ドサ健ばくち地獄 上 (角川文庫 緑 459-64)

著者 :
  • KADOKAWA
3.57
  • (10)
  • (21)
  • (28)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 174
感想 : 6
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (243ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041459645

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 200

  • 阿佐田哲也『ドサ健ばくち地獄』(角川書店、S59)

    「麻雀放浪記」シリーズのスピンオフ。天涯孤独のばくち打ちドサ健とその周囲に群がるばくち打ちのお話。勝ったり負けたり、誰からカモられるか敵対関係の一方、結局こいつらとしか遊べないというゆるい仲間感。悪漢小説の本領が出ています。

    登場するばくち打ちは誰もが一定の技量を持ってイカサマ上等、周囲もそれをわかっていて高度な心理戦が展開されます。イカサマしようがなにをしようが、カモになるやつがいればそれでいい、と博打の本義を忘れないおおらかな姿勢。

    胴元が儲かる構図とそれに固執する者、一方で主催者の義務としての廻し銭制度、貸付を回収できるか腕が問われるところです。

    【本文より】
    ◯金のケリは金でつけろ。それが一番簡単だ。金でケリがつけられないから負い目が大きくなっていくんだ。殿下、そこがお前にはわかっとらんよ。

    ◯「馬鹿いうな。ばくちのプロなんて居るもんか。コロしたり、コロされたり、俺はしのぎのプロなんだよ」

    ◯考えてみれば、北抜き麻雀に限らず、ばくちは、止めどきが大事なのである。止めようと思ったときに、すっと立てる人は、大怪我はしない。

    ◯考えてみると、勝負は常に、トップと、次位以下の三人がおり、その三人が諒承しなければ、決着がつかないのである。」

  • 久々に読んだら、堤が思いっきりバナナマン日村で脳内キャスティングされた。
    小説自体は、相変わらず面白い。

  • 『麻雀放浪記』から、戦後混乱期のアナーキーな爽快感と、青春小説としてのあまやかさを除いた、共食いの閉塞感に満ちた夢も希望も何処にも無い剥き身のギャンブル小説。

全6件中 1 - 6件を表示

著者プロフィール

本名・色川武大。1929年東京生まれ。東京市立三中中退。1961年に自伝的小説『黒い布』で中央公論新人賞受賞。『麻雀放浪記』など麻雀小説はペンネームで発表。本名で発表した短編小説「百」は川端康成賞を受賞した。1989年死去。

「2008年 『雀鬼くずれ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

阿佐田哲也の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×