君のそばで会おう (角川文庫 き 9-7)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (126ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041673072

作品紹介・あらすじ

私が、生きていく上で注意していることがあるとすれば、それは好きなものを好きでいることができるように生きているということです。いつでもその時好きと思うものに対して何の障害もなく好きでいられるように、自分の気持ちを邪魔するかもしれないものを無限の未来を縛るおそれがあるものを、心や環境の中に存在させないようにしています。

感想・レビュー・書評

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  • 学生時代の迷っている自分に出会える一冊

  • またすぐに会えるよ、寒がりな私の手を貴方の手があたため優しく撫でる頃、私の瞳は光を失くす。陽が沈んでいくだけで哀しくなってしまうほどに私は貴方が好きなのだと知りました。だからこぼれ落ちる吐息ばかりを掬い取りながら空を見上げ、月が綺麗だね、と呟いた。言葉も慰めも理解も涙も何も救いにならないとき、ただ力強く抱きしめていてくれるだけでいいのだと求めていた。このまま何処へも消えてしまえぬように。迷って悩んで、最後の最後に心が気が付いたとき、辿り着けばいい。君のそばへ。

  • 楽しすぎたことが終わってしまったあと、この詩のフレーズがいつも浮かぶ。

    入場券をこまかくちぎって
    ふん水のふちに並べた
    現実はすぎてしまえば思い出だもの
    さっきのことはもう今はこころの中にしかない

  • 母親が昔読んでいた本を整理した際に掘り起こされた詩集。タイトルに惹かれて読んでみたけれど、母親がこれを読んでいて、捨てずに取っておいたことになんだか不思議な感覚。しかし私も今なお捨てずに取っておいているのが、やっぱり不思議な感覚。大切な気持ちも書いていれば、主観的でわからない気持ちも書いていて、そこがまた苦しくもあり美しくもある。
    その感情を母も感じていたのかと想像してみると、またそれも苦しくもあり美しくもあって。
    いつか2人で感想を言い合えたらなと思っているけれど、まだ恥ずかしくてそうはいかない。

    あらすじの言葉が私はとても好きで、重要であり、芯でもある。そんな気がしています。

    古書を掘り起こしてなんとなく出会えたという運命としても、私がソレを読み進めた運命としても、どこか汚れのない大切な意味を感じてずっと大事に持っている、一冊。

  • 初の銀色夏生。素敵だなぁと思う表現もあったが、ウルフを読み終わった後だからかどうも全体的に薄味に感じてしまった。

  • この本とか『あの空は夏の中』とかたぶん中学生くらいの青い私は繰り返し読んでました。何より懐かしい気分を思い出させてくれる読みものかもしれない。今考えると、ちょっと滑稽ででも可愛いなと。

    ちょっとしたフレーズを急に思い出して、無性に触れたくなりました。

    捨ててはないはず。。
    家のどこかに絶対にあるから、探そ。

  • 詩を書くことに
    一時期、凝った時がありました。
    その当時、購入したのが この本。

    写真と、「銀色夏生」って名前が気に入って。

    友達と書いた交換日記や
    写真と一緒に、この本も残っています。
    葉脈標本の自作のしおりと共に。

  • 好きな漫画家さんの影響で
    詩集を読んでみようと思った。

    その漫画家さんが出した詩人が
    銀色夏生さんだった。

    初めて読んだ詩集。
    あまりしっくりこないものもあれば、
    ぐっとくる言葉達もいた。

    読んでみて気づいたが、
    詩集って育児中にもってこいだな。
    隙間時間でちょっと読める。
    なんなら子の寝かしつけに朗読するのもあり。
    寝てくれました。

    様々な場所を切り取った写真は
    引きこもりの心を揺らしてくれました。

    また詩を読もうとも思います。

  • 0.50 予約済

  • 高校生当時好きな先輩から「良いよ」と綺麗な小冊子の「君のそばで会おう」を渡されて読んだ。今まで比ゆ的に表現されてる詩を目にする機会が多い中、コトバは直接的であり間接的でもあり比ゆ的でもあり幻想的な空間である「銀色夏生」に衝撃を受けた覚えがある。1か月程して返した「君のそばで会おう」はコンビニの人気週刊誌の先頭のようになっていて新しいモノを買って返した記憶がある。
    今見ても色褪せない独特の表現方法に、自分の中では改めて著者の鬼才ぶりを認識させられたといえる小冊子のひとつ。

  • #129

  • 手放してしまったが、20代前半くらいによく読み返していた。

  • 写真と詩が、すばらしくマッチしているとき、
    読みながら、想像がふくらんで
    想いも深いところに届く気がする。

    なので、写真の上にのせられた文字が
    写真の色にかくれてしまい
    読みづらいとき、
    言葉の世界に集中できなくて
    心が離れてしまう。

    観て、読んで、感じられる詩集だけに
    惜しまれた。

  • 恋する切なさと苦しさ、人を思う強さが伝わってきました。好きなものを好きでいることは簡単なようで難しい、でもそう言える生き方をしたいなと思いました。

  • 僕たちの時間は僕のものでも あなたのものでもなくて 恋のものだ
    その恋を失った時に 僕の中で失ってしまう時間というものを覚悟しなければ
    今 あなたの口からこぼれる愛の誓いにも約束にも
    いさぎよく身を投じることができない

    初版は昭和63年か。切ない気持ちは今も昔も同じ。

  • 銀色夏生の詩集。エッセイはあっけらかんとして独特だけど、詩に関しては、貫かれている確固たる芯のようなものが確かにあるし、すごくガツンと伝わりやすい。片思いとか別れのものばかりだけど、確かに人間が一番詩的になるのはそういうときかもしれない。

  • おそらく銀色夏生さんの作品で一番最初に手に取った一冊。
    最初、会うのにそばにいないの?と思った記憶が…そんな学生時代から社会人となり数年が過ぎた今、なんとなくこのタイトルの意味がわかる気がします…。

  • 「君のそばで会おう」

    終ってしまった恋がある
    これから始まる恋がある
    だけど
    僕たちの恋は決して終りはしない
    なぜなら
    終らせないと僕が決めたから

    自信をもって言えることは
    この気持ちが本当だということ

    いろんなところへ行ってきて
    いろんな夢を見ておいで
    そして最後に
    君のそばで会おう






    綺麗な写真が印象的。
    写真集みたいな詩集。
    きらっきらした写真に惹かれます。
    ノスタルジックで、優しい写真たち。

    詩より写真に惹かれてしまいました。

  • 中学生の頃からずっと読んでる

  • 写真とコトバ、両方が優しくて、切ない。
    高校生くらいに 何度も読見返していたな。

  • 君のそばで会おう 素敵な詩だった…涙 誰かを想う詩たち

  • いろんなところへ行ってきて
    いろんな夢を見ておいで
    そして最後に
    君のそばで会おう
    --------------------
    この最後の詩を読んだとき、なんだか心がざわついて泣きたい気持ちになりました。
    胸がぎゅーっと締め付けられるような、そんな感じ。
    恋した時の楽しくて幸せで、でも切なくて苦しい気持ちがとても伝わってきました。
    『晴れた日は川へ行って』の最後の5行も好き。
    ちょっともやがかかったような写真も、この詩集にぴったりです。

  • どうしようもない感情に、名前をつけてくれる。
    言葉たちに、心が救われる。

  • きれいだった。すっと入ってきて、ずっと残る。
    忘れられない人を想う時間をくれた。
    最後の詞がいちばん好き。
    他の作品も読んでみたい。

  • 普段開けない古い本が入ってる棚を何気に開けたら出てきました。20年以上もの間、幾度とない蔵書整理を生き残ってる、青春の遺産です(^^)

  • 確か小学生の頃に読んだ本。
    今更、読み直してみたくなって実家の本棚からわざわざ送ってもらいました。
    銀色夏生さんの空気が澄んだ感じのする世界観が好きでした。
    小学生の時になんだか恥ずかしくてチラチラ見て確信に触れなかったような気がします。

  • 銀色夏生らしい写真詩集。海と空の写真がきれい。52-53ページの空と56,57ページの海が印象的。124ページ「雨にぬれて本当のことを言ってしまおう」が好き。

  • これも今から20年前の愛読書。久しぶりに読みました。

    表紙の見返しに書いてある文章と「恋する少女を力づける言葉」に、凛としたものを感じました。こういう銀色作品が好きです。

  • 確か中学生の時に、買った本。20年経っても未だに持っている。

    当時詩を読んだ時はなんだか気恥ずかしくて、写真ばかり見ていた気がする。

  • 君のそばで会おう

    ですよ。
    素敵。
    この一冊は恋が多くて、鋭さがあって、ビャドゥ島があって、
    素敵な写真も多くて、中でもお気に入りの一冊。

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著者プロフィール

詩人・エッセイスト。作詞家としてデビュー。その後、詩人として数々のロングセラー詩集を発表。エッセイ・シリーズ「つれづれノート」が好評を得る。

「2023年 『退屈ピカリ つれづれノート43』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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