海のある奈良に死す (角川文庫)

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著者 : 有栖川有栖
  • 角川書店 (1998年5月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784041913024

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有効な左矢印 無効な左矢印
有栖川 有栖
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海のある奈良に死す (角川文庫)の感想・レビュー・書評

  •  有栖川さんの作品にしては珍しく(?)時代を感じる作品だった気がする。
     その時代にあって今はないものの登場率が高い。

     このシリーズは、絶対に順番どおりに読まないとダメ、て感じは強くないし、私も結構めちゃくちゃな順番で読んでるんだけど、この本はシリーズ4作目なのね。
     片桐さんが初めて火村と会うとか、人間関係とかおもしろい。

  • ○「海のある奈良」と殺害場所の謎が支配し、結末に(いい意味で)呆然!しかし読み応えあり!

    有栖川有栖氏の火村英生シリーズの一作で、三作目である。
    近々発売される新作の見本を受け取りに出版社に来た有栖は、作家の赤星と会う。「行ってくる。海のある奈良へ」と言い残し別れたが、翌日若狭で客死したという一報を受ける。東京で警察の説明を聞いた有栖はその後火村に相談し、若狭で検証する。しかし調べてもなお、赤星が来た痕跡がないことだけがわかる。道中、赤星の従弟で映画会社勤務の近松が死んだことがわかり、会社関係や女性関係が怪しいとにらむ二人は東京へ向かい、その映画会社の関係者に話を聞きに行き――。

    タイトルから読者をミスリードするこの物語は、完全に赤星の狙いであり犯人の狙いだ。殺害場所と東京と若狭がバラバラなまま物語の中で存在し続けるが、ふとしたところからヒントが出て後半になり一気にまくしたてるように展開する。八百比丘尼物語など人魚に関わる伝承や有栖による若狭の紹介は、完全に説明ではあるが冷静に状況を整理したい読者にとってはよい休憩になるだろう。唐突さを薄れさせつつ、伏線を張りつつ。後半になりその伏線が次々回収されていく様には驚き、真犯人は思いがけない人で(いい意味で)呆然!しかし、読みごたえのある一冊には違いない。

    カバーが上記画像と、私が手に入れた26版のものが異なっているが、今のほうが、よりストーリーに浮かび上がるミステリアスさが際立つ。

  • 作家アリスシリーズの4作目。
    有栖川の作家仲間の赤星が、「行ってくる。海のある奈良へ」と言い残して旅立った先で、客死した。
    有栖川は友人の火村とともに、赤星の死の真相を突き止めようとするのだが……


    旅情ミステリ色の濃い話で、色々な土地が舞台として出てきます。アリスと一緒に日本地図を頭の中に思い浮かべながら、犯人探しに頭を捻るのも一興かと。
    トリック自体はさほど面白いとは思わなかったですが、有栖川作品は細かいエピソードが丁寧に綴られているところがいいなあと思いますね。

  • サブリミナルとかメディアセックスが懐かしい
    二十歳そこそこに見える四十代は無いわあ

  • 久々のアリス作品。こんな面白かったっけ?笑 て、いうくらい面白かった!アリスと火村の会話。美人社長とその部下(?)。アリス以外の作家、編集者…など、個性豊かな登場人物たち。全てに於いて良かったなぁ。

  • 小浜が、海のある奈良って言われてることを初めて知る。お水取り、お水送りの説明の下りでちょっとダレたけど、最後は、小浜、和歌山、東京、京都と場所が転々として、もうすぐ犯人わかる!と思ってワクワクして勢いで読んでしまった。‬
    ‪しかし、レンタルのビデオテープが上からダビングできるとか知らんし、ビデオテープの爪?なにそれ?やし、テレフォンカードとか小学校低学年の時にしか使ったことないから懐かしいし、電車の電話使ってやりとりできたとか知らんし。‬

    ‪この小説はそんな前に書かれたんか!‬
    ‪と驚き。

  • 初読のときは学生アリスや46番目の密室しか読んでなかったので、まさかの旅情ミステリでズッコケた。ただ、今あらためて読み返してみるとこれはこれで面白い。ダリの繭や朱色の研究もそれっぽい要素あるし、当時はこういう路線も試していたのかな?

  • 「作家アリス」と火村英生シリーズ。有栖川有栖の同業者が、「海のある奈良へ」と言い残し、福井・小浜で発見される。確かに小浜は小京都だったが…。

    作品は20年前のものらしい。だからか、トリックに、サブリミナル効果とかあったのかな。当時は新しかったのかも。いまでこそ本格ミステリーっていいっぱいあるけど、トリックも地名も、登場人物(実は親子)にしても、こんだけいろいろ詰め込んでストーリーも読ませるってあんまりないと思う。

  • 有栖川有栖による作家アリスシリーズの長編。
    まず、タイトルが目を引く。無知な自分には「奈良に海なんかない」と即座に思ってしまうのだが、福井県小浜市は国宝級・重文級の寺社やゆかりの地が多く、歴史的にも海外との交易などで重要な地であり、奈良とのゆかりも深いことから「海のある奈良」と呼ばれているそうだ。
    もう一つキーワードとなるのが「人魚」だ。作中で不審な死を遂げる赤星楽が取材に行くといった場所が「海のある奈良」、書こうとしていた作品のタイトルが「人魚の牙」で、小浜は八百比丘尼とのつながりが深く、八百比丘尼は人魚の肉を食べて年をとらなくなったと言われる。
    これらの要素をうまく物語に取り込み、所々でガイドブックか歴史の解説書のような解説も盛り込まれ、物語が進行する。長編ということもあり、やや冗長に感じる部分もあるが、近畿から北陸にいたる地域で展開する物語に、いつかはそれをこの目で見たいと思わせるものも登場し、飽きさせない。
    作者が専業作家となって初めての作品ということで、相当気合が入ったと思われる。やや?と首をかしげてしまうところもないではないが、それも含めて労作であり佳作である。

  • 内容(「BOOK」データベースより)
    半年がかりで書き上げた長編が、やっと見本になった!推理作家・有栖川有栖は、この一瞬を味わう為にわざわざ大阪から東京へやってきたのだ。珀友社の会議室で見本を手に喜びに浸っていると、同業者の赤星学が大きなバックを肩に現れた。久しぶりの再会で雑談に花を咲かせた後、赤星は会議室を後にした。「行ってくる。『海のある奈良』へ」と言い残して…。翌日、福井の古都・小浜で赤星が死体で発見された。赤星と最後に話した関係者として、有栖は友人・火村英生と共に調査を開始するが―!?複雑に絡まった糸を、大胆にロジカルに解きほぐす本格推理。

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    本を読むとき、本を探すとき、タイトルってやっぱり重要だ。

    最近の自己啓発系の本だと、「一分で出来る!」とか
    「2週間で○○kg痩せた!」とかのタイトルにすると、売れ行きが段違いらしい。

    最近のベストセラーで言うと「嫌われる勇気」かな。
    ぱっと見で、「おや?」と思えるものにやっぱり惹かれる。

    ...何が言いたいかと言うと、今回の本もタイトルが秀逸ですよね!
    ってことが言いたいだけ(笑。

    「海のある奈良」だけでも「おや?」なのに。
    「~に死す」と一目でミステリーと分かる。

    いや~。興味を惹かれますよね...

    今回はついにと言うか、アリスの身近な人が犠牲になります...
    本の中にもあったけど、事故や事件を引き寄せる体質?w

    「海のある奈良」=小浜だったんですね。
    無知なので知りませんでした...

    あ、もちろんそれが答えじゃないですよ!
    もっと奥深いトリックや理由が存在しますのでご心配なく...

    と、言いつつちょこちょこネタばれします。
    ご注意ください。

    まずこちらのビデオのトリックですが...
    これはびっくりしましたね。

    と言うかレンタルがDVD/ブルーレイ時代の今は、分かる人の方が少ないのではないでしょうか。
    例え分かったとしても、レンタル屋さんのビデオに細工をするなんてダメでしょ

    そのぐらい巧妙で入り組んだトリックなんですよね...
    理解するのに時間がかかってしまった...

    今回の作品では、アリスと火村先生が、小浜や東京、京都などあちこちをめぐります。

    ただやっぱりちょっと不満なのは、穴吹社長の美しさや若さの秘密が解き明かされなかったこと。
    結局それすらもトリックのひとつなのかも知れないな~。
    彼女が年相応の美人だったら起こり得ない事件なんだろうし。

    作家仲間や編集さんも出てきますが、このあたりの人たちは
    ほかのシリーズでも顔を出すのでしょうか?

    朝井女史も片桐さんもいいキャラなので、楽しみです

    しばらくはこのシリーズに浸りそうだな~。

  • やっと見本になった本の受け取り待ちの間に
    取材に行く同業者と会った。
    そして彼は、何も言えない存在となった。

    彼が一体どこに取材に行こうとしていたのか。
    何を書こうとしていたのか。
    それを考えていけば、そのまま分かってくるという
    言われてみれば納得、な解決、でした。
    そもそも、指摘されてみれば分かる
    些細な事、でした。

    しかし毎度思うのですが、そこまで休校にして
    単位はどうするつもりなのでしょうか?

  • 作家アリスシリーズ#4

  • 東京に出来立ての最新作を受け取りに(その他の古本屋巡りがメインではあるが)東京の珀友社で担当編集者の片桐氏が見本を持ってくる間の待ち時間に同業者の赤星楽がアリスの元へと顔を出した。彼は今から次回作の取材旅行へと向かうことを告げる。「『海のある奈良』へ行ってくる」そう言った彼は次の日、若狭の海岸で波に洗われているところを海上保安庁の調査船に発見される。人魚のモチーフを使った作品になる作品を書くといって言っていた彼は若狭の八尾比丘尼伝説を下敷にしたものを書くつもりだったのか、と思われたが、その若狭で赤星氏の足取りはたった一枚のテレホンカード以外見つからなかった。旧知の仲とは言えないが、知らない仲ではなかった彼の死を、アリスは独自に捜査することを決意する。その協力者として火村を頼った彼は、若狭、奈良、東京と動き回りながら事件の真相へと近付いていく。

    今回のベストワンなアリスと火村のやり取りは
    「うん、さすがは『日本のシェイクスピア』や」
    「それは近松門左衛門だろうが」
    しまった。うっかりしていた。
    「しっかりしろよ、『浪花のエラリー・クイーン』」
    詳しい。そんなからかいの言葉に、しばし耐えるしかなかった。  P170より

    職場で一人にやにやしながら読んだ部分でした。
    有栖川さんのミステリは地道で、地味ともおもえるものだけれど、そこがいい。ついに『鍵のかかった男』を単行本で買ってしまった。
    それにしても、34の男二人でせーの、は可愛すぎる(笑)

  • 奈良県と同じく、海のない内陸県育ちなので題名にすごく惹かれて取り憑かれたように読みました。
    ラストの朝井先生にぐっときた。
    なんだかやりきれなかった。

  • 私も「行ってくる、海のある奈良へ」なんて言って旅立ってみたい。死体で発見されるのは御免こうむりますが。
    謎解き部分については正直なところあまり好みではないのですが、旅情ミステリとしては愛読しています。雑学めいて挿入される土地や建物の来歴に心惹かれ、実際に旅行計画を練ってみたり。この人の作品はその場所に行ってみたくさせますね。

  • あとがきでも著者自身書いておられるけど、本シリーズにしては珍しく日本各地を行脚する内容になっていて、わたしも小浜行ってみたくなったし、人魚のミイラも見に行ってみたくなった。

    地域にまつわる雑学や日本古来の伝説も豊富に登場して紀行モノとして楽しんでる自分がいて旅に出たくなった。笑
    そして行くならば本作の火村アリスコンビのように軽口を叩き合える相手と行きたいものである。

    個人的な読み方としては推理や謎解きの内容にさほどカタルシスを感じないし作品においての重点を置かないのでその辺については触れないでおく。
    (2016.2.29)

  • 海のある奈良に死す、まずタイトルが素敵だなあ、と。有栖川作品にはつい手に取りたくなるような魅力的なタイトルが多い印象です。実際にある土地と言うのもびっくりしたし、何だかロマンチックだなと思いました。八百比丘尼伝説や刈萱堂などのお話も盛り込まれ、人間模様も複雑に絡み合った今回の事件。そして、ちらちらと見え隠れする火村の過去、それに踏み込めずとも見守るアリス、この二人の関係から目が離せなくなりますね。ラストは何とも切ない気持ちになりました。

  • これも超久々の再読。この本、昔とても好きだったはずなのに、内容を覚えてなくて、おかげで新たな本として楽しめた(笑)。初期のころの作家アリスシリーズだからか、火村とアリスの会話が若々しい気が(年齢設定は今も同じだけど)。初期の本って、二人でよくハモってる場面が出てきて微笑ましい。
    あと、この本にはサブリミナル効果の「メディア・セックス」の話が出てたんだなーと懐かしく思った。
    火村もアリスもフットワーク軽く飛び回ってるし、片桐さんも大活躍で、こっちまで旅行に行きたくなる本だ。

  • 再読。
    “海のある奈良”という言葉が詩的でとても素敵だなぁ、という印象が強く残っていましたが、元々そう呼ばれる地があるのでしたね。
    10年以上前なので全然覚えていなかった(笑)
    “海のある奈良”という通り名の地はおそらく知っている人も多いのでしょうが、その重要なワードには別の意味も隠されていて……
    土地にまつわる伝説や、幻の推理小説の原案と絡めて非常に凝ったトリック。
    そして今回も複雑な人間模様と小出しになる火村の過去。
    どこかのあとがきで有栖川さんは「火村の過去をつまびらかにする必要はない」とおっしゃっていましたが、やはり知りたい。
    せめてアリスにだけでも打ち明けられる日が来てほしい。重い荷物を降ろせる日が来てほしい。
    と、願わずにはいられないですね。
    ただ、過去からの解放は探偵をする意義から解放される時でもあるので、アリスと荷物を半分こするに留めてほしい気もするのですが(笑)

  • タイトルが好き。
    「海のある奈良」という言葉は初めて知りましたが
    小浜に行ってみたくなりました。

    トリックはうーん、微妙?
    ラストは切なく、お話しとしては好きでした。

  • 海のある奈良に死す

  • ヴェニスでもパリでもナイルでもなくて
    奈良だそうで。

    「ダリの繭」「朱色の研究」と合わせて
    旅情ミステリ3部作、なのかなあ。
    うーん。

    確かに「エクソシスト」は怖かったなあ。
    でも今見ると、そうでもないんだろうなあ。

  • いつまでも、若くいられるのは羨ましい。
    けど、歳相応って大事かも。

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海のある奈良に死す (角川文庫)の作品紹介

半年がかりで書き上げた長編が、やっと見本になった!推理作家・有栖川有栖は、この一瞬を味わう為にわざわざ大阪から東京へやってきたのだ。珀友社の会議室で見本を手に喜びに浸っていると、同業者の赤星学が大きなバックを肩に現れた。久しぶりの再会で雑談に花を咲かせた後、赤星は会議室を後にした。「行ってくる。『海のある奈良』へ」と言い残して…。翌日、福井の古都・小浜で赤星が死体で発見された。赤星と最後に話した関係者として、有栖は友人・火村英生と共に調査を開始するが-!?複雑に絡まった糸を、大胆にロジカルに解きほぐす本格推理。

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