荒俣宏の裏・世界遺産(3) 衛生博覧会を求めて (角川文庫 あ 10-13 荒俣宏の裏・世界遺産 3)

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  • 角川書店(角川グループパブリッシング)
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  • Amazon.co.jp ・本 (291ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041690437

感想・レビュー・書評

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  • 平成九年六月ぶんか社より刊行された初版を、本文の半分近くにわたる書き加えと改訂をして出されたという本書。著者がこの「衛生博覧会」というテーマにどれだけ情熱を傾けてきたかが、熱い文体からも伝わってくる。
    子供の頃から親しんだ江戸川乱歩作品のお陰で妙な猟奇嗜好が身につき、こういう本にも手を出すような自分としては、本書冒頭で乱歩作品中にあった描写が衛生博覧会(展覧会)だったことを知っていたく感動した。
    図版が豊富で有難いのだが、エログロ的と言えなくもないので、その手の物がお好きでない方は要注意。
    主題は衛生博覧会なのだが、見世物(展覧会・博覧会・博物館など広く含む)の東西の歴史が学べるお得な内容。

  • 「衛生博覧会」―それは、今は無き驚愕の博覧会である。「衛生知識の普及」を意図した催事だったが、その展示物はなんと解剖模型や疾病患部模型、局部までリアルに作り込まれた蝋人形など、実にエロティックでグロテスクなものだった。
    当時の貴重な写真や図版を掲載し、世界各地で開催された“幻の博覧会”の実態に迫る。「裏・世界遺産」シリーズ、第3弾。

  • 人間が表に出すことを躊躇しつつも密かに興味を抱いているグロテスクかつエロティックなもの。しかし、それはまた教育的な一面も確かに持っていた。
    そんな『衛生博覧会』というものについて詳細に語った本。かなりキツい写真も多いので苦手な人は注意が必要かと。

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著者プロフィール

作家・翻訳家・博物学者。京都国際マンガミュージアム館長。
平井呈一に師事、平井から紹介された紀田順一郎とともに、怪奇幻想文学の日本での翻訳紹介に尽力。のち活動の幅を広げ、博物学をはじめとして多ジャンルにわたって活躍。
主な著書に『妖怪少年の日々』、『帝都物語』シリーズ(ともにKADOKAWA)、『世界大博物図鑑』(平凡社)、『サイエンス異人伝』(講談社)、『江戸の幽明』(朝日新書)など。『怪奇文学大山脈』Ⅰ~Ⅲ(東京創元社)を編纂。

「2021年 『平井呈一 生涯とその作品』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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