”って感じでした。

    どんな内容なの?って聞かれれば、
    “目を覚ましたら見知らぬ部屋にいた青年は記憶を失っていて自分の名前も分からない。
    そこに先生らしき人が現れて、その青年の記憶を回復させようとする。”
    って話なんだけど、とにかくストーリーの脱線が酷い。

    最初の数十ページは普通にサクサク読めて、「なんだ、ドグラマグラ、みんなが言う程難しくないじゃん」って思うんだけど、記憶を回復させる過程で、本を読みだすんだけど、この辺りから様子がおかしくなってくるんですよね。
    こういうのってなんて言うんですかね。お店で言うなら、どこかのお店の中に他の店舗が間借りするやつ、、ショップ・イン・ショップ?
    テレビドラマの中で、ミニドラマが始まるみたいな。

    そんでまぁ、ドグラ・マグラの場合は「キチガイ地獄外道祭文」っていう数え唄みたいのが始まるわけなんだけど、、、、とにかく長い。

    そして、「脳髄は物を考えるところに非ず」って論文。
    まとめると、物を考えているのは脳髄っていうか脳ではなく、もう細胞という細胞、右手なら右手が自分の自由意思で動いていて、脳髄はその電気信号的なのをまとめる中継地点みたいなもんだ。みたいな?
    ごめん、どこまでが本当でどこまでが創作かわからなくなってきた。

    そんでそのあとは「胎児の夢」
    胎児は胎児になるまでの間に夢を見る。
    その夢は遥か昔、単細胞の生物が生まれ、魚になり、両生類になり、鳥になって、あーだこーだで人間に進化する過程を追体験するだけに留まらず、父、母、祖母、祖父、さらに全ての先祖、血縁達が体験した全ての事柄を追体験する。的な?

    そんで下巻からは「心理遺伝」、「夢中遊行」、玄宗皇帝、楊貴妃、絵巻物云々、、、、、

    驚くことに、こんだけ書いても、全くネタバレになってないってゆー、、。
    願わくば、物凄く頭が良い人のこの本の感想を聞きたいです。

    本筋とは全く関係ないけれど、小説の中で“絶世の美人”って書くと、誰にとっても最高の美人になってしまうっていうこの現象は、映画や漫画にはできない、小説だけの特権だよなぁっていつも思います。

    もし、現実世界で、この小説のような夢中遊行が起きたら、法律で裁けるのかって考えるとゾクっとします。

  • 「人体各器官の御本尊」「人類文化の独裁君主」「現実世界における全知全能の神様」「悪魔以上の悪魔」……。自分の頭の中にある脳みそが恐ろしく思えた。

    物凄い小説に手をつけてしまった……。胎児よ胎児よ……スカラカ、チャカポコ……。

  • もう平成にはない独特の変態臭がする。雰囲気を上巻で胸いっぱいに吸っていただき、下巻で頭の整理をする感じでしょうか。最後まで読んだものの、理解できずに頭が狂うこともなく済みました。正木先生の話がわからないんだよね~・・ 頭が上巻に戻ったところでまた読もう。

  • "これを読む者は一度は精神に異常を来す"

    というキャッチフレーズの
    日本の三大奇書の一つです。

    不気味なくらい軽快な文脈が続くかと思えば
    とても読みにくくなったりと
    緩急つけて綴られています。

    途中、
    もう無理、これ以上読み進むのは辛い
    めんどうだ!読み切れない!
    というくらい
    読みづらかったりしますが
    "これを読む者は一度は精神に異常を来す"
    というのが頭をよぎって
    なんとか山を越えるかんじでした。
    読み切ったら、そしたら
    どうなるの?
    という
    物語の結末というよりも
    自分がこれを読むことで
    どうなっちゃうのかな
    という好奇心が掻き立てられちゃって!
    もしかすると
    そのための
    キャッチフレーズかも、、と思ったりして

    小説の部類としては
    推理小説、探偵小説ということに
    なっているみたいですが
    そういう枠組みには収まりそうにないです。
    でも無理矢理一言で言うなら
    自分探しの推理小説
    かなぁ

    記憶喪失の青年"私"が主人公であり語り手で
    作中には「ドグラ・マグラ」という
    タイトルの書物が出てくるメタな設定。
    "私"が自分が何者であるのかを
    模索している話なのですが
    なんといいますか、
    説明なんてできません!

    読み終わった感想といえば
    なんだか時間が、空間が、自分が
    疑わしくなる
    というか、
    本の内容の感想が
    すっ…っと出てこないです。

    小説を読んでいるのに
    自分の内面を
    切り開いて考えているような
    変な気持ちになります。

    あたしは今
    5周目を読み終えたところなのですが、
    どうしても
    最後まで行くとまた
    最初から
    読んでしまって

    あたしのなかでは
    まだ終わりにたどり着いていないんです。

  • 1935年には奇書であったらしい作品。

    当たり前ですが、狂人の本でも狂気の書でもなくて、狂人を装って捻くれてみた正気の人の書いた本。怒るや呆れるには値しないので安心して読めます。捻くれの百鬼夜行ぶりが極彩色的で魅力的で、ポップカルチャーでは筒井氏や冨樫氏、米津氏の作品なんかに脈打つものを感じました。

    途中まで読んだところですが、現代は既にこの作品に影響を受け、またその先へ駒を進めた数多の表現・思想に満ちた時代であるからか、最早この作品の筋書きは色褪せていて、新味の魅力は感じないです。このような古ぼけ書をして「読破した者は皆気が狂う」という謳い文句は、今となっては幾分看板倒れではないのかな。この手の古典に刺激を受けられるかと思って読んだ私が浅はかだったのですが、正直言ってその点は肩透かしでした。残念。

    「みんな精神異常者ですよ」というのは現代中二病の走りのような世の見方ですが、今や殊更たいしておかしなことではなく、鼻息荒く暴こうとするほど特段秘匿されるような発想でもなく、閉塞感や憂鬱の種ですらなく、むしろそれを前提に社会・科学は築かれていることを踏まえて未来に関わっていくというのが現代の大人が普通に弁える態度だと思われるので、この作品を読むと今更随分初々しい話題に触れたなあという気持ちになります。もちろんこの作品があってこそ進められた知見が現代教養に息づいていることも感じられます。

    ロボトミー手術を批判する「カッコーの巣の上で」が1975年の作品であることを踏まえると、この作品の違った価値が見えてくるのかもしれませんが、そちらの探究はまだ先になりそうです。

  • 妊娠中なので読みました(?)
    作中作(?)とかメタ表現(?)とかと本編との入り組み方がすごすぎ。この時系列わけわからない感じすごく好きです。この頃の探偵小説が幻想文学と同線上にあるっていうのにすごい納得。
    内容も当時はものすごい時代を先取りしまくってる挑戦的なものやったんやろなあ。

    腹の子、お前も悪夢をみているのか。わたしはあんたが踊るせいで夜眠りが浅く頻尿。

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