夏の終りにオフサイド (角川文庫 や 10-3)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (206ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041540046

作品紹介・あらすじ

夏-青い空、入道雲、照りつける太陽-夏の始まりには、さまざまなドラマが生まれる。ドラマが幕を閉じる頃、夏は静かに終りをつげてゆく…夏とは、そんな季節である。夏が見ていた、スポーツ場面をさわやかに描く。貴方も夏と一緒にこのドラマを御覧ください。

感想・レビュー・書評

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  • 夏という季節は、子供のころから人をわくわくさせる何かを持っている。

    今でも夏は大好きだ。

    真っ青な空、灼熱の太陽に、滴り落ちる汗、のどを通る水の冷たさと快感

    梅雨明けが始まる頃、夏の後ずれが来て、甲子園が終わる頃、残暑の時期を迎える

    スポーツの場面を切り取った夏満載の短編集

  • 2017年10月17日読了

  • スポーツを題材にとった小説集。バスケ、水泳、ハードル、テニス、ゴルフ、モトクロス、野球など/メダルはその夏、海に放り投げてしまった。当時、ぼくはモハメッド・アリがローマ・オリンピックのゴールドメダルを河に投げ捨てたという噺に感動していたからだ。(「夕暮れ色の、夏」)/「卒業アルバムに何て書いたかおぼえているか?」「おれは思い出したよ。Behind the clouds is the sun still shininng.」「ビハインド・ザ・クラウズ…か。そうだな。曇る日でも、雲の向こうではいつも太陽が輝いている……。あれはね、あのころつき合ってたガールフレンドが教えてくれたんだ」(「夕暮れ色の、夏」)/まぐれですよ、自分の才能の限界は知っています。そのいさぎよさに、自己陶酔していた。仲間はもったいないといった。そういわれながらあっさりとゴルフを捨てることが、彼にとっては快感だった。そのクセが、まだなおっていない。(「サマーサイド・スタジアム」)/「やるべきときに、最大限の力を出しきっておかないと後悔する」「失敗したらどうする?」失敗したらそれまでのことなのだ。(「サマーサイド・スタジアム」)/同窓会的なバスケの試合に、姿をあらわさなかったエース。高層ビルからみおろしたプールに飛び込んだ少女が消えたように見えて気になり夜のプールに忍び込む話し。こつ然と姿を消したが、部屋にハードルのみ残していった男。人生も試合もいつもブレーキをかけてしまう男が、ふだんはしないフルスロットルで崖下に落ちた時に見た光景。実際の試合にかさねあわせるようにスコアブックで愛を語った男の物語。しずかな余韻。

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著者プロフィール

作家。1948年神奈川県生まれ。中央大学法学部卒業後、ライターとして活動。80年「Sports Graphic Number」(文藝春秋)創刊号に掲載された短編ノンフィクション「江夏の21球」で注目を集める。81年同作が収録された『スローカーブを、もう一球』(角川書店)で第8回日本ノンフィクション賞を受賞。NHKのスポーツキャスターとしても活躍。95年5月29日没。著書多数。傑作選に『江夏の21球』『衣笠祥男 最後のシーズン』(いずれも角川新書)。

「2020年 『たった一人のオリンピック』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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