奇子(下) (角川文庫 ん 11-30)

著者 :
  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・本 (364ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041851319

作品紹介・あらすじ

呪われた出生を背負い、運命にもてあそばれる奇子。地方旧家、天外家の人々を核に、激動の戦後史を背景に、哀しくもたくましい奇子の運命を描いた感動巨編。

感想・レビュー・書評

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  • 奇子に幸せを。
    救いがなかった結末。

  • 外の世界を知らずに育った奇子は、外に出ることを許されても恐れて出ようとしない。彼女に魅入られてしまう男たちと、無邪気な奇子。狂気の世界。

  • ラストが2種類あったらしい。片方のラストも見てみたい。

  • 実際にそうそう存在しないだろうなと思う一族の話です。しかし、そう大きくなくても、人間には嘘や欲が潜んでいることを意識させられました。周りの幸せを壊しながら得たはずの自分の幸せや、その場しのぎの安心感。それによってどうなるか最悪な可能性の一例を教えてくれます。周りの人も巻き込んで幸せになりましょう。

    飛鳥ちゃんへ
    上記では自分はいい人かのように話していますが、
    全く違います。綴ります。
    通学路の中に、外で飼われている犬がいました。
    何にもわからない私たちは給食のパンを持ち帰って、皆んなでその犬にあげていました。その犬は他の子ののはあまり食べず私のだけを完食しました。皆んなは面白くなさそうな顔をしていたけど私はそれが嬉しかったです。飼い主さんは知っていたのか知らなかったのか今でもわかりません。その後も注意されることなく私は1人で勝手に敷地に入り、なでていました。行ってきますとかバイバイとかも通るたび心の中で言ってました。
    中学生になってその道は通学路ではなくなりました。
    たまたま、その道を通ったら変な音が聞こえるなと思いました。音の正体はその犬でした。
    犬は老衰しててカラスに突かれてました。
    抵抗する元気もなく、突かれるたびに私を見つめながら力ない吃った声をあげていました。
    その姿に大きなショックと怖さがあり、
    私は逃げてしまいました。
    そして次にその道を通ったらその犬はもういませんでした。天国に行きました。カラスを追い払うくらいなんでできなかったんだろう。一瞬でも楽になったかもしれないのにと自分の行動を悔やんでいます。
    周りを幸せにすること、恩送りをすることを課題に償います。

  • ラストの死体の中の奇子のシーンは最初読んでから今に至るまでずっと焼きついてる。このシーンだけははっきり覚えてた。『奇子』は手塚の作品が随一で唯一だな、下手に実写やアニメには出来ないね。

  • ひどい一族の話

  • 太平洋戦争後直後の混乱期、国鉄下川事件などのGHQ陰謀説と大地主制からの農地解放への歴史の転換の中で過去の因習が蠢く異常な地方世界を巧妙に絡ませた物語展開。

    手塚治虫の晩年作は凝ったストーリの中に複数の主張を潜ませており読みごたえがある。

    本作はストーリーの性格上人が死に過ぎるが、それにも増して底辺に近親相関が位置付けられており、異常なストーリー展開である。何故このテーマを選んだのか?

    手塚治虫の作品には火の鳥を中心に人類が子孫を残し続けるために少数の女性を軸とする姉弟(兄妹)関係を取り扱うことが多く、そういった意味で近親相関事態は珍しいテーマではない。しかし、本作品では人類の、あるいは子孫といった高尚な目的ではなく、もっとどろどろとした人間の欲をとりあげているのでないか?

  • 読後感は最悪。
    救いは全くなかった。

    最後は無理やりまとめた感がひどすぎ。

  • かなり大人向けの手塚まんがの下巻です。
    ずっと土蔵で監禁されて育った奇子ちゃんが東京に出てからはなんだかイマイチだった。
    謎の組織とか、ちょっといきなりな感じだったし…。
    でも、昔の田舎とか江戸時代のお殿さまとか、トップがやたらエライ一族では内部でいろいろあったんだろうね。
    水戸で神さまにまでなっている烈公さんだって、息子の嫁さんに手を出して自殺させた説があるくらいだもんなぁ…。

  • 奇子さん。たくさんの人を惑わす女性に成長しましたね。

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著者プロフィール

1928年、大阪府豊中市生まれ。「治虫」というペンネームはオサムシという昆虫の名前からとったもの。本名・治。大阪大学附属医学専門部を卒業後、医学博士号を取得。46年、『マアチャンの日記帳』でデビュー。幅広い分野にわたる人気漫画を量産し、『ブラックジャック』『鉄腕アトム』『リボンの騎士』『火の鳥』『ジャングル大帝』など、国民的人気漫画を生み出してきた。

「2020年 『手塚治虫のマンガの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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