- Amazon.co.jp ・本 (254ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041804100
感想・レビュー・書評
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泥江龍彦(職業・作家)は、ある日、いいことを思いついた。それは、K書店を騙くらかして取材旅行にいく―つまり、ひとのお金でタダ旅行をするという企画だったのだ。かくして、泥江とその妻は、二人三脚の旅に出るが、世の中そんなに甘くはない!?抱腹絶倒の珍道中、漫遊記。
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相変わらずの清水節である。いい加減な顔をして、至極まじめ。まじめなふりをして、いい加減である。夫婦の会話や、行動に、思わずふふふっと笑ってしまったりしながら、結構きっちりと勘所はおさえられていて、勉強にもなるのである。その辺りに手を抜かないのは、著者のまじめさだろう。同行する妻の役割も大きい気がする。ときにわき道にそれそうな夫を本筋に引き戻し、ときに気ままに次の行動を決める。まさに二人三脚の珍道中なのである。ほほえましい。愉しく読める旅行案内と言った一冊である。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
読書録「まちまちな街々」3
著者 清水義範
出版 角川文庫
p228より引用
“このあたりは、全国的にも有名な金権選挙
の地なのだそうである。村長になるのに、五
億、十億かかるのは当たり前、というぐらい
の。村民は選挙があるたびに、車が新しく
なったり、家が建て直ったりするのだそう
だ。”
目次から抜粋引用
“鹿児島の酒蒸し
秋田でみつけた殿様
瀬戸の鼻提灯
屏風のむこうに越中富山
動かざること山梨”
作家夫婦を主人公とした、旅行記。
ユーモア小説を得意とする作家の泥江龍彦、
出版社に旅行記を書く約束をして取材費を出
させ、人の金で好きな旅行をしようとするの
だが…。
上記の引用は、山梨を旅した中での一節。
単行本の出版は平成5年、その当時はこうい
うことがわかっていても、大きな問題になり
にくい時代だったのかもしれませんね。
結局人は、自分に利益をもたらしてくれる人
に、自分の手間や時間を割くことが多いのか
もしれません。
どこまでがフィクションでどこまでが本当
なのか、いまいちよくわかりません。それぞ
れの地域について書かれていることは、話半
分くらいに思っておくほうがいいように思い
ます。
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“フィクション的ノンフィクション”の旅行記。名古屋を、特に駅前や地下街を知っているのを前提に、鹿児島、秋田、青森、広島、岡山、富山、山梨について書いてある。各所に行ったことがなくても面白いけど、行った都市が多いほど面白いと思う。 だから行ったことのある広島&岡山のところは特にスラスラ。
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昔からワタシはこのおちゃらけB級作家の清水義範センセイが大好きなのであります。おちゃらけが身上な作風ゆえ☆☆☆☆☆にはならないのですが、でも…やっぱりたまーに気になって読み返してしまうわ〜 地方都市の人間観察が好きでK書店を騙くらかして取材旅行をする、限りなく実話に近い珍道中、ってなところでしょうか。地元の人に話しかけることもせずじーっと観察して、ひとつのことから全部を決め付けて「ワカッタ」と膝を打つ、私もよくやるので苦笑してしまいましたw
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初めて読んだ作家だった。初めてといっても以前から気になる作家の一人だった。昔、何かの雑誌を読んで面白ろかった印象があり、機会があれば読んでみたいと思っていた。
ブックオフで大量買いしたうちの1冊だった。
ジャンル的には小説なんだろうけど、紀行記的要素もありスラスラと読めた。
また、別の作品を読んでみたいと思った。好きな作家のジャンルが増えるのはうれしいことだ
反対につまらなかったり、なんか自分に合わないなと感じて読み切れなかった時は
時間もお金ももったいないと思う
(04/12/30)
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途中の小説が読み切れなかった。でも頭いいんだろうな。