広島に原爆を落とす日 上 (角川文庫 つ 3-28)

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  • Amazon.co.jp ・本 (236ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041422298

感想・レビュー・書評

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  • 2023/7/11
    今読むと字が大きい。

  • 第二次世界大戦の勃発から、広島に原爆が落とされるまでを、
    在日朝鮮人の視点から、壮大なフィクションとして世界史・昭和史を大胆に破天荒に書き換えた。

    犬子恨一郎 (いぬこはんいちろう)海軍少佐
    朝鮮から日本に強制的に連れてこられ、改名させられる。
    先祖代々からの名前を棄てるなど、犬の子にも劣る…。この屈辱感、この恨み、忘れてはならない、という名前。

    「いつか公平」を願い
    「つかこうへい」と名乗った筆者による、祈りを込めた大作。

    (ペンネームの由来について真偽は不明)

  • 中学時代に一気に読了。
    少々刺激が強いが、太平洋戦争の基礎知識があればのめりこむ。
    読後は呆然として、何も手につかなかったのを覚えている。
    民族差別が大きなテーマとなっている本作、つかこうへいの由来が「いつか公平」という思いがガツンと伝わってきた。

    就職活動のエントリーシートで「好きな本」にこの本を挙げた。

  • 様々な所でレビューされているが、確かに、
    簡単に、「好きだ」「面白い」「おすすめ」・・・と言える種類の作品ではないだろうと思える。

    作者の境遇を反映した、きつくもあり、純愛でもあり。

    舞台などでは「被爆し、アメリカの核の傘の下で戦後を生きてきた日本だからこそ、日本が語り継がなければ」というコンセプトがあったようだ。
    読んでみるとそれに対する違和感や疑問などがあり、それこそがこの作品の本質なのだろう。

    読んで損はないことは確かだ。

  • 何度も読み返しています。

    フィクションと恋愛で史実を包みこみ、
    つか版の史実の世界へ、いやおうなく引きずり込まれます。
    差別・戦争・原爆・ナチス…どこまでも
    重い重いテーマを描きながら、
    何とも言えない「純」な作品として成り立たせている凄味。
    つかこうへいさんの熱を感じます。
    この本は、絶対に手放さない!!

  • すごく良い。愛、国家、民族、戦争、プライド、忍耐、侵略と解放、裏切り、希望と絶望…

  • 最高。壮絶。友愛。

  • 苦しみも哀しみも絶望も全て内包する。

  • タイトルから伺える通り、戦争…原爆を扱ったお話です。史実を題材にしながら史実に縛られず、それでも実際に起こった一連の出来事はさらっていると思います。戦争という大きな枠の中に、在日朝鮮人、祖国という概念など、しっかりと材料になる要素も含まれそれぞれで問題が練りこまれています。そういった意味で読み応えが抜群。
    同作者の他の作品もそうなんですが、独特の台詞が魅力で、それぞれのキャラクターが生きている人間のように苦悩している様を感じることが出来ます。ラストの原爆投下のボタンを押すシーンなどは涙なくしては読めません。愛という一見白々しい言葉を、この作品を読んだ後ならば真正面から受けられる気がします。
    純愛のために屈折していく出来事が切ないです。差別的な意味でなく、女は女らしく男は男らしく描かれ、人間のおろかさ…それ以上に尊厳と言うものが前面に押し出されています。
    主人公犬子恨一郎は作中で、最後に広島に原爆を落としその行為により日本の未来を問います。それは作品の世界を抜け出て、私たちにとっても大きな問いかけになるのではないでしょうか。

  • 最近図書館で再読。

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著者プロフィール

1948年、福岡県生まれ。劇作家、演出家、小説家。大学時代から演劇活動をはじめ、73年『熱海殺人事件』で岸田國士戯曲賞を当時最年少の25歳で受賞。70年代演劇界に一大旋風をおこす。82年『蒲田行進曲』で直木賞受賞。現在も国内外で活発な劇作・演出活動を続ける。

「2018年 『小説 熱海殺人事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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