- Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784041847046
感想・レビュー・書評
-
坪内祐三「文庫本を狙え!」で紹介されていた文庫本レビューの第一弾。1997年発行。
坪内さんは大槻ケンヂの文章を「とてもオーソドックスな意味での名文」と評価していた。音楽家は名文を書く人が多いのだそうだ。音文一致とも評している。それに、音楽家って、読書家が多いのだろうか?
名文の例として坪内さんは、
「彼女との悲しい別れを綴った一文「踊る情感欠落人間」は、誰が読んでも胸にグッとくるだろう」と紹介している。
筋肉少女隊を率いるケンヂさんらしいユーモアを交えて、高校生からの初々しいABC体験を綴りながら、やがて初めて恋を知った2人の不器用で悲しい別れをを淡々と書いていた。
可笑しくてやがて悲しき男かな
という感じ。
他には、
「!(アイ・オウ)」という一文がある。大槻ケンヂが本格的に映画出演した一本について書いたエッセイ。最初は役者なんか出来ないと断ろうと思っていたらしいが、長期入院のお父さんを見舞って、絶妙の
「ああ‥‥まあ、どうだ‥‥」
「ああ、まあ‥‥」
「ああ‥‥そうか‥‥」
「ああ‥‥」
というジャイアント馬場と笠智衆のような会話の後の、帰り際に「ああそうそう映画出演の話があるけど断ろうと思うんだ」とひと言言ったら父親はまさかの「何故なんでもやってみようとしないんだ」と、ひと言返されたらしい。それで映画に出ることになったらしい。エッセイ執筆中がちょうど撮影中で、たいへんな悪夢を見るまで苦しんでいるという一編である。で、どんな映画だったのか調べてみた。
「![ai-ou](1991)」
「世渡り下手な3人のアウトローたちの青春像」だそうだ。主演に柴田恭兵、助演に錦織一清と大槻ケンヂ。ヒロインに岡部まり。監督はまだ堤ユキヒコと名乗っていた頃の堤幸彦。原案は有名になる前の遊川和彦。プロデュースはおニャンコのみ有名だった秋元康。主題曲はRCサクセションという、なんかものすごく観てみたくなるような一本なのだけど、DVDにも配信にも入っていない!!所謂「幻の一本」(名作かどうかは観てみないとなんとも言えない)である。早くアマプラで見せてくれ!!
ちなみに、お父さんと話をした後、秋元康に承諾の返事をしに行く。「彼は笑うと、さらに林家こぶ平にクリソツだった」と少しdisっている。まさかこの時、この人が日本で1番稼ぐプロデューサーになるとは思ってなかったのでしょう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自伝的エッセイに加え、書評なども含む、ごった煮エッセイ集。
いくつか読んでみたい本も見つかる。最近、「赤毛のアン」が面白いという話が出てきたのが2回目。最初は、深夜の馬鹿力。原書で探してみるか。デビルマンも昔読んだのだが、改めて読んでみたい。
(108) -
のほほん的生活のすすめ編が面白かったです。オーケンの恋の話がツボです。「女性を慈しみ、愛しく思い、できるならいつも一緒にいたい、共有する時間を一秒でも長くいたい、という、恋愛に不可欠な情感が生まれつき欠けているようなのだ。」というところは、そういうタイプってきっと世の中にいくらかいるのかな、話しててそういう風に感じる人いるものな、と思いました。あと、エロか父性愛かになってしまう、というのは衝撃でした。水道橋博士の解説にもありましたが、描写が切なかったです。
-
僕はサブカルかオタクかと言われたらサブカルなんだけど根っからのじゃないのでいつも僕は宙ぶらりんだなってサブカルどっぷりの達人たちを見たり読んだり聞いたりすると思う。
-
オーケンのぶふふなエッセイが読めます。
後半の本の紹介がとても良い。オーケンの文章が好きな人にとってはオーケン自身がどんなの読んでるかってすごく気になるとこだし!
とりあえずパノラマ島読みたいです。 -
面白いと思った作者のエッセイを立て続けに読んでしまうと、どうも比較しがちでいけない。
面白かったけれどね。
オーケンの語る中島らもと江戸川乱歩の話が好きです。
あとやっぱり青春デンデケデケデケが見たい。 -
「ロックしてたいオレ」作家のカテゴリに入る人がまた一人増加(代表:中島らもetc)
シリアスには語らない。笑わせて道化に徹する。でも、最後はちょっとしたペーソスを用意してる。
ロックでいたいけど、実際はへぼいオレの青春、オレの現実・・・は読んでいて可笑しいけど、でもそれはやっぱり
最後にはいつでも切ない。 -
やっぱりオーケン好きだ!と思いました。これを読んで、少しは知ることができたと思う。これからこの人の文章を読むとき、もっと楽しくなるんじゃないかな。そうなると、新しいものが欲しくなりますね。まだ買いだめしてあるというのに。
-
大槻ケンヂ一番最初のエッセイ集。自分の過去や自分の好きなこと、かなり大胆に書いてます。好きな本の紹介や好きな音楽の紹介も書いてますが、選んでる本がまたおもしろい。著者が紹介している本はぜひそのうち読んでみたい。