藏 上 (角川文庫 み 12-3)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 275
感想 : 25
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  • Amazon.co.jp ・本 (410ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041718032

作品紹介・あらすじ

新潟の旧家、蔵元の田乃内家に生まれようやく育った娘、烈。家族の愛と希望を一身にうけて成長していくが、小学校入学を前に、失明にいたる目の病を患っていることを知る。過酷な運命を背負う烈と祖母、父母、叔母たちが織りなす愛と悲しみの旅が始まった-。

感想・レビュー・書評

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  • 下巻に感想を書きます

  • 映画は1995年に公開されたらしい(見てません)。亀田の豪農が酒造をはじめるところから物語はスタートし、その息子意造の代で起こる不幸の数々、非常に鬱屈していて暗い話だが、基本性格のいい美男美女ばっかり(嫌な人は不細工)なので悲劇なれど美しさで悲壮感が薄皮一枚で鈍く感じるような印象を受けます(私比)。会話文は新潟弁そのままで、意味が解りにくい単語は括弧で説明がはいります。語尾の「だ」が「ら」になるので「〜寄るは視力を失うてたったんらろう」となるのを読むと、、梅図まことちゃんを思い出してしまい、まことちゃん発音で考えてしまう自分が悲しい。ものすごく良いリズムの会話文なのでほんまに発音がわからないのが悔しく感じた。下へ進む

  • 烈ちゃん、佐穂さんが切ないです。
    今後二人は、どのような人生を寄り添いながら歩んで行くのだろうか。

  • 下巻にまとめて記載

  • 雪国の寒くてじめっとした様子が手に取るように分かる表現が素晴らしい。烈ちゃんはどうしても一色紗英のイメージで読んでしまうけど、エキセントリックな雰囲気に良く合ってましたね。

  • 脳内で方言が再生される。
    著者は新潟の方言について深く学んでおられ感心した。
    完璧に近いので、物語に深みのある情緒が生まれ、感情移入できた。
    普段小説を読まない母も読みふけり、涙を流していた。

  • とにかく繰り返し読む。そんな種類の本になっている。
    特に好きなのは下巻ではあるが、やはり主人公烈の幼少期から読んでいくと下巻の読みごたえが違う。
    初めはなじめない越後なまりのセリフもす・・・っと入ってくるように、蔵の香りまで感じるように、世界に引き込まれてしまった本。

  • 下巻にて

  • 新潟の旧家、蔵元の田乃内家に生まれた烈。烈は当主の意造と妻賀穂の間にやっと育った唯一の子であり、真綿で包むように大切に育てられた。しかし、小学校入学を目前に、烈が不幸にも目の病を患っており、やがては失明する運命であることが発覚した。
    利発で敏感な心を持った烈は、自分の過酷な運命に激しい憎悪を抱きながらも、やがて田乃内家の将来をも見据えた生き方を強く歩んで行こうと決意する。
    とにかく先が気になって気になって、久々にハイスピードで読んだ作品。しかも読み終わってしまったことさえ惜しい、そんな読後感。
    初めは甘やかされて育った烈のワガママぶりに圧倒されたが、後半の烈の心の成長にはひたすら感動である。

  • 高知、新潟などを舞台とした作品です。

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著者プロフィール

1926年高知県生まれ。『櫂』で太宰治賞、『寒椿』で女流文学賞、『一絃の琴』で直木賞、『序の舞』で吉川英治文学賞受賞。おもな著作に『陽暉楼』『錦』など。2014年没。

「2016年 『まるまる、フルーツ おいしい文藝』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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