三毛猫ホームズの駈落ち (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 661
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041497852

作品紹介・あらすじ

大富豪……片山家と山波家は先祖代々伝統的に(?)犬猿の仲が続いていた。片山家の長男義太郎と山波家の長女晴美が駈け落ちするに至り、事態は益々紛糾した。それから十二年。

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ第5作。
    ロミオとジュリエットを下書きに、全く異なる魅力と謎が渦巻く物語。ある2つの因縁の家族から殺人や未遂が続き、誰が何の目的でやったのか解き明かしていく。

    片岡義太郎の酷さと、三浦晴美・片岡令子の気の毒さが際立った。
    赤ちゃんを救ったホームズにも怪我がなくて良かった!

  • 若いころに何回読んだか覚えてないくらい読んでた三毛猫ホームズシリーズ

    片山さんいい味だしてる
    覚えているはずなのに、要所要所でクスリと笑ってしまう。

    もちろんミステリーとしても面白いけど
    キャラクター愛がありすぎて

    またほかのシリーズも再読しよう!

  • 最初のプロローグはまた片山達の夢の話かと思ったら、別の義太郎と晴美の話だった。しかし、17と14で駆落ちだなんて、そりゃうまくいかないよ。別の人と結婚することもあるわな。しかし、今回も大量に人が死ぬ話だった。しかし14で学校も行かず、こんな人生を送るとは。小説だけど。

  • 始まり数ページで死ぬ死ぬ!
    ラストどんでん返しが圧巻。

  • 大富豪・片山家と山波家は先祖代々伝統的に【?】犬猿の仲が続いていた。片山家の長男義太郎と山波家の長女晴美が駈落ちするに至り、事態は益々紛糾した。それから十二年--。

  • 主人公兄妹と同じ名前で驚くが、展開が面白い。

  • 読書録「三毛猫ホームズの駈落ち」3

    著者 赤川次郎
    出版 角川文庫

    P71より引用
    “人の災難を見ても、手助けするより無関心でいたいのだろ
    う。ーーー考えようによってはなにより恐ろしいことである。”

     目次から抜粋引用
    “間違い続き
     目には目を
     あらし
     おわりよければ総てよし”

     警視庁捜査一課の刑事とその妹、そして三毛猫ホームズの3人家
    族を主人公とした、長編ミステリー小説。人気シリーズ第三弾。
     雨の夜、若い男女が手を取り合って走っていた。追っ手から必
    死に逃げる二人は、濁流に飛び込むのだった…。

     上記の引用は、とある人物が東京に出て来た場面での一文。
    うっかり手助けをしに行くと、八つ当たりで有りもしない責任を
    押しつけられる可能性を考えたら、無関心であることを責めるの
    も難しいような気がします。便利な生活はいいものでしょうが、
    何をするかわからない人達に囲まれて過ごす毎日というのは…。
     どんなにお金を持っていても、使い道がわからないのなら仕方
    ありません。いがみ合いに使うのならば、無い方がいいくらいで
    しょうか。

    ーーーーー

  • 三毛猫ホームズシリーズ5(=^ェ^=)巻末の解説を読んで改めて古い作品なんだなと感じた(^-^;時代を経ても色褪せないっていうのはすごいね=^・ω・^=駆け落ちは現代版ロミジュリ的なストーリーになっている。現実的な展開、ラストになっているのが面白かった。他の作品に比べて展開うろ覚えだった( ̄▽ ̄;)ダブル義太郎&晴美が出てくるインパクトが強かったのかな。石津刑事と晴美の仲が少し進展する一冊。

  • 土地持ちの大富豪・片岡家と山波家は先祖代々伝統的に犬猿の仲が続いていた。片岡家の長男義太郎と山波家の長女晴美が相愛の仲となって駈落ちするに至り、事態は益々紛糾した。それから12年、片岡家の三男と山波家の一人息子が刺し違えて死亡する事件が起こった。だがそこに殺人の匂いが、何と使用された凶器に指紋が無かったのだ!そして第2、3の事件が・・・。三毛猫ホームズ第3弾。


    三毛猫ホームズの駈落ち
    物語は片岡家の長男義太郎と山波家の長女晴美が相愛の仲となって駈落ちする12年前の出来事から始まります。私が思うこの「三毛猫ホームズの駈落ち」のテーマは「家族、愛のあり方とその変化」と思いました。


    まず家族、愛のあり方ですが、そもそも義太郎と晴美が駈落ちすることになったきっかけは両家の険悪な仲。彼らは互いに思い合うことさえ許されること無く死を覚悟して共に逃亡します。彼ら二人を追い詰めることになった最も大きなものは「家族のあり方、愛」だと思います。片山家はこうあるべきだ、山波家はこうあるべきだというよく言えば伝統を重んじた、悪く言えば凝り固まった古い考えが両家を支配しています。この支配は家族を愛するが故のものです。このゆがんだ愛が結局は今回の事件を生んだと思います。


    そして、家族と愛は次第に変化していきます。それは義太郎と晴美にいえることです。どれだけ愛し合っていても時間でその愛は変わっていく・・・それが常に悪い結果を生むわけでは勿論無いけど、悪い結果を生むこともある。そんな現実とリンクすることを感じました。


    しかし、こんな状況でもテンポ良く読み込めるのは片山のお陰です。彼に感情移入することでどんどん読んでいけます。片山は本当に心が広く優しい人間・・・、それは常々感じます。


    さて、この事件は最終的に勿論終焉します。しかしこの事件のきっかけを生んだ両家は今後どうなるのか?そこをしっかり読者に考えさせるところがこの作品の良いところ。

  • 義太郎と晴美がカケオチ!?ロミオとジュリエット(*´v`*)

  • 駆け落ちから12年。
    兄弟の死と、駆け落ちした2人を探しに東京へ来た人たち。

    山波晴美と片岡義太郎という名前は、
    主人公片山晴美とその兄の刑事の片山義太郎と同じ。

    話はいりくんで、長編としてのおもしろさをかもしだいている。

    幕切れは意外だが、どちらも孫は生き残り、子孫が絶えなかったことだけが幸いかも。

    三毛猫ホームズの活躍と、石津刑事の活躍も特筆。

  • 三毛猫ホームズシリーズ 第5弾。

    大富豪の片岡家と山波家は先祖代々犬猿の仲。対立を続ける両家の長男・義太郎と長女・晴美が恋に落ち、駈落ちする・・・と言う「赤川版ロミオとジュリエット」的な話から始まる今作。
    時は経ち、12年後に片岡家の三男と山波家の一人息子が河原で刺し違えて死亡する事件が起き、財産を巡る奇妙な物語が動き出す…。

    冒頭、義太郎のありえない夢から始まったのかと思いきや、同名の人物の行動だったと言うところからクスクスと物語に引き込まれていった。

    黒き欲望は愛する者をも疎ましく思ってしまうと言う、悲しくもリアルな内容でもあった。

    最初の事件の意外な真実、真犯人の黒き欲望、そしてお馴染みのドタバタ劇。今回も例に漏れず、推理の楽しさも盛り込まれた読み易い作品であった。

  • ストーリー)


    対立する二つの家から、ロミオとジュリエットのごとく、愛し合っている二人の男女がいた。二人は家を飛び出して駈け落ち。そのあと十年以上、姿をくらましていたが、ある日その家の親たちが、突然二人を捜す決意を固める。たまたま名前がそっくりだった片岡兄妹は、勘違いされて大迷惑。ところが、そんななか、殺人事件が勃発する。
    (感想)
    名前が似ているだけなのに、息子と勘違いする親ってどうよ? とか、男同士で恋愛という、まあ、あり得なくはないけど無理矢理な設定という気もする今回ですが、次から次へと犯人が変わっていくところは推理小説の赤川次郎、という面目躍如といったところでしょうか。
    ホームズが今回は大立ち回りもやりましたね。
    猫なのに赤ん坊を助けるなんて……。よくやりました。

  • このシリーズは結構順序ばらばらに読んでいたり。ロミオとジュリエット・赤川次郎が好きな人にはちょっとおすすめです☆

  • カバー折り返しには「三毛猫シリーズ第三弾!!!」と書いてあるのに、解説では「三毛猫シリーズ第五弾」となっている不思議。角川文庫からは第三弾で光文社文庫からは第五弾ということかしら。


    殺人事件のトリックの解明よりも、登場人物の人間関係が面白かったです。
    ロミオとジュリエットがもし無事に駆け落ちできていたらどうなっていただろうかをベースにしているのですが、まさかそういう展開にするとは。
    でも最後の謎解きに出てきたもう一組のロミオとジュリエットの解釈はちょっと…。もう少し伏線というか示唆するというか前振りがほしかったです。そこまで推理できた読者はいないんじゃなかろうか。

  • 大富豪の片岡家と山波家は代々対立していた。片岡家の長男と山波家の長女が駈落ちをし、事態は泥沼化。それから12年経ち、今度は片岡家の三男と山波家の息子が刺し違えて死亡。だが、2人とも何者かに殺された疑いが浮上した。一方東京に派遣された両家の使用人は、片山義太郎と晴美を、12年前に駈落ちした義太郎と晴美だと勘違い。

  • (メモ:中等部2年のときに読了。)

  • シリーズの中でもお気に入りの部類に入ります♪
    私の場合推理うんぬんよりも、人間関係が面白いと感じました。そっか〜駈け落ちしたからってそこでめでたしめでたしじゃ無いんだな〜と初めて考えました。
    十何年とかたって、関係も変わって…未来もちゃんとあるって考えると面白かったです。

  • 三毛猫ホームズシリーズでは5作目。
    「トリックが面白い」と、ある本に書かれていたので手にしてみました。

    トリックの基本的な内容は別の本で見かけたことがあったので、新鮮味には欠けましたが(ただし本書の方が発行は先)、このシリーズはトリックや謎解きよりも、ホームズを始めとする登場人物を楽しむものなのかなと思います。

    本書の解説にもあるように、この本の面白さの一つは『ロミオとジュリエット』を下敷きにした、結ばれることが許されない悲劇の二人が駈落ち後「どのような未来を選んだか」にあると思います。
    もし仮に、ロミオとジュリエットが死別することなく、逃げ切ったとしてその後どのような物語が続いたか?そんな疑問へのちょっとビターな回答と考えると面白いですね。

    ストーリー的には「片岡、山波両家の息子の刺し違えの理由」など終盤戦の展開が少々強引ではないか?もうちょっとサイドストーリーや複線が張られていてら読み手の受ける印象も変わったのに残念です。

    それにしてもこの「三毛猫ホームズシリーズ」すでに40冊も刊行されているんですね。
    シリーズモノでこれだけ続のは、やはりそれだけこのキャラクター達が愛されているということなんでしょう。


    KEY WORD>>三毛猫ホームズの駈落ち(著:赤川次郎)
    田舎の大富豪、片岡家と山波家。代々犬猿の仲であったこの両家で、片岡家の長男と山波家の長女が駈落ちしたのが12年前であった。そして現在、相変わらず不仲の両家で今度は、片岡家の三男坊と山波家の一人息子が刺し違えて死亡する事件がおこる。
    真相は不明なままに、跡継ぎ問題をも巻き込み新たな事件がまた・・・。

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著者プロフィール

1948年、福岡県生まれ。1976年「幽霊列車」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。『東京零年』で第50回吉川英治文学賞受賞。「夫は泥棒、妻は刑事」シリーズ、「三毛猫ホームズ」シリーズなどミステリーの他、サスペンス、ホラー、恋愛小説まで幅広く活躍。

「2023年 『黒鍵は恋してる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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