風塵乱舞 (角川文庫 た 14-6 アルスラーン戦記 6)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041665060

作品紹介・あらすじ

パルス暦321年7月末、大気は乾き、風が強い。大陸公路は風塵の乱舞するなかにあった。国王アンドラゴラス三世ひきいるパルス軍十万と、ギスカール公爵ひきいるルシタニア軍二十五万は王都エクバターナの東方で正面から激突した。又、このとき、南部海岸地帯の町ギランから急速度で北上した王太子アルスラーンの軍二万五千は王都の南方250キロの距離にあり、王都の西方80キロの地点にはヒルメス王子の軍三万が潜んでいた。パルスの支配権をめぐる総ての軍勢が、王都に向けて、突き進みつつある。

感想・レビュー・書評

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  • 1989(平成元)年発行、角川書店の角川文庫。過去の歴史にありそうな世界観を舞台にしたものは、どうも気になる点が多すぎる。貧乏国な設定のルシタニアは特に。十字軍がモチーフというが歴史上のは聖地奪還という大義名分があり、だからこそ支配地とはあまり関係ない国王や貴族まで熱狂的に参加したのだし。ルシタニアは貧乏国なのに兵士数が多く、指導部に目的もなく奪略だけで帰らない変な方針、と見えてしまうのだが。

    あとがき:1989年8月、編者拝

  • 最終的に強い軍は食糧と金。
    一時強くても飢えれば崩壊だからね。

    劉邦の蕭何
    孔明の李平(厳)

    王太子さん、ええとこ抑えました。

  • [自宅]

    なんと懐かしい!
    図書館で銀英伝の特集コーナーを見つけ、久しぶりに懐かしいと思い読もうと思ったが、、、、"黎明伝"などよくわからない副題?副シリーズ?にどの順に読めばいいのかがよく分からず調べてから読み直そうと断念。

    でもそのきっかけで、昔懐かし小中時代に読み漁った田中芳樹シリーズのうち、まずはアルスラーン戦記から読み直そうと読み始めてみた。

    このシリーズは昔読んだ「角川文庫」シリーズ。この天野喜孝さんの絵にもハマったんだよな。菊池秀幸さんの「吸血鬼ハンターD」の挿絵もそうで、どちらが先だったかわからないけど、きっと天野さん繋がりでどちらかも読み始めたはず。

    こうして本来のシリーズに加えて、"出版社名"などのシリーズを意識しなくてはならないのは、30年という時の流れのせい。どうやら自分の知るこのシリーズから、途中紆余曲折を経て、光文社にて完結していたらしい。しかもその移籍先の光文社でも、「カッパ・ノベルス」シリーズと「光文社文庫」シリーズがあり、前者は角川からの乗換時にあたって再版となる従来の10巻を2巻づつまとめ、新刊となる11巻からは単刊とした丹野忍さんによる挿絵のシリーズで、後者は恐らくは完結が見えて来た?2012年から、山田章博さんの挿絵によって全て単刊発行されたもの。

    実際今回読んでいるのは10巻までは「カッパ・ノベルス」で、11巻からは期せずして「光文社文庫」シリーズ。とりあえずストーリーを読みたいから挿絵は我慢するけれど、やはり本当なら天野さんか、まだ世界観の近い丹野さんのイラストで全巻読み通したかったな。

  • 感想はこちらにてひとまとめ。
    https://booklog.jp/users/ohsui/archives/1/4334767605

  • 居ましたねヒルメス!最初は憎たらしかったんですが、どこか同情の余地があります。

  • 20190428 再々読?読了

    覚書
    第一章 陸の都と水の都と
    第二章 南海の秘宝
    第三章 列王の災難
    第四章 虹の都
    第五章 風塵乱舞

  • ナルサスの智略は底知れない。
    ほぼ手ぶらに近いアルスラーンに、多数の味方と財力をつけるだけでは飽き足らず、ペシャワール城に残らざるを得なかったキシュワードにまで策を授けていったのだから。
    しかも、その作戦を王が採用した場合としなかった場合についてまで、つまり先の先まで考えてある。

    だからこそ、地図をつけて欲しいんだよなあ。
    ナルサスがパルス全土と周辺地域の地理を熟知しているから立てられる作戦を、文章だけで理解するのはちと辛い。
    北方水滸にだって、国全体の地図がついているのだから、やっぱりアルスラーン戦記にも地図は欲しかったよなあ。

    アルスラーンの部下がそろいもそろってすぐれた武人で、ナルサスが圧倒的に博識で論理的で人道的なので目立たないが、アルスラーンはバランスよく優れた人物に育ちつつある。
    人の痛みに気づけるのは、彼が王宮の外で育ったからだけではない。
    彼が本来持つ資質の故だ。
    だって、成り上がりの、いけ好かないやつになっている可能性だってあったのだから。

    少年の時の清廉な気持ちを忘れ去った大人として、ナルサスの親友だったシャガードが出てくる。
    これは、アルスラーンはそういう大人にはならないという表明なのだろう。
    第1部完まで残すところあと1巻というところで宝探しですか、アルスラーン!?と思ったが、そういうことだったのだ。

    ところで、アルスラーンの周辺には謙譲の美徳を持ち合わせている人が一人もいないけど、それはパルス人の国民性なのか?

  •  事実上の追放下の中、臥薪嘗胆、捲土重来を期し、アルスラーン一行は海の街へ。少し出来過ぎの感はあるけれど、でもやっぱり面白いな。幻想譚、政治物語、肉親間の骨肉の争い、そして、少年を助け成長を促す賢勇の青年たち。一癖も二癖もある愉快な仲間たち。そして、ワクワクする肉弾戦の描写。男の子の憧れる要素が詰まった痛快ファンタジー小説の名に恥じない。沈没船とか財宝とか来りゃね…。◇そこで思うのは、女の子、女性が読んだらどう思うのかな、ということですね。

  • 総勢8名による、豊かな南方の交易都市での再出発編。

  • 「風塵乱舞」アルスラーン戦記6

    父王によって追放されてしまったアルスラーン一行。

    10万の兵を持っていたのについてきたのは僅か7名の勇士達。

    南へ進軍しその国を統治し、人々から心配されたアルスラーン何万もの心配おける部下達を連れて再び王都へ!

    いよいよ次で第1章終わり!無事に王都奪還して出生の秘密もわかるのかな?

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著者プロフィール

1952年熊本県生まれ。学習院大学大学院修了。1978年「緑の草原に……」で幻影城新人賞を受賞しデビュー。1988年『銀河英雄伝説』で第19回星雲賞(日本長編部門)を受賞。2006年『ラインの虜囚』で第22回うつのみやこども賞を受賞した。壮大なスケールと緻密な構成で、『薬師寺涼子の怪奇事件簿』『創竜伝』『アルスラーン戦記』など大人気シリーズを多数執筆している。本書ほか、『岳飛伝』『新・水滸後伝』『天竺熱風録』などの中国歴史小説も絶大な支持を得ている。

「2023年 『残照』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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