ファミリー (角川ホラー文庫 8-1)

著者 :
  • KADOKAWA
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本棚登録 : 92
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (264ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041753187

感想・レビュー・書評

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  •  家族とは何かを問いかけてくる心理サスペンス。
     どんでん返しほどではないが、ある種の驚きをもって結論を迎えるはず。人はやはり仮面を被って生活しているのだろうか、そんなこともふと思ってしまう展開である。様々な事情により追い詰められていく人間心理も描かれており、個人的にはなかなか面白い作品だった。

  • 上司の勧めでお見合いをすることになった弓子。スムーズに結婚が決まり相手の実家で暮らすことになった。
    優しく迎えられ、理想的な家族だと好感を持ったが次第に妙な所が目についてくる…
    その実体は近親相姦すらいとわない化け物の家だった。

    古い作品を再読。直接的な表現が少ないので、そっち系が苦手でも面白く読めると思う。
    文庫の挿し絵が劇画タッチって言うのかな、そこら辺はさすがに時代を感じました。

  • こういう話、いまの時代だったらリアルでもありそうな気がする。

    感想はブログに書いた。
    http://osimai.seesaa.net/article/441781565.html

  • 常に笑顔の絶えない家族のもとに嫁いだ女性の感じる違和感が恐怖に変わっていく薄気味悪い話。でもホラーじゃなくてミステリかな。

    短編集だろうと高をくくって開いてみたら、長編じゃないですか。そんなに長くないけど。しかも真ん中辺りまで、ニコニコしながら脅迫されるような、真綿で首を絞められるような、なんとも言えない恐怖がなかなか秀逸である。

    真ん中を過ぎると、ミステリ慣れのせいか、前振りも状況も黒幕もつながってくるのだが、それまでのジリジリ進まない恐怖感とは違った、早い展開になるので飽きさせない。

    ただ、3人行方不明はなあ、ちょっとどころかやり過ぎだと思うけれども。

    最後は陳腐に怪談オチ。よく考えたら、「野性の証明」もこんな感じのオチだったような。

    (追記)
    角川ホラーで森村誠一の「ラストファミリー」と「ファミリー」の両方があるのね。ややこしい。

  • これはつまらない!BOOKOFFで買ったのにも関わらず、お金が惜しいと思える本!怖いとの触れ込みで買ったが、本文よりも挿絵の方が不気味で怖い!怖くてページがめくれない、といったことはなく、せっかく怖くなりかけたのに、変なところで問題が勃発し、何が何やら不可解過ぎるため、恐怖感が薄れ、最終的には興醒めまでする。特にラストの一文。まさかこんな終わり方しないよね、と思ってたらその通りの最後の一言。しかも結構途中でその一言は思い付いたため、なおつまらなさを感じた。会話文が特に面白みに欠ける。その発言からはそこまで読み取れないようなことに、いちいち説明が入るのだが、説明しなければならないほど発言からは何も伺えない。言い換えれば、説明されてもさっきの発言からはそこまでは読み取れないため混乱する。読者に想像させて恐怖感を与えるのではなく、いちいち説明して、怖いだろ!と言ってるように感じ、全く怖くなかった。途中、アガサクリスティを意識してるのかと思ったら、文中にも出てきた。終わり方がやはり意識してるのかなぁと思わせた。が、その内容にリアリティが欠けるため、それがトリックだとすれば、何でも最初から出来たんじゃないかと思い、ただただ失望を味わうことになる。ある意味どんでん返しなのだろうが、個人的に全く好きではなかった。何となく、主人公にも感情移入が出来なかった。そこも好きになれなかったポイントになると思う。

  • ホラー好きのワタシは、「角川ホラー文庫」は結構手当たり次第に読んでますが、これは巻末の紹介文がずーと気になってた本です。<br>
    で、やっと読んでみたワケですが、紹介文で期待し過ぎちゃったかな〜と言う印象。でも「家族」って閉鎖的だからある意味怖いもんですね。ラストの1文にどっきりかも。

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著者プロフィール

森村誠一
1933年1月2日、埼玉県熊谷市生まれ。ホテルのフロントマンを勤めるかたわら執筆を始め、ビジネススクールの講師に転職後もビジネス書や小説を出版。1970年に初めての本格ミステリー『高層の死角』で第15回江戸川乱歩賞を受賞、翌年『新幹線殺人事件』がベストセラーになる。1973年『腐触の構造』で第26回日本推理作家協会賞受賞。小説と映画のメディアミックスとして注目された『人間の証明』では、初めて棟居刑事が登場する。2004年に第7回日本ミステリー文学大賞受賞、2011年吉川英治文学賞受賞など、文字通り日本のミステリー界の第一人者であるだけでなく、1981年には旧日本軍第731部隊の実態を明らかにした『悪魔の飽食』を刊行するなど、社会的発言も疎かにしていない。

「2021年 『棟居刑事と七つの事件簿』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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