ステーシー: 少女ゾンビ再殺談 (角川ホラー文庫 74-1)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 41
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  • Amazon.co.jp ・本 (191ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041847091

感想・レビュー・書評

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  • 15歳から17歳の少女が、ゾンビ(ステーシー)化してしまう世界を描いた、筋肉少女隊のヴォーカリスト大槻ケンヂの小説。
    『月刊カドカワ』誌に、1995年から1997年に連載されたものですが、長編小説ではなく、中短編集、という感じです。

    設定が設定のため、愛する女性がゾンビ化して悲しみにくれる男達、ゾンビ化した少女達を日々解体することに苦悩する男達が登場しますが、それがかなり鬱陶しい。
    ゾンビ映画では、自分もいつゾンビになるかわからない、いつまでも悲しみにくれていられない絶望感が魅力ですが、この作品は、少女以外はゾンビ化しないから、こうした鬱陶しい展開になってしまうのでしょう。

    もっと、ド変態な方向性でも良かったような気もしますけど、そうならないのが、大槻ケンヂという人なんでしょうね。

  • ぐちゃぐちゃだしめちゃくちゃだしよくわからんけどよかった
    これはホラーなのか?

  • 「渋さん、詠子のこともこんなふうにグチャグチャにしてね」

    やっぱり一気に読んでしまいました。この読了後のごちゃごちゃした蟠のような、けれどもスっと前を向くことができるような、えも言われぬ感慨を抱かせる力が、大槻小説にはあるのです。ノイローゼの時に書いた作品だそうですが、「主軸」なる観念が大槻さんの心象を端的に表し、それを「調整」する物語が生まれ──その物語を動かすためのかけがえのない存在こそ、ステーシーたちだったのではないでしょうか。…そんなことを彼の文章からは感じるのでした。
    そうです、この世界観でこの文章であるからこそ、やんごとなき魅力があるのです、この小説は。どんなにグロくても、どんなに頭のネジが飛んでいようとも、私はこれを立派な、美しき純愛小説と呼びましょう。

  • 近未来。15歳から17歳の少女たちが突然原因不明の死をとげ、人間を襲う死体ステーシーとなって蘇る「ステーシー化現象」が蔓延していた。増え続ける彼女たちを再び殺すには165以上の肉片に切り刻まなければならない。
    一方ステーシー化現象と同時期に数十人の畸形児が生まれ、不思議な力を持つ彼女たちはステーシー化を恐れた再殺部隊によってほとんど再殺されたが、生き延びた数人がじつは危機的な人類の未来を変える存在だったのだ――

    たぶん、というかおそらく大槻さんがリスペクトしてる「ゾンビ」の影響は大。ロメロ再殺部隊ってネーミングとか(笑)。「ステーシーの美術」の章では少女を殺し続ける再殺部隊の狂気ぎりぎりの日常が描かれるが、それすらもどこか突き抜けた明るさがあった

  • すごくおもしろかった。渋さんと詠子のなんだか綺麗な感じが最後でぶち壊されたのも。

  • 【224】

  • 世界の作り方が独特で、カサカサに乾いた空気感も独特。
    その世界に連れて行って納得させるのも上手。
    淡々としたようで、ウェットな土台があるような、渇いた雰囲気の活気。

  • 詠子かわいいよ詠子

  • 思いの外面白かった。

    途中のぐちゃぐちゃの描写は怖くて読み飛ばしぎみ。

    ステーシーズ観てみよう!

  • 今まで読んだオーケン小説の中ではこれがいちばん好みかも!
    若い女の子の集団ゾンビ化…っていうと、パニックホラー小説を想像しちゃうんだけど、ぜんぜんそんなことなくて、むしろすげー純粋な恋愛小説を読んだ後みたいなさっぱりした気持ちになれました。
    エログロを絡めて、トンデモ設定をモチーフにして、生身の人間の剥き出しになった心情が描かれる…ってのは、ちょっと舞城とも似てるな。

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著者プロフィール

1966年東京都生まれ。82年ロックバンド「筋肉少女帯」ボーカルとしてデビュー。その後もロックバンド「特撮」でも活動。その特異なキャラクターは音楽だけにとどまらず、映画、テレビ、小説やエッセイなど多岐にわたる分野で人気を集める。著作「くるぐる使い」「のの子の復讐ジグジグ」は2年連続で星雲賞を受賞。また『グミ・チョコレート・パイン』シリーズのほか『ロッキン・ホース・バレリーナ』『縫製人間ヌイグルマー』『いつか春の日のどっかの町へ』など著書多数。

「2022年 『夜の夢こそまこと 人間椅子小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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