第3の人生の始まり つれづれノート(15) (角川文庫 き 9-69)

著者 :
  • 角川グループパブリッシング
3.67
  • (22)
  • (22)
  • (55)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 281
感想 : 22
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (524ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041673713

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • ついに復活『つれづれノート』!
    電車の中吊り広告に見つけたその足で本屋へ買いに走った。

    全体的に自分の世界への説明というか言い訳?が多いような気がしたが、久しぶりのつれづれなので新しい読者も居るかもしれないし、これは親切設計と取ったほうが良いのか、ちょっと複雑。

    あと最後のほうにいきなり出てくる仲良しグループの活動みたいのもここに載せなくても…というのが正直な感想。
    なにかの冗談かと思った。
    でもそこでの会話の内容はすげー共感できた。悪気がないのに根は性悪な、たちの悪い人について。私もこの手の人にすごく悩んでいるから。

    一人の人の人生をこんなに長いスパンで見せていただいて、それから時々ヒントをいただいて、心からありがたい。
    この本も又いままでのつれづれと同じように何回も読み直そう。

  • つれづれシリーズが好きです。以前の銀色さんもこれからの銀色さんもじっと見ていきたいと思います。いちファンとして。感じたことをできるだけ透明に表すということの、大切さ。教えて頂きました

  • 銀色さんのエッセイ。ハマって読んでます。
    読んでない分3冊があって、ボリュームがすごいからあと1冊読めば追いつけたんだけど、1冊はまたしばらくしてから読もうかなと思います。

    P41
    私は、どこかに根付くという感覚がとても苦手で、そうなると息が苦しくなり、そうなりそうになったらもうそこから離れたくなる。その期間はだいたい2年から3年ぐらい。今回、それがよくわかったから、これからはもうそれを考慮にいれて暮らすことにする。私はいつでもどこかへ動ける、いつもすこしずつ何かが動いているという状況でないと苦しくなるみたいだ。束縛されたように感じるのかも。

    P93
    目先の欲に目がくらんで誠意や思いやりを失くす人は、リピーターがこないからやがてその人の仕事はうまくいかなくなる。誠実な仕事をするいい人は、最初の利益は薄いかもしれないけど、誠意が伝わって、それ以降の仕事に結びつく。そして長い間にはその差は歴然となる。仕事がうまくいく人と、いかない人の差はこういうところから生じる。人が関わる仕事はすべて人間関係が基本だ。お金や自分の正しさや自己主張など自分だけを大事にしすぎると仕事もうまくいかなくなるのに、それがわかってなくて、損しないように損しないようにとばっかり考えて、もっと大きなものをみすみす逃してる人は多い。長い目でみたら、知り合えたこと、関係をもてたことが、それだけで利益なのに。儲けはその後に一緒に出していけばいい。いいものや素敵なものに人は集まるし、それを人は欲しがる。お金持ちになりたければ、いや、満足した生き方をしたければ、素敵で綺麗な、思いやりのある仕事の仕方をし続ければいい。必ず、結果はあらわれる。その頃にはお金に対する考え方も変わっているはずだ。

    P164
    嫌でも離れられないところにずっと長くいると、だんだん嫌なことの中のよさに気づいたり、嫌だと思った人のいいところを知ったりするようになる。私は大学の時に4人部屋の寮に2年間暮らして、すごくいい経験だったと思うけど、長くいてわかるよさというのがあるということを知った。人でもなんでも。嫌だからってすぐに離れてたら、それはわからなかっただろう。最初嫌だなと思ってた人のよさを知ったのが1年後だったり2年後だったり数年後だったりしたことがあって、それだけの時間かけて、わかることがあるんだと思った。長い間気が合わないと思い続けながらも長年連れ添ってるご夫婦なんかは、そこにしかない何かが生まれてるんだろうなと思う。動けない時こそ、ひとつのことをじっくりと考えられる。

    P188
    自分が辛い時、弱っている時に、どういうふうに接してくれたかで、友だちとの関係がひとつ明らかになる。励ましでも注意でもお叱りでも、なんでもいいんだけど、ただでさえダウンしている時に、言われてますます暗い気持ちになるようなことを言われると、やはりその人からはだんだん離れてしまう。前はこうじゃなかったのに、前はこの人の言葉が救いになってたのに、どうして今は逆なんだろうと、自分でも不思議だけど、何度会っても嫌なことを言われる。前はこの人の考え方が好きだったのに、今は違う。どうしてだろう?私が変わったのか、わからない。私がいけないのだろうか。でも、でも、何度会っても同じような気持ちにさせられる。いったいなぜなのかわらからないから、しばらく離れていよう。そうすればやがてはっきりするだろう。すごくネガティブで、嫌な気持ちにさせられるようなことを言い始めた、かつての友だち。私も言ってるのかな?気をつけたい。

    ※非公開めもあり。(めっちゃ重要なやつとか)

    P227
    この人と一緒にいる時の自分は嫌いだ、ってことはないだろうか。なんだか自分らしくない。自分らしくできない。居心地が悪い。妙に沈む、妙にテンションがあがる、妙にぐちっぽくなる。そういういつもと違う自分になってしまうのは、その人にひきずられているからだ。その人のパワーや流れに巻き込まれてる。そういう人とは合わないんだろう。逆にこの人といると楽しい、わくわくする、妙に気分がよくなるという人もいる。できるだけそういう人といる時間を多くして、合わない人との時間は少なくしたい。前はよかったのに、今は違うということもよくある。それはお互いの流れや方向性がズレてきたからだ。その時に無理に合わせようとしないで、素直に自分の気持ちに従うことが大事だと思う。それは自分にとってだけではなくて、相手にとってもほっとすることだろうと思う。

    P320
    しばらく会ってないと話が合わなくなるって書いたけど、そうなる人とならない人がいるのはなぜだろう。ならない人は柔軟に今の私を見て今の私の話を聞いてくれてる。合わなくなる人は私の話を聞こうとするよりも自分のことを話そうとしたり、昔の私のままでいつまでも見てて、噛み合ってないような気持ちになる。その時の目の前の人そのままをちゃんと受け止めることができるか、できないかという懐の深さ、順応性の高さ、ものごとの考え方で、ブランク後の関係って変わってくるものかもしれない。ブランク後の態度でそれがはっきりするというか。

  • エッセイものには興味がなく、一度は手を離した本でしたが
    やっぱり気になって買っちゃいました。
    そしたら、結構楽しい。癖になるw
    半分は子育て生活の話で、半分は自分の考えの話
    そして+αでいろいろな隠し味がある感じ

    この人の意見に、そうそうその通りと思うところもあれば
    ん?と思うところもありますが、基本的には同じ考えの様子
    こんな日記が書ければ、もっと視聴者?も楽しいんだろうなぁと思いますね。
    やっぱり本業の人は違いますね。

  • 日々のことと考えていることがミックスされている内容なので読むのに意外と時間がかかった。早く続きが読みたい。

  • 「ごめんね。おなかすいて」なんて言われたら、少し悩んじゃうね。(笑)
    さくくんとカーカが大人になるまで、つれづれノートが続いてくれると嬉しいな。

著者プロフィール

詩人・エッセイスト。作詞家としてデビュー。その後、詩人として数々のロングセラー詩集を発表。エッセイ・シリーズ「つれづれノート」が好評を得る。

「2023年 『退屈ピカリ つれづれノート43』 で使われていた紹介文から引用しています。」

銀色夏生の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
よしもと ばなな
銀色 夏生
よしもと ばなな
村上 春樹
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×