本の雑誌の目黒考二・北上次郎・藤代三郎 (別冊本の雑誌 21)で目黒氏が熱くおすすめしてたので気になって、表題作のみ読了。接待で銀座のクラブにやってきた若手サラリーマンが、銀座のホステスに声をかけられ、何度か運転手をつとめたところ距離が縮まり…と◆「ヒマなお嬢さんじゃないんだもの、コーヒーや紅茶なんか、おかしくって。飲むならお酒だわ」◆「甘い気持ちで惚れると、不幸になるわよ」◆なんていう女性のセリフに時代とはすっぱなところと潔さを感じ、「なぜ岩手県なの」「いろいろあるのよ」「聞かないことにしようか」「言わないことにしておきたい」なんてやりとりのリズムよさに心地よくなる一編。