どこにもない短篇集 (角川文庫 は 9-13)

  • KADOKAWA
3.36
  • (18)
  • (33)
  • (82)
  • (7)
  • (5)
本棚登録 : 305
感想 : 36
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (216ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041762141

作品紹介・あらすじ

ある朝目覚めると、額に×印がついていた。現実か妄想か―。自分の内奥に秘められた迷路に陥り、揺らぎ、崩れそうな世界を、ざらりとした手触りで描きだす不可思議な傑作集。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • どのお話もとても良かった。
    明確な真実は明かされずに読者に委ねる形のラストで、色々と考察できて面白かった。
    こういう、奇妙で起こり得そうで起こらない不思議なお話が大好きなので、楽しんで読むことができました。
    世にも奇妙な物語で映像化したものを見てみたい!

    私は「固結びの人」「同窓会の夜」「スコールを横切る」が好きです。

    (ざっくりジャンル分け)

    ●無害だけど…不気味・奇妙なお話
    「ただ開いている穴」
    「頭痛帽子」
    「何のアレルギー?」
    「角の悪意」
    「厄介なファックス」
    「スコールを横切る」
    「同窓会の窓」
    「サカグチの引き出し」

    ●ちょっと巻き込まれる…じわじわ不穏で不気味なお話
    「祖父のメンテナンス」
    「固結びの人」
    「黄色い猫」
    「瓶の中へ」

    ●後は破滅しかない…不穏なお話
    「削除」
    「認識不足」
    「×(バツ)」
    「ミセスKの鏡台」
    「空白を埋めよ」

  • SFチックなショートショート。
    どれも好みであるが目立って面白い作品はなかった。
    失礼だけど、この手のジャンルにはありがちとも言える作品群かと思った。

    「固結びの人」がすごく好き。

  • ヒヤリとさせる感覚はさすがのひと言。原田宗典はもっと短編を書くべき。Essayばかりじゃなく。や、EssayはEssayで面白いのだけどね。

  • 短編集には人の好みに合うものと合わないものがはっきりしやすいがこれも結構人を選ぶ。自分は大好きなやつ。

  • 途中でパターンが読めてしまった。
    私は合わないかなー

  • エッセイの巨人の短編小説。一篇も軽ければ、まとめても薄い本。全ての話が少しSFがかった怪談。

    短編だけあって短いが、少々油断しても内容を取りこぼさない程度の難しさのため、子供から大人まで楽しめる内容ではある。

    しかし、ちゃんとオチまで入った怪談は、最後の2~3篇で、あとはアイデアがむき出し。あとふたヒネリほどほしいなと思う内容だ。中盤の夢をそのまま記述しているようなものは、いちいち現実に戻らずに話を広げたほうが良い。

    エッセイで見せる「笑い」が、こちらでは「恐怖」に転化されており、「笑い」「恐怖」は表裏一体であることを示したという点は評価できるものの、ちょっと物足りなさを感じたのは事実。

  • 面白い。ただひたすらに面白かった。
    フィーリングが合わさったみたいです。。

  • 幼い頃に読んで…心のどこかに怖いものがひっかかっている感じ。

    額に×がついてたり、縛られた人は捨ててよかったり
    FAXから腕が出てきたり、壁に穴があいていたり…??
    いつもの街なのに誰もいなかったり。
    確かそんな感じだったような。

    おぼろげながら、世にも奇妙な物語に通ずるものがあり
    怖いのダメなのであえて読み返したくはないけど

    今の怖いものみたさな性格はこの本からスタートかな。
    と考えると、私の人生でかなり影響を受けた本です。

    こういう体験があるから、本は幼い頃から読むべきだと思ったよ。
    今読んだって、何も残らないと思えるから。

  •  不条理なお話満載。筒井康隆に通じるものを感じる。だが、原田宗典は筒井越えは難しいとみる。理由は彼ほどには強烈な毒を吐くに至ってはいないからなのだ。優しさからなのか、性格の良さがそうさせる。どちらかというと、無難なところを行きつ戻りつしている感が否めない。あえてというなら、『同窓会の夜』は好きだ。

  • 2011/6/6

    910||ハラ (3階文庫)

    現実か妄想か・・・シュールでちょっとゾッとするお話はいかがでしょう。
    ありふれているはずの日常がくるりと奇妙な世界に展開してしまう物語が17篇。
    その中のいくつかは現実にはありえないと言い切れないものもあります。
    いずれもがあっという間に読めてしまう迷宮へいざ。

全36件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

作家

「2022年 『ベスト・エッセイ2022』 で使われていた紹介文から引用しています。」

原田宗典の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×