豊かなる日々 吉田拓郎 奇跡の復活 (角川文庫 た 15-3)

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  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041687086

作品紹介・あらすじ

まさに青天の霹靂だった-。2003年3月、コンサートツアーを控えた検査入院で発見された肺腫瘍。医師から癌と告げられたその日は57歳の誕生日だった。告知から、摘出手術、そして復活。その後、吉田拓郎は、念願のフルオーケストラを率いた全国ツアーを大成功させる。その復活の軌跡を、綿密な周辺取材と、繰り返し行われたインタビューで綴った迫真のドキュメンタリー。2009年の「最後の旅」への道標ともいえる感動の1冊。

感想・レビュー・書評

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  • 2003年5月28日から7月13日までの間、全国8ケ所で吉田拓郎は11回のコンサートツアーを行う予定であった。ツアーを控え身体のチェックを行う中で、肺にガンが見つかる。4月5日にガンであるとの診断をうけ、4月9日にガンの手術を行った。幸いなことに、ガンは超早期の発見であり、肺の患部の切除箇所もすごく大きいという訳ではなかった。が、それでも、歌手にとっての肺は喉と同じく致命的に重要な場所だ。肺の機能が十分でないと、歌っている間に息が切れてしまい、歌にならない。
    予定されていたコンサートツアーは、いったんキャンセルとなったが、手術から約1ケ月後の5月6日に、新しいスケジュールが発表になった。同じく、全国8ケ所で11回のコンサートを行う。皮切りは10月19日の東京国際フォーラムでと発表された。手術後、吉田拓郎は肺の機能を回復させるための運動トレーニングを始めていたが、実際には歌える状態ではなかった。
    その後、吉田拓郎は、念願のフルオーケストラを率いた全国ツアーを大成功させる。何とか肺のリハビリが間に合ったのだ。本書は、その復活の軌跡を描いたノンフィクション。密着取材と吉田拓郎へのインタビューによって、迫力のあるノンフィクションになっている。特にツアーが始まって以降の拓郎の姿や、コンサートの様子の描写は感動的だった。

    私が吉田拓郎を最も聞いていたのは、中学校・高校時代。最近また吉田拓郎をよく聞くようになったが、聞くアルバムは、この2003年頃のものではなく、中学校・高校の頃によく聞いていたもの。「その後の吉田拓郎」は、あまり聞かなかった。また、吉田拓郎がガンの手術をしたことは知っていたが、それに関連してこのようなドラマがあったことはほとんど何も知らなかった。
    中学・高校時代以降のものを含めて、もう一度、吉田拓郎を聴き直してみようと思わせる本だった。

  • 2003年3月、検査入院で発見された肺腫瘍。
    医師から癌と告げられた、57歳の誕生日。
    告知から、復活。
    フルオーケストラを率いた全国ツアーの大成功への軌跡を追ったドキュメンタリーです。
    居酒屋拓郎のマスターも出てきました。
    改めて読んでみて、やはり感動しました。

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著者プロフィール

1946年、千葉県船橋市生まれ。1969年、タウン誌のはしりとなった『新宿プレイマップ』創刊編集者を皮切りに、「セイ!ヤング」などの放送作家、若者雑誌編集長を経て音楽評論家、ノンフィクション作家、放送作家、NACK5「J-POP TALKIN’」、FM COCOLO「J-POP LEGEND FORUM」、TOKYOFM「Kei‘s Bar」パーソナリテイー。「毎日新聞」「J-CAST ニュース」「B-PASS」など、新聞雑誌でレギュラー執筆中。日本のロック・ポップスを創世記から見続けている一人。日本放送作家協会会員。
主な著書に、『陽のあたる場所/浜田省吾ストーリー』『オン・ザ・ロードアゲイン~浜田省吾ツアーの241日』(角川書店・文庫)、『読む J- POP1945 ~ 2004』(朝日文庫)、『小説・吉田拓郎~いつも見ていた広島』(小学館)、『70 年代ノート』(毎日新聞)、『永遠のザ ・ フォーククルセダーズ~若い加藤和彦のように』(ヤマハミュージックメデイア)など多数。

「2017年 『ビートルズが教えてくれた』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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