三毛猫ホームズの世紀末 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA
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感想 : 14
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041879764

作品紹介・あらすじ

TV番組の収録に参加したのをきっかけに、熱狂的人気の天才詩人・白鳥聖人との恋におちた女子大生、雪子。かわいい女子大生は、なんと石津刑事の従妹だった!

感想・レビュー・書評

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  • 白鳥聖人というカリスマ詩人が出てきて、冒頭から衝撃のシーンがあるのだが、それが上手く謎になっていて、ストーリーに引き込まれた。女子学生の売春もテーマとして入っていて、当時の世相も伺えた。時代は進めど、問題はある。読み終わった後、面白さと寂しさ両方を感じられた。

  • しかし古い本だと装丁が残ってなくて残念だよな。著者の言葉で「『世紀末』は世も末だという意味にとってほしい」とあるけど、ほんとにいつもにもましてめちゃくちゃな感じだった。女子大での売春、薬物、加害者家族の苦悩、過干渉な母親、そしてこれはほんとにネタバレだからやめとくけど。こんな結末ありかよって感じ。正直想像はしたけど、さすがにないかなーと思ったけど。いやいや、さすが赤川次郎ですな。

  • あんな有名詩人との恋?考えられない!雪子は舞い上がっていた。なんてったって、本人に付き合ってほしいといわれたのだから。でも、雪子は知らなかったのだ。おなじみ片山刑事と晴美とが、TVスタジオで、詩人を殺そうと花束にナイフを隠し持った女・ユリ子に遭遇していたことを―。ユリ子は告げた、「あの男は悪魔よ!」。雪子の運命はいかに。三毛猫ホームズシリーズ第27弾。

  • あんな有名詩人との恋?考えられない!雪子は舞い上がっていた。なんてったって、本人に付き合ってほしいといわれたのだから!でも、雪子は知らなかったのだ。おなじみ片山刑事と晴美とが、TVスタジオで、詩人を殺そうと花束にナイフを隠し持った女・ユリ子に遭遇していたことを―。ユリ子は告げた、「あの男は悪魔よ!」。雪子の運命はいかに!?三毛猫ホームズシリーズ第27弾。

  • しかし、ホームズはやる気だぞ

    この一文がすごく好きです。
    猫アレルギーの登場人物のせいで、ホームズの扱いが少し雑です。それをバネにするかのような、ラスト近くでのホームズのやる気。度胸のあるにゃんこです。

    ストーリー自体は、真犯人が自分の予想と違いました。
    なんだかもやっとする終わり方でした。

  • 高校時代の友達である沙織が勤めているTV局を訪ねた晴美。モニター画面に映る生番組のGuestは若き天才詩人・白鳥聖人。現在若者に絶大な人気を誇る人物である。そんな聖人に声をかけられた番組参加の女子大生・石津雪子は恋に落ちてしまう。しかしその直後、謎の脅迫や同じ女子大生の殺人事件が発生する!雪子は石津刑事のいとこだったから、晴美は気が気でない。そして遂に事件の真相が明らかになる。三毛猫ホームズ第27弾。


    三毛猫ホームズの世紀末
    今回初登場は石津雪子(恐らく初)。彼女は石津刑事のいとこで東京に出てきた女子大生。彼女は始め白鳥に興味を持っていなかったが、声をかけられたことで一気に恋に落ちます。しかしこの恋がただの恋では終わりそうに無いことが次第に明らかになります。


    この題名にある世紀末が存分に発揮されている内容だと感じました。女子大生が殺される事件が発生し、事件真相のキーも途中で出てきますが、そのままの流れで結末にいかなかった点、その結末がまさに世紀末といえるほどの衝撃度であった点にはやられました。


    個人的にはこの犯人には大きく同情する部分があります。今回の「三毛猫ホームズの世紀末」は心と肉体を制御することの難しさを指摘するものであると感じました。


    しかし、最近読んでいるホームズシリーズはヘビーなものが多いなぁ・・・。

  • ホームズシリーズ第27弾

    この作品の解説を読んでいて赤川さんの作品の魅力について少し答えが出たように思う。
    解説を担当した杉江松恋さんはこう書いている。

    「三毛猫ホームズを読むと寂しい気持ちになる。なぜだろう?小説はこんなに面白いのに。」

    これを読んだ時に僕も赤川さんの作品を読む度になんとなく同じような気分になっていたと気付かされた。
    赤川さんの作品はとてもユーモアに包まれて暖かい作品に仕上がっているが、主に題材として使っている内容はとても寂しかったり、苦しかったり、辛かったりする話が多いようです。その暗い胸の内を抱える被害者や加害者が片山兄妹や石津そしてホームズの優しさや自然体で接する人柄などに触れ合う事で和んだり、わだかまりが
    解けたりするのでは無いかと考えました。このギャップが緊張と緩和を与えて作品のメリハリとなり、とても魅力的な
    作品達に成り得ているように思えます。

    片山兄妹ように自然体な優しさを持てるようにこれからも三毛猫ホームズのシリーズは読み続けていきたいと改めて思えました。
    今回の片山義太郎はおとぼけも少なくてなんとなく頼りになる人物になっていましたね。そして相変わらずその人柄で女性にはモテること。羨ましい限りだ。。

  • 三毛猫ホームズシリーズの中では、好きになれない筋書きです。

    世の中、自分の思い通りにならないということはある。
    赤川次郎は、世相を描写する作家である。
    面白いだけの話、楽しいだけの話を書くわけではない。

    ミステリーとしての複雑度は持っているので、作品としては評価できる。

    2度読みたいとは思うが、3度読みたいとは思わないかもしれない。
    せっかく買ったのだから、本棚には並べてある。

  • 白鳥聖人は、著名な詩人であり、乙女の間の人気者だった。しかし彼には、ある秘密があり、関わる者はすべて殺されていく。片山の相棒石津の従妹、雪子も、白鳥に魅入られた一人だった。雪子に殺害者の魔の手が迫る!
    (感想)
     今回のテーマは、売春と親子の情、そして兄弟愛……なんでしょうね、きっと。白鳥のきらびやかな名声の、影の部分にぞっとさせられます。女の子を麻薬漬けにしていいなりにさせようという連中まで絡んできて。テレビやメディアの華麗さの裏にあるおそろしさと、それに汚染された人々の愛憎物語。すごく読み応えがあって面白かったです。

  • 三毛猫ではこういう犯人って結構多いような。とか言いつつ半分以上内容忘れてますが。

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著者プロフィール

1948年、福岡県生まれ。1976年「幽霊列車」でオール讀物推理小説新人賞を受賞。『東京零年』で第50回吉川英治文学賞受賞。「夫は泥棒、妻は刑事」シリーズ、「三毛猫ホームズ」シリーズなどミステリーの他、サスペンス、ホラー、恋愛小説まで幅広く活躍。

「2023年 『黒鍵は恋してる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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