恋する文豪 (角川文庫)

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著者 : 柴門ふみ
  • 角川グループパブリッシング (2008年5月24日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (301ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041901090

恋する文豪 (角川文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 日本の古典名作を恋愛の観点から読み解く内容です。
    今まで敬遠しがちだった純文学ですが、原文も紹介されていて読んでみようかなという気になります。
    「文豪」といえど男、なかなかマニアックであったことに驚きです。

  • 柴門ふみが明治・大正・昭和の“往年の名作”をぶった斬る痛快エッセイ。

    どんな著名な作家であろうと、その作品が名作ともてはやされていようと、魅力がないと思えばバッサリと斬って捨てるし、面白い素晴らしいと思えばどこがどう良いか理由とともに述べられており、分かりやすい。

    そして、“文豪”と呼ばれる作家たちもその私生活や人間性は結構しょーもなかったりするんだな。
    結局人間のエゴとか業とか、男と女の惚れた腫れたは100年経っても変わらない。

    それにしても、当時の文学って今の小説よりも展開も描写も格段に激しいよね……。
    現代では官能小説や昼ドラの世界でしか描かれない人間関係のドロドロや性描写が、臆面もなくバンバン出てくる(イメージ)。
    リアルの世界では、こと恋愛や結婚に関しては今よりずっと“堅苦しい”時代であったはずだから、一般庶民は小説の世界で欲求を満たしていたのであろうか。

  • 嫌みのない文章でよかった。著者の優しさと面白さが出ていると思う。

  • 12/08/31 日本の名作メッタ斬り! 
           日本の文豪ブッタ斬り!!

  • ニュースで取り上げられており、賛否両論だったのが読んだきっかけ。
    自分は筆者の他作品も含め、好きではない。人間=恋愛にして、その関係性も恋愛自体も質の低いものに貶めているような気がしてならない。
    そんな人が、文豪たちの作品を掴まえて、文学作品をただの恋愛、今時風に言うとスイーツ(笑)としか捉えない視点で批判するという本、と思えた。浅い文章の羅列。

    まず、雑誌連載の為に初めて読んだ本を多く取り上げている。
    正直、プロの作家の癖に文学作品を全て読んでいないという点が自分には勉強不足に見え、信じられない。にも関わらず、平気で稚拙な論評を繰り返している。
    評論の内容もたとえばかり。自分の好みで同じことを褒めたりけなしたり。
    「中学生の読解力はこんなものだ」と自分の低レベルさを正当化かつ普遍化しようとしている。
    「この話のことを××な話だとみんな思ってるだろう。私もそうだった」
    という書き草が多かったが、正直、おまえと一緒にするなと言いたい。
    まともに読み解いている人間は、小学生だってもっとまともな解釈をしている。

    「売り込むには汚くてもなんでもいいから刺激さえ大きければなんでもいい」
    という記述があったが、それはまさに筆者の書いている文章それ自体のことではないだろうか。

    文豪と言っても、時代やジャンルが統一されていない。
    村上春樹など自分も好きではあるが、夏目漱石と並べて文豪と言うのは何か違う気がするのだが。

    ただの感想文。しかも作家の肩書きがなければただのあるひとりの女の日記レベル。小学生の読書感想文コンクールでだって、この内容と文章力では箸にも棒にも掛からないだろう。
    小説を恋愛でしか見てない浅ましさ。
    浅い知識である話とある話を比較してみたり、名指しで芸能人のことを書いて見たり、何様かと感じた。

    筆者のファンが、筆者のエッセイとして、筆者が好きだから筆者の書く文はなんだっていいから読みたいのだ、として読む分には全く問題がないと思う。
    が、文学系列の雑誌に、作家という仮にもプロが連載し、それを解説本と紹介されていることを憂う。
    はっきり言って、こんな本を解説本として読もうとする人≒文学を読んだことがない人
    が、これを読んでこれを入口として文学を読み出すとは思えない。
    読んだとして、文学を理解できるとは思えない。

    そも文学は解説が必要なのは受験や試験のためであって、それぞれに解釈し、論じ合い、情景の美しさを感じ取るものだと思う。
    それを仮にもプロが『解説』(しかもハーレクインと勘違いした体で)
    してしまうところに怖さを感じる。

    読み手のレベルが下がり、本の売上が下がって云々というが、
    確かにこうした作品が流行るのは、読者のレベルが下がっているせいとも言える。
    しかしながら作家やこういった原稿を出版してしまう出版社側にも、低レベル下して廃れていく責任の一端があると思う。

  • 恋愛をテーマに、おもしろ分かりやすく書いた文学論。
    名作って難しそう・・・と、読みたいけれど躊躇している
    人のとっかかりとしては良いのでは。
    今も昔も恋愛ってそんなに変わらないのかなぁ・・・
    なんて思ってしまいます(^^;

  • 『友情』から『不如帰』まで24作品が取りあげられている。柴門ふみが現時点の感覚で受け止めた作品の印象を遠慮なく綴ったもの。読むのに苦労したという感想もあるので、この幅広いチョイスは編集者側の指定だろう。

    未読の作品は『恋人たち』『草の花』『不如帰』の3篇だったが、その他の作品も「かつて読んだ記憶がある」という程度。自分が読み込んでいる『こころ』の解釈では気になる部分もあったが、さらりと読むぶんには個性的な切り口でそれなりに楽しめる。
    『赤ずきんちゃん気をつけて』がなつかしかった。

    作品の引用箇所のセンスがいい、と思った。 

  • 「恋、と書いたら、あと、書けなくなった。」

    何度目だろう。また性懲りもなく恋をした。
    太宰治の言葉に。

    読んで数分ぼうっとただただその言葉にとりつかれる
    これほど贅沢な恋があるだろうか。


    「あさましくてもよい、私は生き残って、
     思うことをしとげるために世間と争っていこう。」

    「戦闘、開始、恋する、すき、こがれる、本当に恋する、本当にすき、本当にこがれる、恋しいのがしようがない、すきなのだからしようがない、こがれているのだからしようがない。」

    軽やかながらサイコ。
    それでもかず子は一旦は上原とうまくいっちゃって
    (あ、デジャブ)

    「『しくじった。惚れちゃった』
    とそのひとは言って、笑った。」

    名文過ぎて涙が出る。ううううううう
    こんな台詞言っちゃう人ならば、
    騙されてもいいと思う。私も。


    頭がよく(でも本当はダメ男)
    こんな台詞をしゃあしゃあと言えて
    で、捨てられる。

    かず子は、私ですか?ってね


    でも、捨てられてもいいと思える男なんだよね
    これが見る目がないと所以か。


    ちなみに。

    村上春樹の描く男性に嫌悪感を(改めて)抱いた。
    大嫌いだ。本気で。

    「それにしてもワタナベくんはやたらモテる。(中略)
     大してハンサムでもないくせに」
    「困っていると信じられないくらい優しい言葉をかけてくれるくせに、
    平気で半年も連絡をくれなくなってしまう。」
    「ワタナベくんのようなその場しのぎの優しさ男が、
    じつは女を一番傷つけるのも事実だ。」


    いるんだよ、こういう男。本当に。
    更に「結局ワタナベくんて御身が大事、
     自分がイチバンの人間なのである。
     自分が傷つかないように生きることが人生最大の関心事であり、
     自分を傷つけない女性にしか近づかないし、
     女性に好かれるために女の喜ぶような言葉しか口にしない。
     でも、そんな人間が本当の愛を手に入れることが出来るのであろうか。」

    できないと思います。ええ。
    本当の愛?
    そんなブザマなことはかっこ悪くて求められないんだよね。
    そんな態度が逆にダサ。

    「ワタナベくんはブザマな格好を女に笑われたりは絶対、しない。
     そのための努力なら死に物ぐるいでやりそうだ。」

    見栄っ張りでプライドが高い。
    太宰と村上春樹の描く男の違いはここではないのかな、
    とか思う。

    どっちも騙されてはいけない男のタイプではあるのだけれど、
    まだ太宰の方がかわいげがあるというか、
    憎みきれない感じがするのよね。

    好みの問題かな・・・・・

    で、そこで登場するのが薫クン(!)ですよ!!!
    庄司薫と村上春樹が似てる?やれやれ(www)

    「『赤頭巾ちゃん気をつけて』の薫クンもまた傷つくことに敏感であったが、
    彼は足の親指の爪をはがしたブザマな恰好で
    自転車をこぐシーンを女に笑われても、
    でも頑張っちゃう可愛らしさがある。
    ガールフレンドの由美ちゃんと、マジでケンカして腹も立てる。」


    だって薫クンは「かなり知的で誠実でいい奴なのだ」から!

    世界に頑張って丸をつけ続けようとする薫クン。
    世界を信じようとした薫クン。
    でもちょっとヤサグレる薫クン。
    でも『赤頭巾ちゃん』の絵本を買いにゆく幼い少女との交流で
    我を取り戻す薫クン。
    由美ちゃんとの仲直りで
    「言いたいことが山のようにあったけれど、
    何をどう言ったらよいのか分からなかった」薫クン。
    そして「由美のやつがもうなにも気をつかったり心配したり嵐を恐れたりなんかしないで、無邪気なお魚みたいに楽しく泳いだりはしゃいだり暴れたりできるよう」に「海のような男になろう、あの大きな大きなそしてやさしい海のような男に」なろうと決心する薫クン。

    ステキ!!!!なんてステキ!!!!!!!!
    やはり庄司薫は読みつがれるべき青春小説の古典だわ!!!!!


    と言うわけで、結論。
    太宰(でもこれにはどうしても惹かれてしまう)にも
    村上春樹的主人公(マジで騙されないようにしよう)にも決別をして
    自分にとっての薫クンを探そうと思いました。
    いまどきいないか。いやいや、頑張る。

  • 別に文豪たちの恋愛模様を書き出した本ではなく、いわゆる名作の中から「ラブ」をピックアップしたサイモン流読書のススメ。

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