帝都物語 11 戦争篇 (角川文庫 緑 690-11)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (267ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041690116

感想・レビュー・書評

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  • 本編は10巻で完結しており、本作は外伝といおうか本編で書ききれなかった分をまとめたものらしい。太平洋戦争末期の日本。そんななか府中に疎開中の辰宮由佳理、雪子母子が、軍の霊的秘密兵器に翻弄される。また、この兵器を巡ってはメソニック日本支部のトマーゾとの攻防も見どころだ。大谷光瑞、甘粕正彦、李香蘭という実在の人物をうまく絡めた構成だった。巻末にトマーゾの生い立ちを明かす小品が付け加えられた。これこそ外伝だな。

  • 物語の時代順から言えば5巻魔王篇の次に来るべき巻。敗戦を目前にした昭和20年の上半期、本土空襲を受ける中、霊的防衛によって起死回生を目論む人々と、戦前から帝都に巣食っていたメソニックの勢力とがぶつかり、そこへもう狂言回しとしか言えない加藤保憲が颯爽と現れる。
    この巻には甘粕正彦や大谷光瑞などの役者達が描かれるが、なんだかんだで最後全部加藤が持ってったみたいな印象を持ってしまった。

    併録のサブリミナル小説「解放されるトマーゾ」が、すごく読みやすくまとまった短編で、娯楽小説としての帝都物語とはまったく違う文学的な印象を受けた。
    この短編のトマーゾと本編のトマーゾが地続きの同じ人物というのが面白い。

  • 帝都物語〈11 戦争(ウォーズ)篇〉 (角川文庫)

  •  トマーゾが怪しい上に、大谷光瑞猊下もなんだけど、フォーマーが付くイケメンで、かたや生きてるのがアレな人、かたやすでぶと言ふのがなんといふか。
     正木晃先生の本で、昭和20年当時ルーズベルトを調伏せんとした方はゐらっしゃったさうである。へー。
     えー、雷が落ちるとビビる元探検家の坊さん!!それを膝で受け止めて慰める美少年!!なんか異様!!

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著者プロフィール

作家・翻訳家・博物学者。京都国際マンガミュージアム館長。
平井呈一に師事、平井から紹介された紀田順一郎とともに、怪奇幻想文学の日本での翻訳紹介に尽力。のち活動の幅を広げ、博物学をはじめとして多ジャンルにわたって活躍。
主な著書に『妖怪少年の日々』、『帝都物語』シリーズ(ともにKADOKAWA)、『世界大博物図鑑』(平凡社)、『サイエンス異人伝』(講談社)、『江戸の幽明』(朝日新書)など。『怪奇文学大山脈』Ⅰ~Ⅲ(東京創元社)を編纂。

「2021年 『平井呈一 生涯とその作品』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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