眠たい奴ら (角川文庫 お 13-18)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (684ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041671184

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  • カミソリの高見といわれたヤクザは、
    30億円の借金をつくり リフレッシュ休暇をとる。
    気質の稲垣の旅館に泊まる。
    その旅館のある街は、何の特徴もないが、
    観光協会と 宗教法人の対立が 続いていた。

    高見は 東京で見かけた とびっきりの美人に
    一目惚れしたが、その街に その美人は いたのだ。
    宗教法人の教祖の 妻であり 一児の母だった。
    それでも、高見は その女に惚れて 守ろうとするのだ。

    ところが 西から 極道が 宗教法人の教祖がガンで、
    その跡取り騒動で その息子を支配下にしようとする。
    東京の極道と 西の極道の激突の必死な時に
    わらじのような顔をした 刑事 月岡が 登場する。
    月岡も その女に惚れてしまう。
    カミソリの高見と 一匹狼の月岡が 因縁で 
    面当てをする。
    極道が極道らしくなく 道を説き、
    刑事が刑事らしくなく 極道する。
    大沢在昌らしい 作品で、この美女が どんなイメージなのか?
    不思議と 興味を持てる 長編作品。
    あっという間に 読ませてしまう 大沢在昌の編集力。

  • 東京のやくざと大阪の刑事コンビで、「宗教」「観光産業」「警察」「やくざ」が絡み合い、その巨大な悪に立ち向かう長篇ハードボイルド。

  • なぜか、大沢在昌の作品のなかでも、印象に残る作品。たぶん、シリーズにもなってないし、探偵ものでもないのだけど、これがなぜか、ぼくにとっての大沢ベスト。おそらく、女のひとがいいんだと思う。宗教家の元妻で、子持ち。なんか、それだけで、ゾクゾクする。しかも、水商売の女。

  • ヤクザが、惚れた女のために、そして巨大な悪に立ち向かうため闘いが始まる。

  • 極道の高見と刑事の月岡が、それぞれの思惑を持って温泉街をめぐる陰謀にかかわっていく。
    テンポよく話が進んでいくので、ハラハラしっぱなしだった。高見と月岡の掛け合いが面白い。

  • 組に多額の借金を背負わせ命を狙われたため、(多分)関西の温泉地に身を潜めたやくざが、主人公。

    地元の後輩に連れられて行ったバーのママに一目惚れしてしまい、人助けと思っているうちに、観光協会・宗教法人・政治家らの権力争いに巻き込まれてしまう。

    眠たいとは大阪弁で「ふざけた」という意味があるらしく、そのように表題を理解したほうがわかりやすい。

  • 高見さんが心配だわ。(笑)

  • 東京の経済やくざ(ちょっと落ち目)と関西の警察官(同僚から嫌われてる?)が、観光と宗教法人ぐらいしかないある地方の街で繰り広げるお話。
    すいすい読める。お話も面白くて飽きなかった。
    最後はちょっと詰め込みすぎの感もある。ちょっとどたばたしたかな。カーテンコールじゃないんだからみんなまとめて登場しなくてもよいでしょう。

    大沢在昌ファンなら納得して読める本。

  • 2008年までの発行の大沢在昌作品中、第5位の作品です<br>
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    片田舎を舞台にしたヤクザの抗争をメインに描いた作品なのですが、なんともキャラクター達がかっこいい!<br>
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    かっちかちのハードボイルドで描かれる男たちの描写にもう私はメロメロの骨抜き状態でした
    <br>
    <br>
    今読んでも、全く色あせていない作品です!

  • やくざ・高見と刑事・月岡のやりとりがいい。やくざと刑事、東と西、標準語と関西弁。対照的なふたりの関係が少しずつ変化していくのも面白い。

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著者プロフィール

1956年愛知県名古屋市生まれ。慶応義塾大学中退。1979年に小説推理新人賞を「感傷の街角」で受賞しデビュー。1986年「深夜曲馬団」で日本冒険小説協会大賞最優秀短編賞、1991年『新宿鮫』で吉川英治文学新人賞と日本推理作家協会賞長編部門受賞。1994年には『無間人形 新宿鮫IV』直木賞を受賞した。2001年『心では重すぎる』で日本冒険小説協会大賞、2002年『闇先案内人』で日本冒険小説協会大賞を連続受賞。2004年『パンドラ・アイランド』で柴田錬三郎賞受賞。2010年には日本ミステリー文学大賞受賞。2014年『海と月の迷路』で吉川英治文学賞を受賞、2022年には紫綬褒章を受章した。


「2023年 『悪魔には悪魔を』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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