天使の牙(下) (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
3.68
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感想 : 55
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  • Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041671160

作品紹介・あらすじ

新型麻薬の元締め〈クライン〉の独裁者の愛人はつみが警察に保護を求めてきた。護衛を任された女刑事・明日香ははつみと接触するが、銃撃を受け瀕死の重体に。そのとき奇跡は二人を”アスカ”に変えた!

感想・レビュー・書評

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  • SF設定が入ってるけど論理的説明なしの小説が好きになったのは此の作品に巡り合ったからでした。
    物凄く強引な設定で超絶美人とガテン系女子の脳が入れ替わる。しかも美人だけ生き残るという超絶ご都合主義的展開。それなのに無茶苦茶面白い。
    アスカと仁王の最強ペア、それが美女と野獣の話にすり替わり、敵アジトに乗り込んでたった二人で敵組織を壊滅させる。ダイハードも真っ青な展開。
    しかも仁王の渾名はターミネーターだ。
    どんだけヒットした映画のいいとこ取りなんだと思うけど、面白ければ全て許される。
    再読して気付いたんだけど21年も前の作品。
    続編はやや小粒だったから「帰去来」は嬉しかったな。
    また書いて!お願いします!

  • 評価は4.

    内容(BOOKデーターベースより)
    犯罪組織「クライン」の独裁者君国の愛人はつみの身体と、女刑事明日香の精神を持つアスカは、己だけを信じて決死の囮を演じていた。組織は警察内部の通報者を使い、次々と殺戮の罠を仕掛けてくる。アスカを守るのは、明日香の元恋人・仁王こと古芳ひとり。だが、古芳はアスカの精神が明日香であることを知らない。一方、アスカは古芳が組織の内通者である疑いを捨てきれない。不協和音が生じた二人にさらなる刺客が…!!息もつかせぬアクション、巧みな構成、想像を絶する展開。感動と興奮を呼ぶエンターテインメントの真髄。

    仕方ないとは言え・・・人死にすぎだし。組の若いモンにも親兄弟いるだろうにあっけなさ過ぎ。しかも、協力したが為に一家全滅とか。
    そこまでして手に入れたい程の女が世の中いるもんだろうか?

  • この着想は面白い。脳の移植でパワー系の女刑事がヤクザの美女の愛人になってしまう。
    様々な感想に、現代の医学でもありえない、とコメントしている方がいらっしゃいますが、私は現代で書けないことを小説にして楽しませることはとても良いことだと思っている。
    このありえない荒唐無稽の話がなんとも気持ちを高ぶらせてくれた。さらにありえない凄まじい抗争。こんなの現代で起ったらテロでも片付けられない。またそれが大沢在昌の真骨頂なのだろう。

  • あらすじ
    新型麻薬の元締め〈クライン〉の独裁者の愛人はつみが警察に保護を求めてきた。護衛を任された女刑事・明日香ははつみと接触するが、銃撃を受け瀕死の重体に。そのとき奇跡は二人を”アスカ”に変えた!

  • 仁王と行動をはじめたアスカ。自分の正体を告げることなく、神、君国との戦いが激化していく。
    敵方は神の方がキャラが濃く、君国がただのヘタレとかしていた。メンタル弱っ!アスカの思った以上の簡単暴露に早っ、と思ったが、君国のメンタルが弱いおかげで上手くいったようなもの。金村と仁王のペアは格好良かったので、予定調和とはいえ、金村の死は残念だった。

  • 仁王の幼馴染み金村が出て来てから、物語に深さが増した感じ。悲しい部分だったけど。。闘う場面が、とてもスピーディーでハラハラした。姿が変わった恋人、明日香にまた寄り添う仁王で良かった。君国は、ちょっと……少女コミック気味で引いたかも。上巻では、なかなか入り込めなかったけど、下巻は読みごたえあった。脇役の金村がカッコいい!

  • 上巻に同じ

  • 作者が「読み始めたら止まらない物語、をめざしたこの作品は…」としているように、思わずドはまり。ロッカー室で上巻を読み終えたら続きが気になって気になって、帰宅後ごはんも食べずに下巻を一気読みしてしまった。こんなん初めて。
    ”ハードボイルド作家”のイメージが強かったから避けてたんだけど、これはそんなテイストじゃなく、でも緊迫感もバリバリで面白かった!
    ぜひ映画として見てみたい。
    ではここまで褒めといて、なぜ4つ星なのかというと、割合ベタな感じがするから?けど発表されたのが10年以上前ってことを考えるとスゴイかも。

  • 明日香の恋人だった古芳は、たった一人で愛人はつみの身柄確保の特命に着く。だが、君国の組織の内通者であるとの噂もある。
    この闘争の中、どんどんと人が殺されていく。警察官同士の殺し合いも出てくる。
    古芳とはつみの運命は如何に!

    手に汗握るスリリングな展開に、読む手が止まらなくなる。

    2016.12.28

  • 脳移植というトンデモ設定ながら、骨太のハードボイルドに仕上がっているのはさすが。続編も読むしかない。

  • ちょびちょび読んだ。

  • 二人の女性の能と身体が一つになる、とんでもない設定でストーリーが展開されるが、相変わらずなハードボイルドな世界観で面白みはあるが、いかんせん現実離れしているところが残念。

  • 麻薬組織王の愛人・はつみを護衛することになった女刑事・明日香。だが2人は何者かによって射殺されてしまう。最新技術を使って,明日香はその脳をはつみの体に埋め込まれて蘇生。2人を殺した犯人たちを追い詰めていくことになるのだが…。
    設定は面白いが,(アルバイト探偵とかに比べて)いまいち弾けきれていないのと,アスカが脳みそ筋肉すぎるのが残念。

  • 犯罪組織「クライン」の独裁者君国の愛人はつみの身体と、女刑事明日香の精神を持つアスカは、己だけを信じて決死の囮を演じていた。
    組織は警察内部の通報者を使い、次々と殺戮の罠を仕掛けてくる。
    アスカを守るのは、明日香の元恋人・仁王こと古芳ひとり。
    だが、古芳はアスカの精神が明日香であることを知らない。
    一方、アスカは古芳が組織の内通者である疑いを捨てきれない。
    不協和音が生じた二人にさらなる刺客が…!!

  • 普段読まないハードボイルド…。
    絶え間なく激しいアクションが続きテンポが良いのでスラスラ読めます。
    ただ女刑事、明日香の気持ちにはあまり寄り添えませんでした。
    最後はスカッとさせてくれるので☆四つ。正義は勝つ!って感じ。

  • 金村の家族まで死ぬのはホントに切ないが必然といえば必然…か。単なるアクションだけでない深さがありますな

  • 岩盤浴で借りた本。この作者も知ってはいたけど読むのは初めてかも。
    ハードボイルドを書く人かと思っていたら、こういう息もつかせぬエンターテインメントも書くんだね。
    一気に読みました。

  • こんなことがあり得るのだなと。
    終わり方は、ハッピーエンドになるのですきです。

  • 私は余り好まない
    大沢氏ですが、コレはエンターテイメント系
    ハードボイルド(?)として完成されてます。
    ヨメとしては『新宿鮫』シリーズより好きです。

    『脳髄移植』という人体実験紛いの手術をされ、
    超美人の外見を持つ事になってしまった、
    刑事アスカ。

    設定は安易ですが、人物描写が細かい事、
    構成が丁寧に考えられているので
    楽しく読めます。

    続編の『天使の爪』も面白いです。

    映画ではアスカ役を米倉涼子さんが演じたみたいですね。
    イメージど真ん中。

  • ラストがあっけないというか、なんというか。ラスト直前まではすごくよかったのに、残念。

  • 2008年01月21日 01:31

    ハードボイルドという苦手分野に挑戦してみたけど、意外にも読める。読む手をとめさせないスピード感がある。

    大沢在昌は和製レイモンドチャンドラーとも言われていると後で知ったけれど、確かに現代の中では王道ハードボイルドの名手だとは思う。北方謙三と文通しているとか。

    個人的に精神が残った方のヒロインはちょっと考え方が子どもすぎる気がして好きになれなかった。

    ちなみに映画化は失敗だったと思います。

  • 息をもつかせぬ展開と緊迫感のあるアクションシーン(ラストの襲撃シーンの迫力はすごすぎる!)。久々に面白いサスペンスアクションを読んだ。SF的設定も生きている。M女史より。

  • 正義は勝つと信じる方にはオススメです(笑)

  • 一気に読み終わった。

    ある種の小説は読んだあとに哲学的な満足感や、洗練された感動が味わえるけれど、この小説は違います。

    読んだ後に何かを学んだとか胸が震えたとかではなく、ただ純粋に面白かったと言える本は案外少ないものだと思います。

    いや〜、面白かった。

  • 親近感湧いた。
    人間、やはり中身だと確認。

  • 「自分の傲慢を知った。弱者に対する思いあがりを感じた。」

    今まで当たり前に持っていた肉体を失って、代わりに得たものは、美しいけれど脆弱な肉体。
    元々の『河野明日香』としては、決して必要のないもの。

    そうなって初めて自分が「恵まれていた」ことに気付く。
    このアスカの述懐は結構痛かったなぁと思います。
    それに今自分の傍にいるのは、かつて最愛だった恋人。
    そしてもしかしたら自分を裏切っていたかもしれない男。

    その中でも戦おうとするアスカの強さが眩しい。

    が。
    個人的には好きになれないタイプの人なんですよね、『河野明日香』って。
    『神崎はつみ』はまだ理解できる範疇にいるんですけど。

    仁王は結構ヘタレてますが、かっこいい。
    『はつみ』に対して冷たくすればするほど、『明日香』への想いの強さを知ることが出来るし、『はつみ』に惹かれれば惹かれるほど、結局『明日香』が好きなんだなぁとすべてを知っている読者としては思うわけです。
    一途な仁王が素敵。

  • ある事件がきっかけで女刑事明日香の脳・心が、巨大犯罪組織のボスの愛人はつみの肉体の中に入ってしまい、アスカとして明日香の時の相棒であり恋人の仁王と共に犯罪組織を根絶する話。

    テンポが早くてどんどんページをめくってしまった。警察と犯罪組織の抗争の話だが、スピード感のある描写は凄かった。他人の肉体に心だけ入るという奇妙な話だが、実際に自分がその立場になったらすぐ死にたくなりそう。

    まあとにかく面白かった!続編的な「天使の爪」があるらしいのでさっそく買って読みたいと思う。

  • あらすじ☆

    犯罪組織(クライン)の君国の愛人はつみの身体と、女刑事 明日香の精神を持つアスカは己だけを信じて決死の囮を演じていた。
    組織は警察内部の通報を使い、次々と殺戮の罠。を仕掛けてくる。
    アスカを守るのは 明日香の元恋人 古芳ひとり。 だが古芳はアスカの精神が明日香である事をしらない。
    一方、アスカは古芳が組織の内通者である疑いを捨てきれない。
    すれちがう2人にさらなる刺客が、、、、、!!!


    殺 殺 殺 殺、、、物語りの一つ、一つが想像できて、リアリティー( ; ; )。。
    怖いけど、警察も悪者。信じられるのは自分しかいないって事が、また恐怖心をそそる。

    終わり方すっきり!!!

  • (レビューは上巻の続きです。)


    文庫で上下巻になるだけあって正直長いのですが、テンポがかなりいい(もちろん緊迫の、いい意味で息の詰まる「間」もありますが)ためページをめくる手が止まらなくなります。

    信じられるのは自分だけ。
    限りなくそれに近い事態に、アイデンティティすら保ちがたい、世界でも例のない脳移植手術を受けたアスカが挑む。
    姿が違うため、自分をかつての自分だと認識する者がいない。
    かつて出来たことが今の体では出来ない。力でねじ伏せることも、長く走ることすらも。
    そんな状態で、そしてかつてこの体で生きていた「はつみ」として認識された状態を利用して、無事に警察内部の腐敗を暴く…ことができるのか?!

    先の読みづらい展開がまた、途中でしおりを挟むことに抵抗を覚えさせるんですよね。
    何度読み返しても楽しめるいい作品です。


    同じアスカと仁王のコンビで「天使の爪」という作品もありますが、そちらは少なくとも仁王との間の信頼関係はしっかりしているので、こちらの方がよりスリリングさが勝っています。
    もちろん爪は爪の良さがありますけどね。

    爪の話はまた、いずれ。
    天使の爪レビューを書く機会があれば触れたいと思います。

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著者プロフィール

1956年愛知県名古屋市生まれ。慶応義塾大学中退。1979年に小説推理新人賞を「感傷の街角」で受賞しデビュー。1986年「深夜曲馬団」で日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞、1991年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編部門受賞。1994年には『無間人形 新宿鮫IV』直木賞を受賞した。2001年『心では重すぎる』で日本冒険小説協会大賞、2002年『闇先案内人』で日本冒険小説協会大賞を連続受賞。2004年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞受賞。2010年には日本ミステリー文学大賞受賞。2014年『海と月の迷路』で吉川英治文学賞を受賞、2022年には紫綬褒章を受章した。


「2023年 『悪魔には悪魔を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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