小説熱海殺人事件 (角川文庫)

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  • 角川書店 (1976年3月発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (207ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041422014

小説熱海殺人事件 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 舞台を見に行く予定なので、原作のこの本を読んだのだけど、読んでみた感想として、これは小説では、ない。小説としてのお約束を完全に無視していて、多分、舞台を先に見ている状態なら楽しめるのかもしれないけれど、単体の作品として楽しむのは難しい。舞台の情景をそのまま文章にされてもね、という感じ。
    キャラの性格も文章からではまったく把握できなくて、読んでてけっこうしんどかった。
    舞台ベースなのはわかるけど、なんでこれを本という形にしようと思ったんだろ?というのが単純な疑問。

  • 舞台化にあたって初めて読んだ。
    読み終わって戸塚くんが選ばれた理由とあの疲弊っぷりが頷けた作品。
    喜劇の中に悲劇があるのか、悲劇の中に喜劇があるのか。

    アイちゃんを殺したことで金太郎の心も死んでしまったのだろう。

  • 学生時代に古本屋で購入。
    だから手元にあるのは表紙が和田誠のイラストだし定価も¥180。

    しがない工員が幼馴染の女工を熱海で絞め殺した。この、どこにも華のない凡庸な殺しを、新聞の一面に載るような大殺人事件へと鍛え直してやろうじゃねえか!みたいな刑事モノ喜劇。

    最初は「まったく、おかしな事おっぱじめやがったよ、アハハ」なんて笑って見てたはずなのに、いつの間にか滑稽さが切実さにすり替わってきて、仕舞いには自分の喉首に鋭利な刃物を突きつけられているような、しかも突きつけてる方は涼しい顔で煙草なんかふかしているような、何かそういう類のカッコ良さが堪らないです、つか作品。

  • 彼にふさわしい一流の事件でないといけんのです。計算尽くされた勢い。やっぱり舞台でみたいかな。

  • 読み終わった後に押し寄せてくるものがすごい。
    それは、彼がずっと背負っていたであろうものであり(いつか公平)、そのまま生きていっても何にもなれなかったであろう社会の底辺を生きる人間の倒錯であったり、真実を真実として伝え続けることによる日常化の恐怖であったり。

    最後の、自身によるあとがきが、もう。
    これは断じて喜劇ではない、と感じさせる。彼に見えていたのはどんな風景なんだろう。

    生きているうちに観なかったことが、本当に悔やまれる。

  • 常識をぶっ壊される感じ
    あぁ、つかさんの美学

  • あまりに俗的で超俗な作家、演出家、舞台の親玉つかこうへいが亡くなって四ヶ月が経つ。
    残念ながら彼の舞台を生で見ることはできなかったので、作家つかこうへいしか知らないが、
    いやはや、実に豪傑という言葉がぴったりはまる人である。

    初期の「小説熱海殺人事件」で「つかの視点」は確立されている。斬新で、むちゃくちゃで、そしてシニシズムを越え愉快かつ大まじめに問題提起をするのである。

    「小説」とわざわざ題名につけているところに、つかこうへいのやさしさが見え隠れする(というより、あんたらヒントなしじゃ分からんでしょう、ということなのかもしれない)。そのやさしさを裏切って、「へぇ戯曲を小説にしたのね」(そうなんだけど)、なんて言ってたら怒られます。いや、それでは、つか氏に申し訳ない。劇化して物事をとらえる、「日常(にあふれている事件)」を「舞台」にするとはどういうことなのか。言語や”しぐさ”をメタの視点で見るとはどういうことなのかを見事に描いている。
    「演じること」の日常性をことば化する試み(あるいは演技の日常性へのまなざし)は多くの小説家なり作家なりが取り組んだと思うが、演劇をする、振りをつけるやりとり(そのシーン)を文字におこすということでいとも簡単に、無理なくやってのけてしまった。ここでは「小説」(と呼ぶこと)が「舞台装置」になっているのである。「表現する」ときにわれわれがすること「せずにはいられないこと」をどうやって表現できるだろうかと私も考えたことがあるが、つか氏は「そういうものの見方」を身につけていたのである。

    惜しい人が亡くなった。

  • つかこうへいの作品の生々しさ、愚かしさ、暴力を見ていると、TAKESHIの映画を思い出す。
    全てはひるがえって、無垢なるものを映し出す。

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