武神の階 (角川文庫 つ 4-13)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (580ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041713136

感想・レビュー・書評

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  • 実は日本史が苦手だった私でも読めて、意外にものめり込んでしまった本でした。

    上杉謙信という人にも惚れてしまった内容でした。

  • 下克上で越後を試合した父・長尾為景の死から七年、元服した景虎は、地侍の反抗を制圧するため栃尾城に出陣した。
    一糸乱れぬ用兵で大勝を収め、十四歳にして指揮官として非凡の才を発揮する。毘沙門天の化身と恐れられるようになった景虎は、兄に替わって長男家を継ぎ、春日山城に入った。
    名実ともに越後国主となった景虎に、宿敵・武田信玄との対決のときが迫る。


    「四十九年夢中酔、一生栄耀一盃酒」

    幼少の頃からの上杉謙信公の話です。
    毘沙門天の生まれ変わりとも言われ、緻密な戦法で敵を翻弄し、かつ信仰心の強かった上杉謙信。
    下克上が常である戦国時代生き、正義実現と秩序回復の理想に燃えて戦った武将。
    百戦不敗は伊達じゃありません。

    宿敵の武田信玄は現実主義、対する謙信は理想主義。
    謙信が戦うのは、破邪顕正の剣をふるって、よこしまな敵を慴伏させるためであることが、自国の領土拡張を望んで戦う他の戦国大名との大きな違いでしょう。

    物語の後半、死期を感じ取った謙信が景勝に語りかけながら過去の戦の戦術を語る場面がありますが、そこを読んだだけでその合戦が見えてくるような感じがしました。

    上杉家の基礎はまさに謙信公の生き様そのものであり、戦国の世に謙信公のような人物がいたことで、心が救われるような気持ちになりました。

  • この本は、分厚い。著者の作品には、物語性の強いものと、歴史読本のような、骨太ものに分かれる。これはその後者の方。文献資料なども挿入され、上杉謙信の幼少から死期まで、丁寧に追っている。史実をきっちり追いすぎて、物語性(逸話性)などが削がれている感もあるが、その分、ありのままの上杉謙信に出会えた気分にさせてくれる作品。上杉謙信好きにはたまらない作品です。
    謙信を扱ったもので川中島をラストに持ってこずに彼の生涯を通して描いた小説として本作は貴重。司馬作品ようなテンポに慣れた人やそれを期待した人には少々キツいかも。上級者向けの作品。

  • 上杉謙信について書いた本です。

    この本の謙信はとにかくスーパーで、14歳で戦場に出てから、毘沙門天の生まれ変わりどころか、毘沙門天そのものに例えられるくらいの信頼を得ます。

    そういう上杉謙信ひいきの本なので、敵である武田信玄と北条氏康・氏政については、ボロクソに書かれています。

    ちょっと周りの武将についても細かく書いている部分があったので、ストーリーとしてはスムーズに読むことができなかったのが残念です。

    ↓ ブログも書いています。
    http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2015/06/post-6cdd.html

  • 物語としてはあまりに人物の内面描写が足りない(故に謙信物としては「天と地と」よりは下。けれど他のよりは上)が、この著者のこの書き方に慣れてきたのか、読み物として楽しく読み終えた。満足満足。

  • 全1巻。
    前にちらっと立ち読みして
    好きじゃない感じの文章だったので
    ずっと敬遠してた津本陽。
    嫌いって言うからには
    少しは読んでみようと思って。

    結果。
    読まなくていい本。

    上杉謙信の生涯のお話。
    綿密に書かれてはいるが、それだけ。
    無味無臭の記述が延々続く。

    たまにちらっと思い出したように
    小説らしいことしてみようかってな感じが出てくるけど、
    基本、年号順にエピソードを書き連ねただけ。
    興味ない科目の退屈な授業みたい。
    なにも頭にはいってこない。
    ずっと流し読み。

    歴史が好きな人、歴史を知りたい人以外、
    読まなくていいと思う。
    小説好きにはむかない。
    久しぶりに挫折した。

  • 上杉謙信の生涯を、史実をもとに徹底的に描いた作品。「下天は夢か」「夢のまた夢」「乾坤の夢」に引けを取らない長編大作。まさに武神のごとき謙信像が浮かび上がります。
    2006.09.15読了

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  • 「越後の虎」上杉謙信の生涯を綿密に綴ってあります。人物関係や地理の描写が結構長く続いたりするので、戦国時代小説上級者向けかも。篭城戦は面白かった。

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著者プロフィール

1929年和歌山県生まれ。東北大学法学部卒業。78年に『深重の海』で直木賞受賞。その後、織田信長を描いた『下天は夢か』がベストセラーになる。95年『夢のまた夢』で吉川英治文学賞、2005年菊池寛賞受賞。1997年に紫綬褒章を、2003年には旭日小綬章を受章。剣道三段、抜刀道五段で武術全般に造詣深く、剣豪小説をはじめとして多くの武道小説を執筆。2018年5月26日逝去。著書に『明治撃剣会』『柳生兵庫助』『薩南示現流』『雑賀六字の城』『修羅の剣』『大わらんじの男』『龍馬』など多数。

「2022年 『深淵の色は 佐川幸義伝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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